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指先一つ呼吸一つ

9/23


撮影で東京に行く。写真を撮られる方の依頼が来るのは嬉しい。


帰りの新幹線が大雨で動かなくなった。
高校の同級生の家に泊めてもらう。屋根とシャワーと乾いたTシャツがこんなに有難いものだとは気がつかなかった。そして友人の心遣いが沁みた。
一宿一飯の恩は必ず返すと誓う。

新幹線を出て改札口に並んでいる時、そばにいた知らない女性たちと話した。
「大変ですね」「まさかこんな事になるとは」「明日は動くといいですね」「ね〜」という簡単な会話が、私の心をほぐしてくれた。

明日の朝には帰れるといいな。

9/24


新幹線が動くと知り、友人宅を出る。
短時間の睡眠でも元気よく動けた。
東京駅について、またしても運休だと知る。
つらくて何もしたくなかったけれど、何とか高速バスの予約を取る。

マクドナルドに入ってコーヒーを飲んだ。本を読んでいたら眠たくなり、机に突っ伏して寝る。こんな姿勢で寝るのは高校の授業以来なので、17年ぶりだ。17年といったら生まれた子どもが高校に通い出し、バイトだの二重瞼だのパッセだのPARCOだのと言い始めていてもおかしくない。私はこの17年間、一体何をしていたのだろうか。10代は家出をし、20代前半は睡眠薬とアルコールを過剰摂取し、20代後半は鬱が一番ひどく、寝て過ごすことが多かった。こうやって書くとひどいが、私はゆるやかに回復し、少しずつ素の自分に返りつつある。
成長する過程で自尊心を低くする行動を繰り返した。自尊心を取り戻し、不要な見栄を捨ててこじれを軌道修正出来たのは、私が年齢を重ねたことと、そして友人や家族が見捨てないでそばにいてくれたからだ。

今日の私は友人宅で甘やかしてもらいお風呂に入り、洗ってあるTシャツと短パンをかしてもらい清潔な布団で寝て、朝のおやつを食べ、見送ってもらい、新幹線が動かずへこたれ、高速バスの席を滑り込み予約し、惨めな気持ちを落ち着かせるためマクドナルドでコーヒーを飲み、首が痛いと思いながら仮眠し、友人たちから気遣いと励ましの連絡をもらい、高速バスも運休になり、再び打ちひしがれ、お嬢さんたちから貰った大量のスタバチケットの一枚を使いフラペチーノを飲んだ。そして家から持ってきた本を読み終わった。「あの子は美人」(フランシス・チャ)この本を持ってきて良かった。つらくて身動きができないときは必ずある。ゆっくり回復をしたり、負けたくない気持ちを奮い立たせ歯を食いしばりながら生きていけばいい。生きていく中で、自分の余裕がある時に人の役に立ちたい。
そばにいてくれる友人や家族を出来る範囲で愛していきたい。

幸いにも昼過ぎには新幹線が動き、無事に帰ることが出来た。
猫も夫も家に居てほっとする。
自宅は素晴らしい。私に必要なものが全て揃っている。

9/25

女王様の毒艶会というイベントに、永遠女王様のM女として出させてもらった。
永遠さんのことが大好きで一緒に遊んでもらえるだけで嬉しいのに、こうやってステージにあがらせてもらえるなんて、私はとても幸せ。

今回は派手なことはせず、ただただ気持ちの良い緊縛をしてもらった。私が気持ち良くなっているところを見て「こんなふうに気持ち良くなっていいんだ、もっと自分の快感を求めていってもいいんだ」と思ってもらえたら嬉しいな。

ステージ上で永遠さんと目が合うだけで、それだけで感極まってしまう。好きな人の指先が触れる、呼吸を感じるって安心する。泣いてもいい、声を出して喘いでいい、体を震わせて快感に身を任せていい。そう思わせてくれる永遠さんという存在がある。

みんなそれぞれに居心地の良い居場所がありますように。安心して暮らしていけますように。

永遠女王様のnoteはこちら↓

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