深刻な鉄分不足に悩むアメリカ人女性

　もしあなたが若い女性なら重要なニュースです。 アメリカの12歳から21歳までの少女と若い女性の3人に1人が鉄欠乏症になっている、とJournal of the American Medical Association (JAMA)に発表された新しい研究で報告されています。
 
　6月下旬にオンラインで発表されたJAMAの研究によると、2003年から2020年にかけてのデータに基づき、12歳から21歳のアメリカ人女性の39％が鉄欠乏症であり、6％が鉄欠乏性貧血でした。鉄欠乏性貧血とは、体内で赤血球が十分に作られない状態をいいます。鉄というミネラルは、赤血球が酸素を運ぶために使うヘモグロビンとミオグロビンと呼ばれる特定のタンパク質を体内で作るのに不可欠なものです。鉄欠乏症には自覚症状がない場合もありますが、鉄欠乏性貧血の症状には次のようなものがあります：

●疲労とエネルギーの低下
●めまいまたは立ちくらみ
●呼吸困難
●動悸または息切れ
●青白い肌
●耳鳴り
●頭痛
●味覚の変化
●慢性的な痒み
●舌の痛みまたは炎症
●脱毛
●口内の痛みを伴う潰瘍
●スプーン状のもろい爪
●手足が冷たい
●むずむず脚症候群（RLS）
 
　注意すべきもう一つの憂慮すべき症状は、異食症として知られる状態、または紙、氷、土、デンプンなどの非食物または非栄養物を食べたいという欲求です。
 
　では、若い女性以外には危険はないのでしょうか？鉄欠乏性貧血は誰にでも起こる可能性がありますが、妊娠中の女性、生理の多い女性、ベジタリアンの人、定期的に献血をしている人、食事に含まれる鉄分の量が少ない人、鉄分の吸収能力が低下している人（セリアック病などの疾患が原因であることが多い）、慢性的な出血がある人（月経のほか、消化性潰瘍、食道裂孔ヘルニア、大腸ポリープ、大腸がん、市販の鎮痛剤の常用などが原因であることもある）などに起こりやすいと言われています。
 
　JAMA誌の研究者らは、「鉄欠乏症と鉄欠乏性貧血は過小評価されていますが、効果的な治療法が広く普及しているにもかかわらず、重大な罹患率と死亡率を伴う疾患です。」と指摘しています。また、米国疾病予防管理センター（CDC）は、妊娠していない青春期の女性とそれ以外の女性に、5年から10年ごとの貧血スクリーニングを推奨しています。
　鉄欠乏症を治療しないと生活の質が損なわれ、心臓疾患、早産や低出生体重児、乳児や子供の成長と発達の遅れなどの深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。したがって、この重要な栄養素を十分に摂取することが健康のために不可欠です。
 
以下に十分な鉄分を確実に摂取するためのガイドを挙げておきます：
 
1.　100％牧草で育てたオーガニックの肉、放牧で育てた家禽、野生の魚介類、濃い緑黄色野菜、豆、レーズンやアプリコットなどのドライフルーツ（砂糖が添加されていないものを探してください）、エンドウ豆など、鉄分が豊富な食品を食べましょう。
 
2.　ビタミンCは鉄分の吸収を助けるので、鉄分を含む食品には、有機柑橘類、ブロッコリー、キウイ フルーツ、トマト、イチゴ、ピーマン、メロンなど、 ビタミンCを含む食品を組み合わせましょう。
 
3．鉄分不足が顕著な場合は、高品質の鉄分サプリメントを検討してください。この場合は、信頼できる医療従事者に相談するようにしてください。 鉄分の過剰な摂取は、腰痛、顔面紅潮、吐き気、口の中の金属味など、好ましくない副作用を引き起こす可能性があります。