アメリカVS中国 新冷戦 そして日本は

1962年10月、
アメリカのケネディ大統領は、テレビで国民に
「もしも、キューバから核ミサイルが西側に向けて発射されたら、
ソ連によるアメリカへの攻撃だと受け止め、ソ連に全面報復を実施する」
と呼びかけました。

ソ連がキューバにミサイル基地を建設したことから、
核戦争寸前にまで至った「キューバ危機」。

米ソの“冷戦”は、世界を破滅の瀬戸際にまで追い込んだ。

それからおよそ60年
世界は再び新たな冷戦の危機を迎えている。

中国・王毅外相 
「アメリカの一部勢力が、中米関係をいわゆる
“新冷戦”に向かわせようとしている」

中国の王毅外相が語った“新冷戦”。

今回の当事者はかつての米ソではなく、アメリカと中国。
その対立は日増しにエスカレートしている。

7月27日、中国の四川省成都にあるアメリカ総領事館は早朝から物々しい雰囲気に包まれた。

中国当局は、この日午前11時までに、
アメリカ側に領事館の閉鎖を命令。
35年続いたこの総領事館から職員らは退去した。

今回のこの措置は、
アメリカがヒューストンにある中国総領事館について、
「スパイ活動の拠点」となっていると指摘し、
24日までに閉鎖するよう通告したことへの対抗措置とみられる。

また28日には、中国が実効支配を進める南シナ海を巡って
アメリカはオーストラリアとの共同声明で、
「中国の主張は国際法のもとでは無効で南シナ海での権益を主張できないことを確認した」などと批判しますが、中国も一歩も引かない姿勢をみせる。

中国・汪文斌報道官(北京・29日)
「米豪両国が中国の脅威を誇張し、
一連の問題で中国を中傷したことに強烈な不満と断固とした反対を表す」
とコメント。

かつての冷戦は、あわや核戦争といった軍事面の対立に至りましたが、
今回の“新冷戦”は、いまや地球上だけでなく、宇宙にまで広がりを見せている。

相次いで火星探査のロケットを打ち上げるなど、
宇宙での覇権争いにしのぎを削る米中。
去年12月には、アメリカは中国などに対抗し、「宇宙軍」を創設している。

さらにこうした軍事面だけでなく、経済面での対立も深まっている。

アメリカ・トランプ大統領(2019年9月)
「好きなように呼んでもらって構わないが、これは“貿易戦争”だ」

中国との“貿易戦争”とまで語ったトランプ大統領。
米中の摩擦は、安全保障上の理由から、
ファーウェイなど中国のハイテク企業の排除を強めるなど、
厳しい様相を見せている。

また香港については、中国政府の権限がより強まる「国家安全維持法」が施行されると、
アメリカは「香港自治法」を成立させ、
香港の自治の侵害に関わった中国高官らに制裁を科すとした。

米中の“新冷戦”。それは今、さらに加熱しつつある。

アメリカ・ポンペオ国務長官(7月23日)
「今我々が屈服すれば、我々の子孫は中国共産党の意のままになってしまうかもしれない
志を同じくする国々の新たなグループ、
民主主義の新しい同盟の時が来たのかもしれない」

中国に対抗するため、
改めて民主主義陣営の結束を呼びかけたアメリカのポンペオ国務長官。

これに対し、中国の国営・新華社通信は先月25日
「イデオロギーの対立をあおり、アメリカに追随するもので“反中華圏”を寄せ集め、
中国とアメリカが対抗する“新冷戦”をたきつけた」と非難。

米中の対立は、軍事面では南シナ海から宇宙空間にまで広がり、
また経済面では激しい貿易戦争を繰り広げ、
香港や台湾を巡る対立も生じている。

ジョン・デマーズ司法次官補(7月21日)
「アメリカ司法省は中国の国家安全部とつながりがある2人の中国人ハッカーを起訴した」

新型コロナウイルスのワクチン開発を巡って競争が激化する中、
アメリカ司法省は、ワクチンの開発データなどを狙ってサイバー攻撃を仕掛けたとして
中国人ハッカー2人を起訴した。

かつての冷戦同様、今後、世界を二分するような対立に至るのか。
米中の“新冷戦”は、どこへ向かうのでしょうか

→米中の新冷戦は両国同士の覇権争いから来ている。
この覇権争いに日本はどのようなスタンスでいれば良いのか。
今の情勢を見ていると、
アメリカに従い、中国を批判することが、
結果としてアメリカのトップを喜ばれる。

確かに妥当であるかなとは思うが、
本当にアメリカファーストで良いのか。

世界の中で日本が今後、どこへ向かって行くのか?
そこが見えていないので、
今、目標に向かって何をやっていけばいいのかが
明確になっていないのではないのか。

特に昨今はコロナの対応でそれどころではない。
すべてのエネルギーをコロナに向けて、
今を必死に凌ごうとしている感覚。

もちろんコロナの解決が最重要課題であることは
承知しているが、
今後、コロナを言い訳にして、
日本が間違った方向に進んでいることを
軌道修正できなくなるのが一番不安である。

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