副産物

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副産物という言葉、日常的に聞く方もいらっしゃいますでしょうし、あまり聞き慣れない言葉だなと思われる方もいらっしゃるかと思います。

この言葉、私は高校2年生のとき、工業簿記の授業で初めて聞きました。(私は商業高校出身なのです。)

簿記というのは、平易に述べれば「会社のお金の流れを記録する技術」です。そしてそれは、小売業(商品をどこかから仕入れて売るのがメイン)を主な対象にした商業簿記と、製造業(商品を自ら製造して売るのがメイン)を主な対象にした工業簿記とに大別できます。

話を副産物に戻します。工業簿記における副産物とは、その会社がメインで作っているものが完成するまでに、副次的に発生して、なおかつ一定の金額で販売可能なものと言われます。例えば日本酒を製造していましたら、酒粕がその製造工程で発生します。そして酒粕は販売可能なため、酒粕は日本酒の副産物と言えるのです。これが例えば、机を製造している段階で発生した木くずなどの場合は、特殊な業者を除いて販売需要が限りなく低いため、副産物とは言えません。

上記より副産物は、自分が一番、力を入れて取り組んでいる活動を進めていくことで、意図せずに得ることが出来たものとも言えます。

私は中学生の頃に、初めて鉄道旅行という趣味に目覚めました。

https://note.com/gogodasyou/n/n0c2daa0ce7ba

そして、あてのない旅を何度も繰り返します。

https://note.com/gogodasyou/n/n53759a6ca18f

しかし大学生になると、活動の幅が大きく広がるため、本当に全くあてのない旅を何日も続けることは、(もちろんそういう旅を行う方も多くいらっしゃいますが)私には出来ませんでした。そこで大学生に入り、初めて時刻表を購入することになります。

時刻表は私にとって、当然ながら列車の時刻を調べるためだけに購入したものでした。その他の購入動機は、ほぼゼロでした。

しかし、時刻表を購入し、読まれた方は分かるかと思いますが、時刻表には列車の時刻以外にも、様々な情報が詰め込まれています。主要駅の構内図や電話番号、青春18きっぷなどの企画乗車券の説明や販売期間、そして、その路線のメインとなる駅で販売されている「駅弁」。

とかく貧乏学生だった私は、記載されている情報をとにかく読み尽くしていたため、この路線はだいたい何分間隔で列車が来て、メインとなる駅は〇〇で、そこでは△△という駅弁が☓☓円で売っているといった情報を、第三者に説明できるようになっていました。

中でも駅弁の情報は、鉄道好きと言うよりは国内旅行好きといった方々に非常に好評でした。特に妻と結婚するまで(付き合っていた頃)は、駅弁を食べることを第一目的とした旅行をしたことも少なくありません。

すなわち私は、時刻表という書籍を読むことで、メインナレッジである列車の出発・および到着時刻に加え、サブナレッジである駅弁情報なども得ることが出来たのです。まさしく駅弁情報は、私にとって副産物なのでありました。

最後になりますが、「数学が苦手な人間は、まず国語を学べ」といった言葉を聞いたことがあります。一般的に日本の大学入試は、国語以外の科目も日本語で書かれていることがほとんどです。そのため国語を学ぶことで語彙が増え、そのことが数学や理科、社会など国語以外の科目の伸びにも繋がっていくという趣旨の言葉です。

これこそまさに、国語を学ぶことによって得られる副産物と言えるのではないでしょうか。どうしても現代は「即効性」が求められますため、数学が苦手なら数学の補強を始めることが最適解として認知されています。しかし回り道でも、国語の勉強を始めることで、副産物を得られるかもしれません。

回り道は最適解ではないかもしれませんが、得られるものは間違いなく、最適解よりも多いのですから。

最後までご覧くださいまして、誠にありがとうございました。

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