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アルツハイマー病の予防に脂肪酸が果たす意外な役割

 科学界は、アルツハイマー病の影響を最小限に抑えるための探求において大きな進歩を遂げつつあります。大手製薬会社が支配する西洋医学では、アルツハイマーの「治療法」はしばらく開発されないかもしれませんが、『老年学雑誌(The Journals of Gerontology)』に掲載された最近の研究では、血中の脂肪酸とアルツハイマー病のリスク低減との関係が明らかになっています。
 この発見は、脂肪酸レベルの上昇が脳の健康を増進させ、認知機能低下による衰弱を防ぐ盾となる可能性に光を当てるものです。
 
●特定の脂肪酸が脳の健康を増進し、衰弱性アルツハイマーを予防する
 この研究では、認知機能障害、予備軍(プレフレイル)、虚弱の高齢者177人を対象に、血液中のさまざまな栄養素がアルツハイマー病の発症にどのように関係しているかを調べました。研究チームは、脂肪酸とD、B6、B12、葉酸などのビタミンに注目し、アルツハイマー病の主要因子である脳内のアミロイドβ(Aβ)と呼ばれる物質との関連を調べました。

 研究者たちは、ある種の脂肪酸、特にクルパノドン酸、ミード酸、アドレン酸が脳のAβの量を少なくすることに関係していることを発見しました。クルパノドン酸はオメガ3系脂肪酸で、魚油、特にサバ、ニシン、サケなどの冷水性脂肪魚に多く含まれています。 ミード酸はオメガ9系脂肪酸で、主にオリーブ油や一部の種子油などの植物性油に含まれ、アドレン酸はオメガ6系脂肪酸で、肉類などさまざまな食品に含まれています。

 一方、リノール酸は必須脂肪酸(オメガ6)ですが、Aβの蓄積(発生量の増加)に関係しているため摂り過ぎに注意する必要があります。リノール酸は、植物油(コーン油、大豆油、ひまわり油、紅花油)、多くの加工食品や包装食品、鶏肉などの様々な種類の肉類によく含まれています。
これらの結果は、血液中の脂肪の種類がアルツハイマー病の発症に関与している可能性を示唆しています。 しかし、この研究はある時点のものであり、これらの結果を確認するためには、より長期間の研究が必要であることに注意することが重要です。

●科学的に裏付けられた脂肪酸のその他の効果
 この研究は、脂肪酸とアルツハイマー病のリスクとの関連を掘り下げていますが、神経変性疾患以外にも、これらの必須栄養素がもたらす多くの科学的裏付けのある利点を認識することが不可欠となります。

 例えば、野生のサーモンやマスなどの魚に豊富に含まれるオメガ3脂肪酸は、血圧を下げ、中性脂肪を減らし、心臓病のリスクを低下させることで、心臓の健康に寄与します。 また、オメガ3脂肪酸には関節の健康に役立つ抗炎症作用もあるため、関節炎などの症状を抱える人にもおすすめです。

 脂肪酸はまた、肌の自然なバリア機能を維持することで、肌の保湿と柔らかく滑らかな肌色を維持し、肌の健康に貢献します。 さらに、目の健康維持に重要な役割を果たすことも見逃せません。 DHAを含むオメガ3脂肪酸は網膜の構造成分として機能し、加齢黄斑変性症(AMD)の予防に役立つ可能性があります。

●賢い食品選択で脂肪酸摂取量を増やす
 必須脂肪酸を多く含む食事を摂ることは、難しいことではありません。簡単でおいしいヒントをいくつか紹介しましょう:

  • 料理やサラダにはエクストラバージン(有機)オリーブオイルを使いましょう。体に良い一価不飽和脂肪酸がたっぷり含まれています。

  • 亜麻仁油を日課に加えましょう。 α-リノレン酸を1日0.5~1.5g摂ることを目標にすると、より健康的です。

  • 天然のイワシ、ニシン、サケなどの魚を楽しみましょう。美味しいだけでなく、必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸がたっぷり含まれています。

  • オーガニックのチアシードを侮ってはいけません。小粒でもしっかりオメガ3系を摂取できるのです。

  • 有機クルミもお薦めです。 オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸が豊富で、わずか1オンス(約28g)に2g以上のα-リノレン酸が含まれています。

 
 

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