ファイザーの肥満治療薬がもたらす副作用

　医薬品の進歩を追い求める大手製薬会社が、新薬の開発に没頭しているのは当然のことです。 しかし、こうした技術革新の中には、予期せぬ結果をもたらすことがあります。 ノボ・ノルディスク、イーライ・リリー、ファイザーといった大手製薬会社は、肥満治療薬の市場投入を急いでいますが、1,000億ドルの利益をもたらす減量薬市場の一角をめぐる競争の舞台で、これらの業界大手は予期せぬ難題に遭遇しています。 効果的な肥満治療薬は、場合によっては副作用が生じ恐れがあるのです。

●ファイザーの減量ピルはもう終わり？
　ファイザー社の上層部は、ダヌグリプロン第3相試験を終了することを渋々認め、効果的な1日2回服用経口減量薬の開発に終止符を打つことになりました。 将来的に研究が再開される可能性はあるものの、現在、研究は中止されています。同社はダヌグリプロンだけでなく、ロチグリプロンと呼ばれる別の肥満症・糖尿病治療薬の開発も中止しています。
 
　ダヌグリプロンは、プラセボを服用した被験者と比較して、32週時点までに8％から13％の減量が達成できなかったことが臨床試験で明らかになっています。 衝撃的な事実は、ダヌグリプロンの副作用により、参加者の半数以上が薬による副作用のために試験から脱落せざるを得なかったということです。
 
●肥満治療薬は減量に最適でない
　大手製薬会社の肥満治療薬、ダヌグリプロンはある程度の減量はもたらしましたが、 この薬で減量した多くの人が、下痢、嘔吐、吐き気などの副作用を訴えています。服用者の73％が吐き気、半数が嘔吐を、さらに研究参加者の4分の1が下痢に悩まされたと報告されています。
 
●薬を必要としない、減量へのより良いアプローチ
　下痢や吐き気、嘔吐を誘発する薬を毎日服用しなくても、より健康的な減量の方法があります。食品科学の技術が洗練されるにつれ、私たちの食卓に並ぶ食品はますます中毒性を増しています。 この現実を認識することは、食事に対するアプローチの転換を促すことになります。 90％は健康的でオーガニックなものを選び、残りの10％は美味しいものを選ぶ、といった具合です。