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「テニスと健康」に関する研究論文が多いので、ざっくりまとめてみました。

GODAI note編集部です。

実はここ数年の間に、「テニスと健康」に関するさまざまな研究論文が発表されており、テニス業界ではちょっとした話題になっています。

と言っておきながら、実はふわっとしか読んだことがありませんでした(テニススクールの会社にいるのに、すみません……汗)。

なので、自戒も込めて、主な研究論文に関する記事を改めて読み直してみました。
以下、(ものすごく)ざっくりまとめてみました。「私もふわっとしか知らない……」「そもそもふわっとすら知らない……」という方は参考にしてみてください!

【研究論文➀】テニスが平均余命に与える影響(イギリス、デンマークなど)

<ざっくりまとめると……>
●調査の結果、習慣的にテニスをしていた人の平均余命は、運動不足の生活をしていた場合より9.7年長くなっていたことがわかった。
●また、テニスによって延長された平均余命の年数は、ほかのスポーツと比べても長いことがわかった。
 ・テニス/9.7年 ・バドミントン/6.2年 ・サッカー/4.7年
 ・サイクリング/3.7年 ・スイミング/3.4年 ・ジョギング/3.2年
 ・徒手体操/3.1年 ・ジムでのエクササイズ/1.5年

【研究論文➁】テニスが死亡率に与える影響(イギリス)

<ざっくりまとめると……
●調査対象者のうち、以下の運動をしていた人は(していない人と比較して)死亡率が低下していたことがわかった。
 1)ラケットスポーツ:-47%
 2)水泳:-28%
 3)エアロビクス:-27%
 4)サイクリング:-15%
●さらに、CVD(心血管疾患)による死亡率をみると、以下のように低下していたことがわかった。
 1)ラケットスポーツ:-56%
 2)水泳:-41%
 3)エアロビクス:-36%
※ラケットスポーツ:テニス・バドミントン・スカッシュ

【研究論文➂】テニスが筋骨格系に与える影響(アメリカ)

<ざっくりまとめると……
テニスをする人は、しない人と比較して優れた上半身の筋骨格系機能(握力、手首や肘の筋肉など)を示した。
●同様に、ヒザの曲げ伸ばしや太ももの筋肉の疲労度などの解析でも、テニスをする人はより優れた下肢機能を示した。

テニスが健康にいいとされる理由は?

上記の3つの研究発表をさらに(これまたざっくり)まとめると、テニスをやっている人については、テニスをしない人に比べて、健康面で次の傾向がみられるようです。

・死亡率が低く、平均余命が長い
・とりわけCVD(心血管疾患)では死亡率が低い
・そして、上半身・下半身の筋肉や骨(筋骨格系)の機能が高い

なぜ、このような傾向がみられるのでしょうか?
いくつかの要因が考えられますが、代表的なものとして、次の点が挙げられるでしょう。

➀有酸素運動と無酸素運動を繰り返す
1ポイント1ポイントを競うテニスは、いわば楽しみながら「ラリーする→休む→ラリーする」のインターバルトレーニングができるスポーツです。遠くのボールを拾うためにダッシュするような動きは、なかなか日常生活ではできないでしょう。有酸素運動と無酸素運動を繰り返すことで、心肺機能と筋力が同時に鍛えられるのです。

➁全身運動である
ストロークを打つには、下半身から上半身にかけての運動連鎖でボールに力を加えます。全身運動だから、自然と上半身と下半身の筋肉が鍛えられるのですね。

➂そこそこ高い運動強度
国立健康・栄養研究所が2012年に改訂した「身体活動のメッツ(METs)表」(METs=運動強度を相対的に表す指標)によると、テニスのMETsは他のスポーツ・活動と比べて次のとおりとなっています。

掃除機をかける:3.3
体操(全般):3.8
歩行(通勤・通学):4.0
ゴルフ(全般):4.8
野球(全般):5.0
水泳(クロール・ゆっくり):5.8
テニス(ダブルス):6.0
バスケットボール(全般):6.5
ジョギング(全般):7.0
サッカー(全般):7.0
テニス(全般):7.3
エアロビックダンス(全般):7.3
自転車(全般):7.5
テニス(シングルス):8.0
ロッククライミング・山登り:8.0

こう並べてみると、テニスは他のスポーツと比べてもそこそこ高い(ダブルスだとちょうどいい)運動強度のスポーツであるといえそうです。

テニスがもたらす「コミュニティ」の効能は世界共通!

これらのフィジカルな要因に加えて、もうひとつ、大事な要因があります。

➃社会的交流がある
テニスだけでなくバドミントンやスカッシュなどにも共通しますが、「ラリー(ボールなどを打ち合うこと)を通じてコミュニティがつくりやすい」というラケットスポーツの特長も見逃せません。
以前に、こんな記事を書きました。

テニスをしているときはもちろん、その前後に仲間どうしで談笑したり、終わった後に食事したりといった「コミュニティ」の存在。
その大きさに、このコロナ禍で私たちも改めて気づかされました。

こうしてみると、テニス(および他のラケットスポーツ)がもたらすコミュニティの効能は世界共通なんですね。

テニスというスポーツに携わる私たちが日ごろ取り組んでいること、大事にしていることを、これらの研究論文が認めてくれている気がして、素直に嬉しく思います。

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テニスを楽しむひと時が、その人にとってかけがえのない時間になるように。
これらの研究を励みに、今日も笑顔でお客様をお迎えしましょう!




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