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友人、おばあちゃんのおかげで、選べないわたしが「やさしいわがままに」を選んだ話

こんにちは。ぐらです。

上記リンクは、現在まで作り続けている彫刻の一部の作品です。

いまわたしは、「やさしくわがままな創作者」として
おばあちゃんになるまで、日々作品を作ることをめざしています。

選べない幼少期

子どもの頃から、美大を目指すようなアーティスト気質であったわけではありませんでした。

高校は普通科で、つくえの上で勉強をひたすら勉強し進学、そして資格取得、就職をめざす学生でした。

もちろん、絵は好きでしたが、それに特化してできるタイプでもなくて、立体制作、運動や音楽、コンピュータなど、技能科目がほどほどにとくいな目立たない生徒でした。

ふたごのいもうとがいるのですが、彼女は成績がよくて、学校で1、2番を争っている期間もながく、同じ遺伝子なのに自身がなぜこんなに頭が悪いのかとても不思議なほどでした。

わたしはしゃべることが苦手でした。
小学生のころは横に、翻訳をしてくれる友人がいてくれていて、人に意見を伝えられない、ひとりで人と話すとと不思議がられるタイプでした。
ひとに話を伝えられないことで、わたしはストレスを抱え、学校に行くたびに昼には高熱がでて、保健室で過ごしました。

そのため、母はわたしをとても心配しました。家族になんでも助けられたし、与えられました。そうされるなかで、自身ひとりでやりきらせてもらえない、選べない不自由さにイラつき、悲しみがつきまとうようになりました。

思春期に入ったころ、わたしの母親やいもうとへのイラつきはピークに達していたと思います。女性の身体変化と受験によるストレスでふくよかに、目はどんどん小さくなり、ニキビだらけになり、醜い自分がとても許せなかったのも覚えています。

ある日、親切な母は服を選べないわたしに愛想を尽かし「チビ、デブ、ブスが似合う服はない」と言われました。まさしく図星でした。それ以降、自身のことが更に嫌いになりました。姿のわかる透明人間になりたいと思いました。チビの身長も変えられない。体重も減らない。顔も変わらない。

まともにしゃべって伝えることもできない。頭も悪い。
どんどん選べなくなっていきました。
服も選べない。持ち物も選べない。おしゃれできない。
変えることのできるものも変えること、選ぶことができなかったです。
毎日、制服を着ていました。選んだであろう私服を着ている自分が気持ち悪くて、ダサくて。誰かが選んだものでないと安心できない自分がいました。他人の選択のなかで、それなりに生きてはいました。
それが当たり前だったので、それなりに楽しかったのだと思います。たくさんの楽しい思い出(たとえば、遠足や運動会、誕生日)はあります。

美術科の友人との出会い

そんな選んでいない日々に気づけたのが、教育大学美術科の大学進学でした。
大学当初、友人からとにかく、やたらほめられた記憶があります。
自身の服装に関しても、作品に関しても。リスペクトしてくれるのです。
わたしは田舎育ちなため、画塾に通ったことはなかったのに・・・(友人たちはもちろん画塾で修行を積んできて、上手です)
友人曰く、客観的にみて話しているだけだそうです。

今まで身体を隠すための、ダブダブのニット、ズボンしか着ることができなかったのが、いつしか雑誌にのっている服を買いたい、小物をかけてもいいのでは?と思う気持ちが芽生えてきました。
作品のモチーフやテーマ、構図や素材、テクニックなど選ぶのも楽しくて、自分で最後まで作りきることも楽しくて、友人の作る唯一無二の作品が好きで、わたしはつくること、友人と語りあうなかで自然と選ぶことができるようになってきました。
アートの基礎知識を得ながらも、漫画やアニメ、ライトノベル、映画を再び選び楽しむことができるようになったのも覚えています。

自身の「チビ、デブ、ブス」の邪念が溶けていきました。
そこで初めてわたしは「選んでこなかった」ことに気づいたし、人に何かが「選んだから伝わった」という感覚を初めて知ることができました。
その感覚はわたしにとって、大切なかけがいのないものでした。
アートはわたしを助けてくれたと思いました。

伝えられるの限界と感情モンスター

けれども、「選んだことを伝える」というのは本当に難しくて、奥が深くて、手探りのなか表現を続けています。
音で伝わる人もいれば、文脈で伝わる人、形で伝わる人、色で伝わる人、文字で伝わる人、身体で伝わる人、リズムで伝わる人、匂いで伝わる人、触覚で伝わる人、第6感で伝わる人、スッキリしないと伝わらない人、複雑な方が伝わる人など、偏った感覚を人それぞれは持っているからです。

実は、最初の伝わったという成功体験から10年後の30歳の年、どんどん自分の中で「伝える」というのが難しくなってきました。
一般的な人たちと交流するとき、もっているアートの知識と文脈の量で、伝わる量で伝わることがすれ違い、混乱し、自分のためにしか表現できませんでした。
また、自身の得意とする、触覚、嗅覚が立体(彫刻)だけで伝えるのが限界でした。

そんなとき、コルクラボマンガ専科に出会いました。
アートを中心としてやってきたわたしが、急に資本やマスの力が強いエンタメの世界に行くのは難しく、アートでもエンタメでも受容してくれる幅があるのが、漫画だったからです。

その講座のなかで気づいた自身が失っていたもの。
それは「共感」と「感情」でした。
コルクラボマンガ専科の授業中、実はとても苦しかったです。
わたしには「共感」と「感情」がないと気づかされたからです。
自身が他人に寄り添うことのできない悲しい人間だと気づかされました。どこで忘れてきたのだろう、そもそも持っていなかったのではないか、思考と感情はどう違うのだろう。ぐるぐると思考していました。

しかし、そんなわたしを専科の友人は助けてくれます。
わたしに「感情モンスター」という種族を与えてくれたのです(笑)
とにかく私は、感情の揺れ幅が圧倒的に大きいらしいです。
彼曰く、彼にとってはちょっとしたことが、わたしにとっては大きなことになっていて、それに喜んだり、怒ったり、悲しんだり、ころころコロコロと表情を変えるらしいです。怒ったと思ったら、すぐ笑っていて、泣いたと思ったら、すぐ笑っているらしいです。
だから「感情モンスター」らしいです(笑)

自分では全く無自覚でした。
ただ、ふり返ってみると心当たりのある他人、例えば家族や恋人、友人を困らせたエピソードはたくさんあります。
そんな自分を抱え切れなくて、他人といるときは無自覚にしてみたり、ひとりでいるときは疲れたくなくて感情が高まらないように工夫をしていたのかもしれません。友人と話すときは共感できるのに、スマートフォンをひとりみているときに共感できない人間になる原因も分かりました。
感情は自身の得意な部分だったようです。

共感・感情に向き合え、今こうしてまた伝えることが楽しめているのも、友人のおかげです。

わがままでいいんだ

普段、生活していると選ぶことのない日常は当たり前に
人々に横たわります。
特にそのクセが幼少期からあるわたしは特に注意が必要です。
それは悪いことでなないけれど、疲れないけれど
自信がどんどんなくなり、自己の消滅が怒りに変わります。
置き去りにした感情を自分のなかに取り戻し、
伝えたいと思っている自身に気づきます。わたしはつくり続けました。
そして、あんなに選ぶことのできなかったわたしが

10月現在、作品は76作完成していました・・・
いつのまに・・・



「アートに出会えてよかった。そして、
なにより、アートな友人に出会えてよかった。
ありのままのじぶんを出せるアートという場所に感謝したい」
という気持ちをわたしは思い出します。

アートに出会う前は、何に苦しんでいるか分からず、
選択できない自分を責めるネガディブに支配されていました。
もっとわがままなポジディブな選択をしてもよかったはずなのに。


やさしいおばあちゃん

わがままであることと同様に、
やさしい世界にもわたしはこだわりがあります。
それは、わたしはおばあちゃんにあこがれているから。

おじいちゃんはおばあちゃんが20代後半になって死んでしまって
女でひとつで2人の子どもを育てだおばあちゃん。
昔は相当大変だったと思います。
お母さんからとても大変だったとも聞きました。

おじいちゃんが死んで、おじいちゃんの家から追い出されても
恨まず、大好きなおじいちゃんの写真に手をあわせて
その大きな手で、わたしたちの頭をなでてくれた。

おばあちゃんは、ずっとやさしかった。
虫とりしたあとには、からなず虫を自然に返すし
家の庭にできた鬼灯は独り占めせずに近所の知らない男の子にあげたり
お母さんに理不尽に怒られても怒らない
責めているところを見たことがありませんでした。

笑うととてもかわいい
いつもありがとう。ありがとう。と言ってくれた。

わたしはおばあちゃんを幸せだということばを信じていたけれど
信じられなかった。

おばあちゃんを幸せにしたかった。

やさしいわがまま

そんな思いから「やさしく」「わがまま」でありたいと
思っています。
そして、わたしはやさしい人に向けて作品を作りたいと思っています。

ふらっと立ち寄った読者の方々が、もっと自身のために選び「やさしさ」「わがまま」に気づき、それをやさしい世界へと届けることができればなんて、願ったりしています。
共感、感情、そして感謝を今以上に込めて、そして、それをテーマにして作品を作り続けます。






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