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小児がん生存者は心臓疾患による死亡リスクが高い

 小児がんと闘った経験のある人は、その後の人生で心臓の問題を経験するリスクが高くなるという報告が、Journal of the American College of Cardiology誌に掲載されました。このデータに照らし合わせると、小児がん生存者に対し、加齢に伴い心臓疾患のリスクが高まることを知らせ、心臓に良い生活を優先するよう奨励することが不可欠であると考えられます。

●小児がん生存者は心臓の健康リスクが高まる
 この研究は、成人期の心臓疾患は遺伝や生活習慣に起因するという一般的な誤解を覆すものです。現実には、がん罹患歴のない人に比べて、がん罹患者は心血管系の問題を経験した後の死亡リスクが有意に高くなっています。
 Coronary Artery Risk Development in Young Adults StudyとChildhood Cancer Survivor Studyのデータを分析したところ、診断時の年齢の中央値が7歳であったがん生存者は、25,658人の調査対象者のうち、心臓に問題を抱えるケースが1,780件もありました。がん診断で最も多かったのは白血病で40.1%、次いでリンパ腫で17.6%でした。さらに問題なのは、がん生存者は心血管の異常が発生する時期が、がんに罹患したことのない人に比べて10年以上若いことです。
 
●若いがん患者たちの心臓ケアを変革する
 小児がん生存者は心臓疾患のリスクが高く、対策を講じることが重要です。 しかし、ここでは単なる定期検診の話をしているのではありません。小児がん生存者が直面する特有の問題に正面から取り組む、画期的なアプローチが必要となってきます。さらに、心臓の健康に対する自然なアプローチの重要性を強調しながら、生存者に危険因子について知らせ、医療提供者が早期に介入できるようにすることが極めて重要です。

●心臓の健康に対してホリスティックなアプローチをとる
 がんに打ち勝つことは目覚ましい成果ですが、旅はそこで終わりではありません。 がんの先の人生を受け入れ、長期的な健康を確保することが待っています。週の大半の日に、少なくとも30分は体を動かすことから始めましょう。 早歩きでも、ジョギングでも、サイクリングでも、水泳でも、筋トレでも自分が楽しめる運動を見つけ、日課にしましょう。 次に栄養価の高い食材を摂りましょう。 色とりどりの有機野菜や果物をたくさん食べ、キヌアや玄米などの全粒穀物を選び、有機(放牧飼育)の鶏肉や天然魚、豆類などの赤身のタンパク質を選んで心臓に栄養を与えましょう。

 ストレスに対処するには、日常生活にリラクゼーションのテクニックを取り入れることが重要です。深呼吸、ストレッチなどで心と体を落ち着かせましょう。 また、喜びと安らぎをもたらす活動の時間を作りましょう。勿論、質の高い睡眠は心臓の健康に欠かせません。 一定の睡眠スケジュールを立て、リラックスできる就寝習慣を作り、寝る前のカフェインの摂取やデジタル機器の使用は避けましょう。心臓をサポートするために、毎晩7~9時間の安眠を目指しましょう。
 

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