歴史は残念ながら繰り返されるのか

「風をよむ ~コロナ禍の原爆の日~」

8月6日木曜日、「原爆の日」を迎えた広島での、平和記念式典。
新型コロナウイルスの影響で、 一般の参列が見送られるなど、
例年よりも、大幅に規模が縮小された。


松井一実広島市長
「今、私たちは、新型コロナウイルスという人類に対する新たな脅威に立ち向かい、
もがいていますが、この脅威は、悲惨な過去の経験を、
反面教師にすることで、乗り越えられるのではないでしょうか」

新型コロナの脅威を乗り越えるためにも、
75年前の原爆の経験を忘れてはならない、と訴えた、広島の松井市長。

ロシア・プーチン大統領(7月)
「世界に類を見ない最先端技術や極超音速兵器を広く導入する」

アメリカ・中国・ロシアは、競うように、音速の数倍という猛スピードで飛翔する、
極超音速兵器の開発に邁進。

一方、アメリカとロシアの間で結ばれていた
INF=中距離核戦力全廃条約は去年失効。
  
さらに、核兵器禁止条約も発効に必要な50の国と地域の批准も得られておらず、
国際協調の足取りは重い。


そうした状況を反映するように、
去年、世界で支出された軍事費は総額206兆円にものぼり、
その4割ほどが、アメリカであった。

軍備に投入される莫大な額の軍事費。
そこから浮かび上がるのが、今世界が直面する大きな困難である。


核廃絶キャンペーン組織「ICAN」は、
アメリカの巨額な核軍備支出を、
新型コロナの対策に使えばどうなるかを試算した。

その結果、このお金で、
集中治療室30万床、
人工呼吸器3万5千台、
医師7万5千人と 看護師15万人が確保できることが、
わかったと言われている。

世界の大国が足並みをそろえて、
核開発に使う費用をコロナ対策に振り向けるようなことになれば、
世界の状況が大きく変わるかもしれません。
              
100年前、第一次世界大戦による対立で、
各国が連帯できない中、スペイン風邪のパンデミックという悲劇を招いた世界は、
戦後75年を経て、さまざまな分断・対立の溝を深めながら、
今また、新型コロナの脅威にさらされている。

松井市長は、広島平和宣言の中で、
「こうした過去の苦い経験を、決して繰り返してはなりません。
そのためには、私たち市民社会は、自国第一主義によることなく、
<連帯>して、脅威に立ち向かわなければなりません」
とコメント。


→アメリカの軍事費をコロナ対策に回すことにより、
どれだけの人の命を救えるか。
今すぐにでも回すべきだと考えるが、
現実はそううまくいかない。
今回、核廃絶キャンペーン組織「ICAN」が
算出したこの数字のエビデンスはアメリカのトップに
届いたのだろうか。
仮に届いていて、現状が何も変わらないようであれば、
歴史は繰り返し続くのだろうと思わざるを得ません。

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