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アメリカの若年層で増加する大腸癌、原因は医師にも不明

 新しいレポートによると、若い人たちが大腸癌と診断される割合が多くなっており、研究者はその理由は不明であると述べています。
 
 アメリカ癌協会が最近発表したところによると、新たに結腸癌や直腸癌に罹る約5人に1人は、50代半ば以下の人たちです。55歳未満の成人におけるこれらのタイプの癌の割合は、1995年の11%から2019年には20%に増加していることが判明しました。その傾向は、「リスク年齢は20世紀後半に生まれた若年層にシフトしている」と報告されています。
 
 アメリカ癌協会のWilliam Dahut博士は、CNNのインタビューで、「若い人が進行した大腸癌になったという話は、今や珍しいことではありません。」と述べ、次のように指摘しています:
「昔はこんなことは聞いたことも見たこともありませんでしたが、今は55歳以下の大腸癌の割合が高いのです。」
 
 Dahut氏は、人々の食生活やその他の環境要因を指摘しましたが、具体的な内容は明らかにしていません。
  アメリカ癌協会のChief patient officerであるArif Kamal氏は、若いアメリカ人の肥満の増加は大腸癌に結びつくはずだと述べています。同氏によると、例えば40代や50代の人々は、以前の世代に比べて加工食品を多く食べ、食物繊維をあまり摂らないようになっているとのことです。
  「アメリカでは肥満率が上昇し続けているため、肺癌が喫煙に関連する癌であると考えられるように、大腸癌を肥満に関連する癌として認識する必要があります。」とArif Kamal氏は最新の知見についてワシントン・ポストに語っています。
 しかし、この研究に関与していない別の医師は、大腸癌の発生率の上昇は、食事ではなく環境要因に関連している可能性があると述べています。
 
 ボストンのダナ・ファーバー癌研究所の若年発症大腸癌センター長であるKimmie Ng博士は、「私は、本当に健康的なライフスタイルを送っている若い患者が、転移性大腸癌と診断されるのをたくさん見ています」と、ウォール・ストリート・ジャーナルに語っています。
 
 アメリカ癌協会によると、大腸癌はアメリカ人の癌死亡原因の3番目に多い癌です。しかし、大腸癌による死亡率はここ数十年で低下していると指摘しています。
  アラスカ先住民、ネイティブアメリカン、黒人は、他のグループの中で大腸癌の罹患率や死亡率が高いとのことです。また、男性の方が女性よりも症例数が多いことも判明しています。
  また、アパラチア地方だけでなく、中西部や南部の一部でも死亡率や発症率が高くなっていると同協会は述べています。
 
 報告書の結論の一つは、若いアメリカ人は、より早く大腸癌検診を受けるべきであると述べています。
 
「若年層で罹患率が上がっていることは分かっていますが、患者さん全体の数が減っているにもかかわらず、急速に若年層にシフトしていることは憂慮すべきことです。」 
 
 アメリカ癌協会の監視研究Senior Scientific DirectorであるRebecca Siegel氏は、ニュースリリースで次のように述べています:
 
 「すべての年齢層で病気がより進行する傾向も驚きであり、45歳以上のすべての人にとって検診を受ける動機となるはずです。」

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