スキー|雪が降ると思うこと
「スキー」
視界には細かい吹雪が舞って、30m先は白く霞んでいる。両側に連なる細い木々は寒すぎる温度のせいか、雪すら纏わず風に合わせて枝先を震わせる。広がる雪原を、足だけの感覚を頼りに雪をスキー板で割いていく。増していくスピードに、板と足の骨を通して伝わってくる激しい振動、風を切る音すら後ろに飛び去って、静寂に吸い込まれていく感覚が好きだ。
スキーを始めたのは、いつだったか。母方の実家は北海道で、冬にはすることがなかったのだろう、私は母親にスキーをはかされ、いってらっしゃ