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面白いほど思い通りに人を動かす交渉術

皆さんは、相手を自分の思い通りに動かしたいって思ったことありませんか?
Twitterでも紹介したのですが、4歳になるうちの子が、自分の欲しいおもちゃを買ってもらうための言動が、まさに人の心理をついてて、面白かったので解説していきたいと思います。

小さい要求を通すと大きな要求も通りやすい
「フット・イン・ザ・ドア」

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4歳の息子、おもちゃ付きのお菓子(お菓子といってもラムネ1個とかしか入ってなくて、おもちゃメインのやつ)が大好きなんですが、私と一緒に買い物に行くと、「おもちゃは買わない」って言われることが分かっているので、孫に優しいじぃさんにおねだり。

まず、「じぃじ~、お菓子買いに行こう」と言って誘い出しました。
お目当ては500円のおもちゃ付きお菓子です。だけど、「おもちゃ」といってしまうと、じぃさんは高額のおもちゃを連想してしまいます。

「お菓子」といえば、せいぜい数百円ですよね。安いお菓子くらいなら買ってあげるよ、という気持ちになったじぃさんは、のこのこ孫と買い物へ出かけて行きました。

最初からいきなり「本命の要求」を言うのではなく、小さい要求からお願いすることで、相手は「それくらいなら」と要求をのんでしまいます。

これこそが、まさに「フット・イン・ザ・ドア」と呼ばれる心理テクニックです。

これは、飛び込みの営業マンがよくドアを閉められないように、つま先で抑えて商談に持ち込むことから名づけられたものです。

由来となっているだけあって、営業マンが「3分だけアンケートにご協力いただけませんか?」といって、歩いている人を立ち止まらせたり、電話営業で「まずは話だけでも聞いてもらえませんか?」というのは、全部「フット・イン・ザ・ドア」の手法をとっています。

話を聞いてもらえたら、今度は「一度試しに使ってみませんか?」とか「アンケートにお答えいただいたお礼に、今回無料でお試しいただけますよ」といって、次の段階に移るのです。

「フット・イン・ザ・ドア」の手法は、営業にかぎらず、日常生活でも使えます。

まず、旦那さんにゴミ出しをお願いしたいと思ったら、まず小さなゴミを渡して「ゴミ箱に捨ててきてくれる?」と頼みます。ゴミ箱に捨てるときに「あ、ゴミ箱いっぱいだから、袋も取り替えてといてくれる?」といってゴミ袋を取り出させたら「ついでに、ゴミ出しもお願いできる?」という自然の流れができます(*´艸`*)

大きな要求をわざと断らせて小さな要求を通させる
「ドア・イン・ザ・フェイス」

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小さい要求から依頼すると、お願いは通りやすいのですが、他にも、相手にお願いを受け入れてもらう手法はあります。

4歳の息子の話に戻しましょう。息子は、じぃさんとお店に着くと、真っ先にお菓子コーナーではなく、おもちゃコーナーへ行ったようです。
そして、1万円のおもちゃを指さし、「じぃじ、ぼくコレ欲しいんだよね」とおねだりしたのだそう(笑)

数百円のお菓子を買うつもりだったじぃさんも、さすがに1万円のおもちゃにはビックリ!「買えないよ」と伝えました。たぶん、息子もそれは想定内だったのでしょう。

でも、ダメ元で「じゃあ、これでもいいんだけど?」と3000円のおもちゃを持ってきたと。彼の本命は500円のおもちゃ付きお菓子でした。

しかし、じぃさんはどうしたでしょうか。
なんと、最初に1万円のおもちゃを買ってあげれず「申し訳ない」気持ちがあったのか、3000円のおもちゃを購入してあげ、本命の500円のおもちゃよりも大きな要求が通った息子はご機嫌でルンルン🎵と帰ってきました(笑)

このように、いきなり無茶なお願いをして、わざと断られた後に、さっきより比較的小さな頼み事をする手法のことを「ドア・イン・ザ・フェイス」といいます。

営業マンに、いきなり「家に上がらせてもらってもいいですか?」と言われたら、ほとんどの人が「ちょっと、それは…」と断るでしょう。

その後に、「では、玄関先で大丈夫ですので、少しお時間いいですか?」と言われたら、「家に入られるよりは、マシか…」という気持ちになりますよね。

最初の無茶なお願いより2つ目のお願いが、少しマシであれば「じゃあ、これくらいなら…」と妥協しやすい心理状態になることに加え、1度目で断っているという罪悪感で2つ目は断りにくくなるのです。

不倫にも使われるローボール・テクニック

心理的技法は他にもあります。
はじめに相手が承諾しやすい好条件を出し、相手が承諾したら、徐々に相手にとって不利な条件を突きつける手法のことを「ローボール・テクニック」といいます。

最近、おしゃれでかわいい商品も増えてきた100円均一ショップ。
「全部100円だ~」と思ってポンポンと買い物カゴに入れていたら、レジで「こちらは200円の商品ですが、よろしいですか?」と言われ、「えっ…これだけ200円なの?」と思いつつも、買いませんと言えずに購入してしまった経験はありませんか?

半額セールのお店で、気に入った商品をみつけたら、それだけ新作で値引き対象外だったのに買ってしまったとか。

恋愛でもこの手法が使われていることがあります。例えば浮気や不倫。

はじめは結婚していることを隠して、新しい恋人を作ったとします。2人の恋愛感情が高まってきたところで、結婚していることを打ち明けたり、バレたりすることもあるでしょう。

恋愛感情が高ぶっているところで、「実は結婚してる…」と言われても、「じゃあ別れましょう」とは決断しづらいものです。

「結婚相手とはうまくいっていない」、「別居中だ」、「近いうち別れるつもり」などと言われたら尚更「じゃあ、別れるまで待っている」と言ってしまうのです。

これらは、まさしく身近な「ローボール・テクニック」の例です。

「一貫性の原理」を利用

今回、ご紹介した心理的アプローチは、「一貫性の原理」を利用したものといえます。

一貫性の原理とは、「自分が一度決めたこと、これまでの発言や行動などを貫き通したい」という人間の心理のことです。

うちのじぃさんは、「高額なものは買ってあげられないけど、小さいものなら買ってあげるよ」と言ってしまった手前、言動に一貫性を持たせたくて孫に3000円のおもちゃを買い与えてしまったというわけです(笑)

交渉では、人間の持つ心理「一貫性の原理」を巧みに利用して、最終的に「断りづらっ!!」と思わせたら勝ちなのです。

お願い事や仕事の依頼をする際は、相手の状況に応じて、これらのテクニックを使い分けてみてはいかがでしょうか。



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