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患難期における悪魔の4つのゴール(パート1)

 教会の携挙に続いて7年間の患難期が訪れます。この7年間は、「ダニエルの70周」とも呼ばれます(ダニエル9章)。患難期において、悪魔の代理人として世界を支配するのが反キリストです。彼の活動を理解するためには、偽の三位一体について知っておく必要があります。
 
 患難期においては、偽の三位一体が出現します(黙示録13章)。悪魔は偽の父を、反キリストは偽の子を、そして、偽預言者は偽の聖霊を演じるようになります。患難期において、悪魔は以下の4つのゴールを達成するために暗躍します。
①   悪魔の王国(政治的王国)の確立、②神の証人たちの抹殺、③イスラエルの抹殺、④諸国の軍勢の招集。
 
悪魔の王国(政治的王国)の確立
(1)地上に悪魔の王国を確立することは、創世記の最初から悪魔が意図していたことです。悪魔は、この王国を統治するために、従順な人間の王を必要としました。かつて悪魔は、その地位を主イエスに差し出したことがありましたが、主イエスはそれをはねのけました(マタイ4:8~10)。しかし悪魔は、終末時代に、自分の思い通りになる人間の王を手に入れるようになります。それが反キリストです。悪魔は、天使の領域における悪の権化ですが、反キリストは、人間の領域における悪の権化です。

(2)キリストに多くの御名があるように、反キリストにも多くの名称があります:悪魔の子孫(種)(創3:15)、小さな角(ダニエル7:8)、顔は猛悪な王(ダニエル8:23)、次に来る君主(ダニエル9:26)、荒らす者(ダニエル9:27)、思いのままにふるまう王(ダニエル11:36)、罪の人(2テサ2:3)、滅びの子(2テサ2:3)、不法の者(2テサ2:8)、反キリスト(1ヨハ2:22)、獣(黙示録11:7)。
これらの名称は、反キリストの性質と活動内容を暗示しています。

(3)患難期に入る条件として、2つの出来事が起こる必要があります:1.教会の背教(2テサ2:3)。これは、世界規模の背教です。携挙によって真の信者が地上にいなくなるので、教会の全的背教が起こるのです。2. 不法の者(反キリスト)の出現(2テサ2:6、7)。今は、「不法の者の出現を引き止めている者」がいます。それは聖霊です。つまり、教会時代においては、聖霊が反キリストの出現を阻止しているのです。教会の携挙とともに、聖霊の「引き止める者としての役割」は終わりを迎えます。

(4)患難期の前半の3年半に起こるのは、以下のことです:①.反キリストは、再生ローマ帝国の長となります。この帝国は、最初は10か国連合です(ダニエル2:40~43、7:23~25、黙示録13:1、17:12、13)。 ②反キリストは、悪魔から受けた超自然的力を用いて人々を欺き、自分こそあらゆる問題の解決者であると信じ込ませます。彼は、世界統一政府を通して、人類の調和、法に基づく秩序、世界平和、物質的繁栄などを約束します。③西側世界は、反キリストに「メシア」と等しい地位と絶対的権威を付与します。その権威に反抗する者は、「人類の敵」と呼ばれるようになります。④反キリストは、背教の教会からの支持も取りつけます(黙示録17)⑤反キリストは、イスラエルと7年の契約を結びます(ダニエル9:27)。彼は、イスラエルに安全と自由な礼拝を保証します。その結果、イスラエルは神殿を建設し、生贄の祭儀を再開するようになります。⑥反キリストは、西側世界、背教の教会、そしてイスラエルのすべてに対して慈悲深く振舞います。

(5)患難期の後半の3年半に起こるのは、以下のことです:①反キリストはイスラエルとの契約を破棄し、生贄の祭儀を禁止します(ダニエル9:27)。②さらに、背教の教会を破壊します(黙示録17:16)。③反キリストは、自分の像を至聖所に安置し、それを礼拝するように要求します(ダニエル9:27、11:36、37.マタイ24:15、2テサ2:4)。④人々は、何の抵抗も感じることなく、反キリストを礼拝するようになります。つまり、人間の神格化の流れが最高潮に達するのです。

(6)悪魔は、もう1人の手先を手に入れます。その人物は、反キリストの礼拝を司る大祭司ですが、偽預言者とも呼ばれます(黙示録13:11~18)。かくして、反キリストは、後半の3年半の間、絶対的な権力を行使することになります。

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