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大したことない留学生だからこそ得られた「大したことあるもの 」

1年間の留学生活が終わろうとしている今、この長いようで短くて、でも少しだけ長かった期間で自分が得たものとは何かを考えてみます。

一般的には

①語学力

留学といえば1番に思い浮かぶのが語学でしょう。どれだけ成長したかの判断基準として、語学は比較もしやすいし分かりやすいです。

海外ではスーパーに行くだけでも勉強になります。普通に生活をしようとすれば、最低限の語学力はついてきます。

②新たな友達や人脈

ドイツに来たからこそ出会えた人が本当にたくさんいます。様々な背景を持つ人がいる中で、それぞれの人の魅力を知ります。そのうえで、自分自身がどんな人間なのかも少し分かってきます。

大したことあるもの

ここからが本題で、留学に来る前の僕にはなかったうえに、今となってはとても大切なものです。

①ハグや握手の大切さ

ドイツへ来てから、友達と会ったときや別れ際にハグや握手をするようになりました。最初は違和感もあったけど、今となってはすごく好きです。

心安らぐというか、とにかく幸せな感情に包まれます。

この気持ちを知ることができたのは自分にとって財産です。

日本にいた頃、僕は中学生のサッカー指導者をしていて、子どもは毎回必ず「おはようございます」「さようなら」と、お辞儀と共に挨拶に来てくれました。

しかし日本へ帰ってまた彼らと会うことができた際には、そんな堅苦しい挨拶はやめて、手をガシッと掴んで再会を喜びたいです。

②自然のある日常の豊かさ

ケルンにはライン川が流れているうえに、歩いていれば公園やグラウンドが普通にあったりと、町に自然が溶け込んでいます。

特に夏の晴れた日には川沿いや公園は散歩をする人で溢れています。

そのとき一緒にいたい人とお喋りをしながら歩いている様子は、とても微笑ましく、こういう幸せな時間もあるんだと教えてもらいました。

何か思い悩んだときには川沿いを歩くとスッキリするし、友達と公園でランニングすると気持ちがいいし、夜になって友達と川沿いで飲むビールは最高です。

うまく理由を言葉にできませんが、自然が当たり前にあると、日常はより豊かになります。そしてそれだけで十分幸せです。

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③行動力

ドイツに来れば日本でできなかったことにも挑戦できると思っていました。でも結局環境を変えたって、やらないことはいつまで経ってもやりません。

変えるべきは環境じゃなくて自分自身のマインドです。

環境を変えたからこそ、環境が言い訳にしかならないと知りました。

おかげで、とりあえずやってみる行動力がつきました。

まずやってみて、それからどうするか考えればいい。

そんなもんでいいんです。

④外国人の気持ち

ここでは僕は外国人です。当然差別も受けるし、言葉が通じないときだってあります。ドイツ語で話しかけたのに英語で返されたときはショックでした。

しかしこれも日本を出て生活をしてみなきゃできない経験です。

皆同じ人間だから本来国籍なんて関係ないけど、関係ある人だっているし、それによって起こる問題だって実際にあります。

少なくとも自分は、他人をそういう風に傷つけたくはありません。

自分が「外国人」になることで、生活するうえでの複雑さや、されたら嫌なことなどを理解できるようになりました。

⑤日本という国の再認識

日本を離れてみて初めて、日本のすごいところに気づけます。

24時間営業のお店、丁寧な接客、ゴミのない綺麗な町。。。

そんな当然のことが海外では当たり前ではありません。

でも一方で、どのようにしてその当たり前が成り立っているのか、本当にその当たり前は必要なことなのかも考えさせられました。

例えば日本では、電車が数分遅れただけでアナウンスが流れますが、これはドイツで暮らしていると異常に感じます。これ自体が悪いと言いたいわけではなく、「なぜ」わざわざ数分の遅れごときでアナウンスしなければならないのか。

仕事に対する皆の期待値が高過ぎて、少し生きにくいようにも感じます。

「自分はお金を払っている身なのだから、そこまで要求して当然」

「私はちゃんと仕事をしているのに、あの人はしていない」

どこかにそんな気持ちがあるように思えます。

自分は自分。他人は他人。それでいいじゃないですか。

もちろん自分がその仕事をプロフェッショナルに取り組むことは素晴らしいことです。しかしそれは他人が自ら望むことではありません。

⑥距離があるからこそ分かる大切な存在

日本にいる友達と物理的な距離が生まれると、会いたくても会えません。

いくらSNSがあるとは言っても時差もあるので、繋がっている感覚は薄れます。

でも定期的に連絡をくれる人は、「遠くにいても自分のこと思ってくれているんだな」と分かるし、僕もある人をふと思い出したりすると、「この人って自分にとって特に大切なんだな」って気づきます。

家族だってそうです。離れてみたからこそ存在のありがたさを感じます。

そんな気持ちに気づけたら、再会後の振る舞い方も変わることでしょう。

やっぱり素敵な出会い

なんだかんだ言って、やはり人との出会いが1番大きいです。人種とか関係なく、1人の人として出会えて良かったと心から思える存在が何人もいます。

くだらないことも真面目なことも話して、自分の恥ずかしい面も見せて。

そんな心の許せる存在ができて、本当に幸せです。

この幸せの価値を知ることができてよかったです。

留学で得られるものって?

正直1年間の留学で得られるものって明確にあるのかは分からないし、あったところで実感しにくいです。

なぜなら目に見えないものの方が圧倒的に多いから。

何か数字として残せれば別ですが、僕がこれまで書いてきたものは、ほとんどそれに該当しません。目に見えないものです。

でもこうやって文字に起こすことで、改めて得たものの尊さを実感します。

留学と言うと、何か目標を達成したり、新しい何かを得なければならないイメージがありますが、それが全てではないです。

もちろん来る前から抱いていた目標が達成できたら素晴らしいことですが、その過程の中で気づかないうちに得られているものもあります。

それに気づけたとき、留学してよかったって思えるはずです。

ドイツ語も英語も特別できるわけでもなく、何かに秀でているわけではない僕ですが、そんな僕でも、いやそんな僕だからこそ、とてもかけがえのない「大したことあるもの」を得られました。という大したことないお話でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。感想などお待ちしています。

Tschüs👋







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