続・本の散歩 28/69@中央区 ザギン

画像1 『えーえんとくちから』笹井宏之作品集。読む者の価値観を覆す文学。それが本書。僅か31文字、時間にして10秒足らずで読み始める前には予想もしなかった景色に出る。最初に発したコトバから次のコトバへどうしてそう繋がったのか推し量れぬ自在な跳躍。コトバに出来ぬ感情の間をコトバを感じて行ったり来たりのスウィンギングな体験。一句読む毎に深呼吸して味わいたい。作家は26歳で夭折。短くも見事に世界を詠みきった。本書を手に何度か町へ出たが場所が見つからなかった。ふいにどこで撮るかではなくどう撮るかだと思い至った。ザギンで。

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