マガジンのカバー画像

思考の原資

100
運営しているクリエイター

2014年7月の記事一覧

憲法9条と日米安保について中道的視点からざっとおさらい

 集団的自衛権行使容認が閣議決定された背景は、外務省の要望が強かったせいか、閣議決定時の安倍さんの説明などに物足りなさがあった。そして、数日前、synodos「集団的自衛権行使容認を海外メディア・専門家はどう見たか平井和也 / 翻訳者」というタイトルのコラムで「安倍政権の集団的自衛権行使容認に関する10のウソ」が立てられていた。法律の素人でも日本国民の一人として、憲法を解釈するのは「自衛」の原点と

もっとみる

ウクライナが泥沼化する現況についての雑感

 ウクライナで起きている内戦は周知の通り、米国とロシアの代理戦争となっている。日本の主要メディアは「政府軍による掃討作戦」が順調に進んでいるという文脈で報じられているのが大半のようだ。確かに親露派は、一部の都市から撤退したようだが、戦力を集中させることと農村部へのゲリラ戦という方向に作戦変更しただけなので、「順調」とは言えない状況のようだ。むしろ気になるのは、政府軍による掃討作戦によって、都市部の

もっとみる

「集団的自衛権容認の閣議決定」をどうみるか、続雑感

 集団的自衛権の行使容認で考え進める内に、米国が孤立主義へと回帰しつつある中で、仮にその穴を埋めるように日本が積極介入を採るという戦略がこの先にあるとしたら、いろいろなケースが考えられる事がわかった。実際に8000人以上の民間人が虐殺された「スレブレニツァ虐殺」で、300人分の虐殺の責任はオランダPKOにあるという判決が出たことには驚いた。かなり複雑な状況下での国際支援だったようだが、この事件は、

もっとみる

「集団的自衛権容認の閣議決定」をどうみるか、雑感

 集団的自衛権の行使容認は、日本が戦争をしていない静かな時を選んで法整備されたというのが個人的な理解で、日本が戦争をする国になることを意味しているとは考えていない。でも、時代の大きな分岐点となるような気がしている。単に突然表面化した課題ではなく、1990年代以降の国際情勢や日米関係の変化がめざましく、国家戦略の変更を余儀なくされた結果だと思う。気がかりは、その変化の方向性や現れ方が、内治のための防

もっとみる

日本の防衛問題でまったく議論されていないことについて

 「集団的自衛権行使容認に反対する1000人ほどのデモ隊が官邸周辺に集結した騒ぎ」などという報道を目にしたが、おとなりの香港では、720万ほどの人口にもかかわらず、51万人の市民が中国政府の圧政に抵抗を示すデモがあった。その全景を比較して、日本がいかに非現実的な世界観で空虚な戦いをしているかを思い知った。
 日本のほとんどの報道は、米国が他国と武力抗争を起こしていた場合、自衛隊が出動すれば戦争に巻

もっとみる

違憲審査がきちんと機能している米国の例

 日本では、悪いことをしていない人にとって携帯電話の押収にビクつくようなことはないと思ったら大間違いだ。悪いことをしていないにかかわらず、容疑者として警察にマークされ、事情聴取を受けるような事になって無実を訴えても、情況証拠だけで長期勾留される日本だからだ。また、何十年も無実を訴えながら、いまだに勾留中の「犯罪者」もいる。何十年も裁判で無実を訴え、結局、当時の捜査や証拠に真実性が疑われて無罪放免と

もっとみる