商品開発における新奇性の落とし穴
みなさん、こんばんわ。
新奇性と言う言葉を聞いたことあるでしょうか?
【新奇性】
目新しさ、新しく物珍しいさま。
辞書を引くとこのような解説になっています。
今回どうして私がこの言葉を取り上げているかというと、商品企画の審査会議中に「その商品企画には新奇性があるのか?」と言う問いが飛んでくることがあります。
ですがこの考えは結構な危険を含んでいます。
一歩間違えると大失敗への第一歩になる諸刃の剣なのです。
大体この言葉を発している人の言いたいこととしては、既存商品との差別化ポイントがあるのか?ということが頭の中にあります。
現代社会の中で類似品のない、競合のない商品企画を立てることはかなり難易度が高いので、どうしてもなんらかの商品やサービスと近しいところがあるものです。
それはこれまでに書いてきた「未充足の潜在ニーズ」からなる商品企画でない限りはついて回る問題です。
差別化されていたら売れるのかと言う話なのですが、同じように新奇性が高ければ売れるのかという問いも成立するのです。
差別化ポイントがない、優位性がどこにもない後発商品が先発品を凌駕することはまずないです。
また、そこそこ売れると言うのも厳しいです。
となると新奇性がないと売れないのではないかという論になりがちなのですが、全く新しい商品の場合には、今後はその魅力や商品内容をお客様に伝えることに苦労します。
お客様は購入する商品やサービスの価値や利点が想像ついていないと、購入しようとは思いませんので、購買されることがないわけです。
そして見たことも聞いたこともない、機能や商品内容も想像つかないようなものだった場合には、購入どころか興味を持っていただくこともできない可能性があります。
これを解決するために役立つのが「商品ネーミング」であり「ユーザーニーズに基づいたいかなるベネフィットが提供されるのか」ということを伝達するプロモーション戦略が大切になります。
また、販売を促進するための販売戦略も重要となります。
商品力を浸透させるための時間がかかるので、それを如何に少なくするのかということが大事なポイントとなってきます。
逆にいうとそれらがうまくはまれば新市場を開拓し、先行者利益を存分に享受することができます。
新奇性ばかりに気を取られてしまうと、新しいだけで消費者ニーズの無い商品になってしまうという「ただ奇抜なだけ」の商品ということにもなりかねないのです。
確かにどこにもない新しい商品だけど、これは一体誰がターゲットなのだろうか?そのターゲットの人たちのどんなニーズに応える商品なのかを考えると「あれ?ないぞ」みたいなことに企画段階で気づければ良いのですが、しっかりとマーケティングを実践していない組織では、開発し発売して惨憺たる結果を見てからはじめて過ちに気づくということもあります。
ですので、新奇性云々ではなく実直にどんなお客様のどんな未充足ニーズに応え、どのようなユーザーベネフィットを提供することができる商品なのかということを突き詰めていった方が良いです。
そのためにも、消費者ニーズを掴むためのフィールドワークやリサーチ活動、ユーザーテストなどをしっかりと地道に行うことが、一番の近道で確度の高い方法だと私は考えています。
新奇性はあるが売れない商品でよく見るのは、道の駅などで見かける地場産品を使ったユニークな商品です。
地場のものならなんでも良いわけでも無いですし、美味しかったり実用性がなければ買われないのは自明ですが、地場産品を使って地域おこしをすることが目的化して、消費者のことを置いてきぼりにして作ってしまってると思われるケースがあります^^;
ぜひ、みなさんも新奇性ということに引っ張られ過ぎないように地道な商品企画をして頂けたらと思います。
そして、いつでも商品企画は誰のためか、それは消費者のためであるということを忘れずにいたいものです。
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