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信州読書会に提出した読書感想文を掲載

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#中島敦

中島敦著『李陵』読書感想文

中島敦著『李陵』読書感想文

『色眼鏡』

私は中島敦という作家について何も知らない。氏の著作を読むのも、以前に信州読書会にて課題図書となった『名人伝』、そして今回の課題図書である『李陵』、のたった二作を読んだに過ぎない。作品を除いた、作者のパーソナリティーについて知っている事と言えば、夭逝の作家だと言う事だけだ。

小説を読む際、それがどんな小説であったとしても、作者のパーソナリティーを知っているか否かは、その作品を読む上で

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中島敦著『名人伝』読書感想文

中島敦著『名人伝』読書感想文

主人公の紀昌は弓の名人を目指すべく、常軌を逸した修行に身を費やす。その結果、人知を超えた能力を手に入れ、師である飛衛に並ぶほどの弓の腕前を身につける。この時点において、確かに彼の弓の腕前は名人と呼ばれるに相応しいものかも知れない。だが、行き過ぎた修行の果てに、瞼の筋肉の使用法を忘れ常に目は大きく見開かれ、蚤を馬の様な大きさで見ることができる彼は、私の目には名人ではなく、まるで化け物の様に映った。

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