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愛と光
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誰にも会わない、口をきかない日。
予定が立て込んでいる時ほど意識をしてこういう日を作る。人と会って騒ぐのは嫌いじゃない、むしろ大好きなのだ。出来るなら毎日お祭り騒ぎで暮らしていきたい。
ただ私の心の器、キャパシティ、容量、そんなものがぱんぱんになってしまう時がある。元々心が狭いのだ。これは別に悪いことではないと思っている。狭いなら狭いなりに対処すれば良い。私なりに出来ることは、こうやって誰とも会わない日を作ることだ。1人で過ごすとリセット、もしくは整理整頓が出来る。
昼過ぎまで寝て、適当なものを食べ、映画を観ながら昼寝をして、夕方目が覚め、図書館に行った。映画を一本観て寝ようと思う。
森羅万象全ての物事が解決した気になる、または先送りにするような日もたまには良い。
9/19〜22
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女の子たちとフリマ会をする。
着なくなったけれどまだ着ることが出来るきれいな服を交換した。
私は服に関しては衝動買いが多く飽きてしまうのも早い。イベントや撮影などで一回着て満足してしまうこともよくある。
誰かの役に立てばいいなと思いながら手渡した。
女の子たちがホットケーキをじゃんじゃん焼いてくれた。天国かな?と思いながら食べた。
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戒厳令というイベントに永遠嬢様と出演する。
今回の演目は台詞付きなので、いつもと違う緊張をした。
永遠さんの足を引っ張らないかそれだけが心配だった。終わってから放心してしまう。私にしては珍しいことだった。
三日間ご飯を食べていない役なのに、ぷりぷりの肉付きの良い体だった。どこからどう見ても体中に栄養が行き渡っている健康体そのものだった。
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やむに止まれず革靴を買う。
出来る事なら毎日スニーカーで快適に歩き回りたいが、そうもいかない。たまにはちゃんとした衣類を着なければ怒られる日が、もしくはちゃんとした衣類を着ていれば避けられるトラブルがあると気づく。
慣れない圧迫感で爪先から抗議の声が聞こえてくるが、爪先は地面に近すぎて、そして耳は頭の方にありすぎてよく聞こえないため無視することにする。
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割り箸以外のカトラリーを久しぶりに使う日。
トリュフというものと接近遭遇した。
香りが官能的過ぎて戸惑いながら食べた。なんというか、その、いい男の汗のような香りがした。これを食べるのか?スプーンで?ベッドの上ではなく白いテーブルクロスの前で、家族と一緒に?
頭の上にはてなマークが浮かんでいたと思う。
美味しいのか不味いのかの前に、「えろい目で見ていい男と一緒だったら倍楽しめるのに」という不満の方が強かった。
家族との会食で、こんなに色気のある食材を使うシェフを少しだけ恨んだ。
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久しぶりの絵画教室へ。
少し痩せたと悲しまれる。「前のボリュームたっぷりなさくらさんも好きです」と言われ、照れる。
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仕事関係なく、好きに撮ってください、という依頼を頂く。それはもう、自由に撮らせてもらった。
元々、仕事だからこう撮る、等は考えることは少ない方だと思う。一応押さえておくか・・・広めで・・・キメ顔も・・・程度で。
お金を貰っているからどうこうも、あまり無い。そもそも写真を撮る事、人と楽しみを共有できる事に喜びを感じる。だからこそ依頼をもらえる事が嬉しくて仕方ない。
自分のために撮っている友人がいる。
写真を見るたびに、物凄い憧れと嫉妬の感情が湧き上がる。無益に浸れる才能が羨ましくて仕方ない。
上記のように気取ったとしても、私はやはり、こうやって撮ったら喜んでもらえるんじゃないか、とか、良い写真だから褒めてもらえる!と欲が出ている。
それでもいいか、私は私、と思えない時は歯を食いしばり、悔しい・・・と震える。
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雲ひとつない空を久しぶりに見る。
スタジオのカーテンの間から差す光が透き通っていた。お嬢さんの爪のラメに反射してきれいだった。
今晩の夜空はどうやら中秋の名月らしい。
積極的に取りに行かないと、季節なんて味わう間もなく過ぎていく。スーパーでお団子を買って食べた。
9/30
昨晩は興に乗ってしまい、つい夜中まで作業をする。
撮るのもセレクトするのも現像するのもレタッチするのも好きだ。その人に合った衣装や場所を探すのも楽しい。
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10/3
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今日から3日間の関西出張。
一日目はUSJへ。名古屋からはバスで向かう。若者がほとんどで、遠足のバスのようだった。始終どこかからか小さな笑い声が聞こえてきた。
USJに着くというアナウンスが流れると鞄から被り物を出して頭に装着していた。普段乗っている市営バスとは全く違う陽気な空気が流れていた。
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テーマパークなんて来れば楽しいはずだと、私でもはしゃぐことが出来る!という期待を胸に来園。
やはり、予想を裏切って、いまいち乗り切れない自分に辟易している。
以前から気づいてはいた。テーマパークを楽しめない自分に。しかし折り合いもつけたはずだ。何でも一度は体験してみよう、そして苦手だったら二度と近づくのはやめよう。
しかし私は来てしまった。心のどこかで楽しめない自分を恥じ、そして今回こそはエンジョイ出来るのではないかという期待を胸にして。
まだこのことについて悩めるのか?私はお得だな・・・と園内を歩き回りながら考えている。
「あなたはあらゆるテーマパークに行ってもスンっとしていた。お土産も何にも欲しがらないし、着ぐるみに手を振ることもなかった」と親に嘆かれたことまでも思い出す。(「親としてはつまらなかったが、騒がしい子供でなくて楽だった」とも。親とのトライ&エラーを経て、WOWOWとTSUTAYAの会員証と大量の本を与えられることになり、私は結果として大満足している。)
普段散歩に行く鶴舞公園や東山動植物園の庭園の、なんと静かで歩きやすいことか。通常では気づかない有り難みを実感した。
しかし、お嬢さんと合流してからは上記のようなことは一切忘れた。ただただ楽しく、幸せな時間を過ごした。
帰りの電車の中、テーマパークを出ても被り物をつけているお嬢さんが可憐だった。
良い夢を一緒に見れたような気持ちになっている。
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大好きなお嬢さんたちを撮る。
ぴったりな場所を見つけることができて嬉しかった。
夕方からはずっと気になっていたカメラマンさんに撮ってもらう。
めずらしくなんだか気恥ずかしい気持ちになる。
自分は社会不適合者だと言う人が苦手だ。
人と会い会話が成立している時点で不適合ではない。
そんなことないよ、と言えば済むのかもしれないが、いつも、そうなんだ、と返してしまう。ブスだし、太ってるし、モテないし、頭悪いし等に対しても、そうなんだ、と返す。あなたがそう思っているならそうなんだね、という意味で使っている。あなたが自分でそうやって発言する限り、そうなんだ。
自分を下げるような言い方をする人は悲しくなる。「社不」なんていう荒んだ言葉ははっきりと嫌いだ。こういったネットスラングを軽々しく使う環境に身を置きたくはない。
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神戸へ。
夢のようなホテルにて撮影。喫茶室でアップルパイも食べる。
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少しだけカレー屋のドミロンさんに寄る。
新しい名刺を置かせてもらう。ドミロンさんはこの新しい名刺を、きれいだとかデザインが素敵な名刺だとか以上に、実物を手にしたら必ず喜んでくれるだろうと思っていた。その通りだったので嬉しくなる。
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くたくたになりながら帰りの新幹線の席に着いた。
毎日こんなに楽しくて忙しくて充実するようになるなんて、思いもしなかった。
最寄りの駅に着いてホッとすると同時に、もう頑張りたくないという泥のような感情に足元を持っていかれそうになる。
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友人と動植物園へ。
秋の日差しは思ったより強く刺激的だった。
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名縄会の縄会へ。
安心して心地よくなれる場所があるなんて本当に幸せだ。苦しくてつらくて気持ちいいだけじゃないのが良かった。
なんか、みんな楽しそうだった。
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昨日洗ったカバーが乾かず、カバー無しのぺちょっとした布団で寝る羽目に。
冷たい布団に入る瞬間は少しだけ泣きたくなり、しかし一度入ってしまうとなかなか抜け出せなくなる季節になった。冬用の布団を実家から運ぶ手間を思うと憂鬱だが仕方ない。
つま先から少しずつ冷えていくのを感じる。季節が変わっていく。
どうにか今年も終えることが出来るだろうか。去年の今頃の私は、1年後こんなふうになっているとは思いもよらなかっただろう。
でもどこで何をしたって変わらないとも分かっている。絶望と共に起床し、諦念と疲労、そして僅かな希望を胸に毎晩眠る。
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大阪へ。
色々の都合があり、撮影だけをしてすぐに帰る。
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金木犀の香りがそこら中からするようになった。
昨日の晩はしなかったのに、この1日でここまでほころぶものなのだろうか。
少しでも長くこの気持ちの良い季節が続きますように。そして夏はできるだけ遅くやってきますように。
冷たくなる寸前の秋の空気と金木犀の香りのおかげで、町を歩いているだけで心が落ち着く。こんな日は誰かと過ごしたい、とは思えなかった。帰り着く先が何もない、素っ気のないただの部屋だとしても、1人で帰り横になりたかった。
最近見たり聞いたりした色々なごちゃごちゃを整理整頓するために冷たい布団に体を滑り込ませると、やはり全てが虚しく思えた。
虚しさの中にも愛や光を見つけよう。明日はきっと楽しい日になる。
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