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甘き雷

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好きなアイドルの女の子のInstagramを延々と見ている。目元を拡大させてどんなメイクを施しているのか確かめる。前髪の分け方や自撮りをするときの首の角度、ドレッサーの前に並べてある化粧品やおやつ。そっくり真似をしてこの子になりたいわけじゃない。少しずつ知っていくのが楽しい。知る度にもっと好きになる。
でも彼女がつけているネックレスが欲しくて似たようなものを探している。

ご飯を食べることを拒否していたが、友人やお嬢さんたちがすぐに食べれるものをくれたり食事に連れて行ってくれる。

友人たちと少し先の楽しい予定を立てる。遠くに行くけれど一人じゃない。心細さや不安なんて無くて、ただただ楽しそうだ。

こんなことをしているうちに気持ちを取り戻してきた。
私も周りの人を癒していけるだろうか。出来たらいいな。そのためにはまず自分が健やかでいようとおもった。ぼちぼちでいいから。

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グループ展で販売しようと思っていた写真集の入稿がうまく出来なかった。悔しくて泣いた。作りたいものを思う通りに形にしたい。デザインの勉強をしようと思った。

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悔しい気持ちのまま朝を迎える。
個展をすると決めた。私は決めたら何事も早い。あたたかくなる頃に開催したい。

今日はお嬢さんと撮影。私が一番好きなスタジオに連れて行ってもらう。ここ最近の撮影で、なんというか、一番しっくりきた。こういうのが撮りたくて写真を撮っていると思った。
作品として発表することは出来ないけれど、お嬢さんにも素敵な写真だと思って貰えたらいいな。
少し暗くて苦いけれどうっとりするくらい美しい。甘い雷に打たれたような、見た人がそんな気持ちになるといいな。



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