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有機イチゴががん細胞の成長を止めることが示される

 イチゴは甘い風味で珍重される夏の人気者です。しかし、研究によると、これらのベリーは見た目以上の効果を発揮する可能性があることが示されています。 ベリー類は、抗がん作用があるとして、広範囲にわたって研究されてきたことは注目に値します。
 
 研究者たちは、有機イチゴから抽出したエキスが、がん細胞の成長を止めるのに特に効果的であることを発見しました。有機イチゴは、酸化型であるデヒドロアスコルビン酸に比べ、より多くの抗酸化物質を含み、アスコルビン酸の比率も高かったのです。明確にしておきますが、従来の方法で栽培されたベリー類は、多くの望ましくない農薬を使用して栽培される傾向があるため、食べないでください。
 
●自然の恵みを利用する: イチゴの強力な抗がん作用
 イチゴ、特に有機栽培のいちごに含まれるエラグ酸の存在は、がんと闘う特性をもたらす重要な要因のひとつです。エラグ酸は、膀胱がん、肺がん、皮膚がん、食道がん、乳がんなど、さまざまな種類のがんの発生を予防することが実験室研究で示されています。その有効性は、抗酸化物質として作用し、さまざまな抗がん戦略を利用することで、複数のがんと闘うメカニズムを同時に採用する能力に由来すると考えられています。
 
 さらに、イチゴにはさまざまなフラボノイドが含まれており、抗がん作用をさらに高めてくれます。フラボノイドは、強力な抗酸化作用と抗炎症作用で知られる植物化合物の多様なグループです。これらは、がんの予防やリスク低減に役立つ可能性があるとして、広範囲にわたって研究されています。イチゴに含まれる特定のフラボノイドは、実験室および疫学研究において有望な結果を示しており、がん細胞の増殖を抑制し、がん発症のリスクを低減する可能性を示しています。
 
 エラグ酸とフラボノイドに加え、イチゴはビタミンCと食物繊維も豊富で、どちらもがん予防に重要な役割を果たします。ビタミンCは抗酸化作用で知られ、食道がんのリスク低下と関連しています。 一方、食物繊維は大腸がんのリスクを低下させることが古くから認められています。
 
 これらの研究結果は、従来の方法で栽培されたイチゴと比較して、有機栽培のイチゴの潜在的な利点を強調しています。この違いは、栽培方法、農薬の使用、全体的な栄養組成の違いに起因すると考えられます。 しかし、有機栽培されたイチゴががん細胞の増殖を止める根本的なメカニズムを完全に理解するには、さらなる研究が必要です。

●ケルセチン:肝臓がん細胞に対する「秘密」兵器の解明
 Journal of Agriculture and Food Chemistry誌に掲載された研究では、果物の抽出物やその成分がヒトの肝臓がん細胞を防御する手段を特定することに焦点が当てられました。試験された化合物の中で、ケルセチンが最も活性の高いポリフェノールであることが判明し、わずか18時間の処理でがん細胞の生存率が最大80%まで有意に低下させました。 イチゴエキスによる効果的な細胞死は、その量と時間に依存することも判明しています。
 
 イチゴとその主要な植物栄養素であるケルセチンは、細胞死の前に正常な細胞周期を遅らせることも確認されています。保護作用は、がん細胞発生のさまざまな段階に沿って生じる可能性があることを示唆しています。フラボノイドの一種であるケルセチンは、抗炎症作用、抗ウイルス作用、抗がん作用を示すことが知られています。
 
 これまでの研究では、ケルセチンは卵巣がん、乳がん、大腸がん、白血病、肺がんなど、他の種類のがんの予防や進行を遅らせる効果があるとされています。この最新の研究は、以前の知見を支持するだけでなく、プログラムされた細胞死に関与する分子メカニズムに新たな光を当て、イチゴやその他の食品の抗がん作用に関する今後の研究に道を開くものです。
 

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