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日和るな、大人よ。

することはあるのだが、本日公開のエピソードがまだ到着しないので、朝から悶々としていた記事について書いてみる。

SNSや動画などのツールが増えたことで、広報の人材需要が高まっているという日経の記事。

別に需要が高まっていることにどうこう言うつもりはないが、そもそも広報業務というのは、SNSをこねくりまわすことではない。

経営計画に基づき、採用戦略、営業戦略、マーケなどと連携しながら、企業とステークホルダーとの接続を立体的に考えるのが、PR業務や広報業務だ。
(PRと広報の違い、という話題は数年に一度浮上するが、後藤的解釈は、企業が主語で、割と片道通行的に企業の情報を世に流すのが広報業務で、プロモーションや企業価値を知ってもらうための総合的な取り組みをPR業務と捉えている。さらには宣伝もあるので立ち位置や業務内容によってそのグラデーションは種々ある印象。)

近年、広報業務でも特に重視されている課題のひとつが、採用である。
どの企業も、優良人材の獲得に向けて躍起になっているが、たまにしょうもない、実に残念なフレーズを耳にする。

「最近の若い子は、もっとくだけた書き方にしないと振り向いてくれませんよ」
なる、求人サイト担当者からのアドヴァイスだ。

違うだろう。
大人が学生に日和ってどうするのだ。
自社の文化をきちんと知ってもらい、「大人とは、社会人とはこうあるものよ」をけん引してなんぼではなかろうか。

とあるサイトでは
「●●なふいんきだから、知識がなくても大丈夫だょ」
という文言を見て卒倒しかけた。
(ふいんきじゃねーし、「ょ」ってなんだょ?)

いくら若者の間で流行っているからと言って、若者言葉に迎合して自分からハードルを下げに行ってどうするのだ。
一度下げたハードルは、簡単には戻せないぞ。

ということで、大人は大人らしく、社会で働くことの意義や、自社がどのような形で社会に貢献しているのかなど、もう少し背伸びしたくなるような素敵な世界を、土踏まずをぷるっぷるさせながらでも見せていくべきではないだろうか、と思う夜。

#日経COMEMO #NIKKEI

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