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東日本自転車旅 8日目 上尾ー益子ー笠間 110km

スーパー銭湯で仮眠をして2時に出発。夜走るのはまだ寒いけど車は少ないので走るにはとても良い。もう少し暖かくなったら夜移動もありかな。山間部は暗すぎて怖いから街中限定になるけど。
益子へ向かう道中、『かまねこ堂』と書かれた謎の建物を発見。気になってインスタを見てみると、鴨江ヴンダーカンマーと書肆ゲンシシャにフォローされている。行きたい。けど今日は定休日。めちゃくちゃ気になる。と思っていたらガソリンスタンドの服をきたおっちゃんがふらっと通ってこっちを見た。ここの人かな。「今日はやってないですよね?」聞いてみるとなんと特別に開けてくれるとのこと。

中にはレトロな雑貨類からかなりキワモノなものまで幅広くオールジャンル置いている。すごく好きだ。とくにアフリカの仮面が飾られていたのには驚いた。昔芹沢圭介美術館の世界の仮面展で見たものと同じようなものもある。オークションで買ったりしたものもあると言っていたので相当な値段なのだろう。つげ義春もお好きらしく目医者の看板を自作してフリマで使っていたらしい。これはいいなあ。吉将市でもやってみたい。
栃木はアンティークやガラクタ系のお店が多いらしく、かまねこ堂は宇都宮蚤の市を主催しているらしい。なんだかすごい方らしいぞ。定期的にフリマやアングラな音楽イベントもやっているらしくわりとオープンなスタイルでやっているというのもとても素敵だ。近所にこんなところがあったら最高だろうな。北関東文化も侮れない。
行く先々でこういう方に会って、その土地のちょっとディープな遊び事情が聞けることほど価値のある時間はない。これこそ旅の醍醐味。


益子には13時過ぎに到着。窯元が道沿いにかなりの数並んでいて、九州の小鹿田や波佐見を思い出した。
そして今日の目的地、濱田庄司参考館へ。濱田庄司の作品は河井寛次郎ほど奇抜ではなく、わりと落ち着いた作風。実用性のあるデザインや色が多い。コレクションも面白いものが多く、日本の土偶やドイツの髭徳利は特に好きだった。場所は山あいの斜面上でかなり田舎なので、広々とした印象だった。河井寛次郎記念館は洗練された感じだったけど、濱田庄司はわりと田舎でのんびりって感じなのかな。セントアイビスにいたこともあって田舎生活が好きだったのかも。

この濱田庄司の話はとても好きだった。

ゲストハウスに行く前に、目をつけていた古着屋oddへ。ここがまた良かった。
置いてあるtシャツも好きな感じ。ヨーロッパ買付ということでちょっと変わった雑貨が多かった。あと店主さんがめちゃいい人でステッカーもいただいてしまった。「29歳でこんなにブチギレてる人は久しぶりに見ました」って言ってた。ブチギレてる人を目指してるつもりはないけど、面白がってもらえて良かった良かった。なんだか今日は写真を撮られてよくインスタに載せてもらえる日だ。

古着屋oddで買ったTシャツ。しかもこれ、手書きなのです。とてもポイントが高い。
外国の農家の人が描いたんだろうな。


今日の宿、笠間の門前ハウスはNPOがやっているゲストハウスで、今日は女性のお客さんが1人いるらしい。ちょっと期待して宿で休んでいると、もう一人の方はお母さんくらいの歳の李さんという中国の方でした。今日はなんだかつげ義春と縁のある1日だ。(つげ義春の作品に「李さん一家」という話がある)
日本で医者をやっているらしく、ワクチン接種の仕事で三日間だけ笠間に来ているとのこと。
中国の教育の話、仕事の話、ウクライナ戦争での中国と日本の報道の違いなどなどいろんな話をした。ゲストハウスはこういう出会いがあるから面白い。

明日は一日雨らしい。そして自分は当初、太平洋側をまっすぐ海岸沿いに行けば青森まで行けると思っていたけど、除染が済んでない地域は一部通れないらしい。まあ考えてみたらそうだろう。ちょっと計画も立て直そう。明日はもう一泊笠間にいようかな。多少の雨ならいいけど大雨の中進んでも危ないし、どうせそんなに進めない。体調崩すのも嫌だし、明日の状況を見て考えよう。今日はフルコースすぎてかなり疲れた。
こういう偶然の中でいろんなものを見たり聞いたりできるのが旅の醍醐味だ。
予定外のことが起こったり、ご縁があっていろんな方と出会えたりすることほど面白いことはない。これはいくらお金をかけてもできない経験だし、逆にお金をかけなくてもできてしまうからすごい。まあ、今日はお金いっぱい使っちゃったんだけど。



朝飯 600円
昼飯 1000円
カマネコ堂、焼き物、古着 15000円
晩飯 2000円
ゲストハウス 3400円

合計 22000円

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