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遊戯王作者 高橋和希さん死去

2022 7/6 高橋和希さん死去

私はこの日一生忘れないだろう。

ここから私の人生は変わる、いや変えなければいけないとこれほど強く感じた一日は今までになかった。奇しくもその日は私の誕生日であった。

遊戯王は私に友人、暗算力、記憶力を与えてくれた。全くもってただの漫画やカードゲームではない。

幼稚園でヒーローごっこが流行る中遊戯王を友達同士で遊んでいた。スペシウム光線だ、合体ロボだと毎日男の子同士で戦う中私と友人はドラゴンや悪魔を操り相手のモンスターを破壊し墓地へ送っていた。闇!光!破壊!死者を蘇らせる!など幼稚園児では発さない物騒な日本語を話していたことであろう。ただその日々が私には心地よく他の園児とは別の次元にいると私に優越感を与えてくれていた。
中学では遊戯王をやっている友人がおらず必死で広めなんとか二人決闘者が出来た。その後高校に入っても新たに四人決闘者を生み出し合計6人。累計6年で6人。結果的に毎年一人決闘者を排出していた。それは私にとっては誇りであり高橋先生にもし実際に会う機会があったならぜひとも伝えたかった。そう思わせてくれたのはこの高橋線の言葉にある。

もし「遊戯王」という共通の目的で君に一人でも多く友達ができたなら、オレはこの漫画を描いていて本当に良かったなと思います。



先生亡き後も遊戯王というコンテンツは続いていきます。自分が死してなお自分の作品が生き続ける。この凄さを改めて痛感した。高橋先生こそが文字通り遊戯王である。

私もこうなりたい。
絵は下手だし、とてもではないが面白い漫画を描くことは今からは無理だ。
ただ私も私の作品や私の言葉、何か一つでも他者に届かせることが出来るのだとすればその可能性を捨てて生きていくことはできない。

自分の誕生日に自分にとっての大切な方がなくなるという経験は初めてであった。自意識過剰なのだか高橋先生からバトンが渡されたような気がした。もちろん高橋先生は私のことなど認識していないしそのようなことはありえないが私はもう既に受け取った気でいる。いや、もうもらっている。魂のバトンを。

このカードは手札から出したモンスターがフィールド存在し続ける限りダメージは0になる。生きている限りデュエルには負けない。
高橋先生から一方的に受け取ったバトンはこれほどまでの重い制約ではないだろうし、本当に自意識過剰の頭の悪いオタクであるという自覚はある。ただこの日を自分の転換点としたい。原動力を与えられた人間は強い。


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