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【『枕草子』感想文②】千年前から仲良しカップルが長続きするのは滅多にないって言ってるから、みんなもっとケンカすればいいと思うよ。

清少納言は燃え上がっていく恋の情熱も、その恋が冷める瞬間もよくよく知っている人だった。

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たとしへなきもの。
夏と冬と。夜と昼と。雨降ると、日照ると。若きと老いたると。人の笑ふと腹立つと。黒と白と。思ふとにくむと。藍ときはだと。雨と霧と。同じ人ながら心ざし失せぬるは、まことにあらぬ人とぞおぼゆるかし。

比べようがないほど違っているもの。

夏と冬と。夜と昼と。雨が降るのと日が照るのと。若い人と老いている人と。人が笑うのと腹立つのと。黒と白と。愛することと憎むことと。藍色と黄色と。雨と霧と。同じ人であっても、私への気持ちが失せてしまったのは本当に別人のように感じるの。

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最初は天気や色の全く違うものや反対の言葉を羅列していて、何が言いたいのかなー?と思っていたら、最後が最高におもしろいよね。

私も最初は毎日のように連絡を取り合っていたけど、ある日を境にだんだんと距離を置かれていった瞬間を思い出した。本当に同じ人なの?って何度も思った。

仲の良かったあの頃に戻りたいって清少納言も想ったりしたのかもしれない。清少納言との距離がぐっと近くなった気がした。

ちなみに清少納言は28歳の頃、17歳の中宮定子に仕え始めたと言われている。一度は結婚して子どももできたようだが、離別したという。俄然、清少納言その人に興味が湧いてきた。

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ありがたきもの。
舅にほめらるる婿。また姑に思はるる嫁の君。物よく抜くるしろがねの毛抜き。主そしらぬ人の従者(ずさ)。同じ所に住む人の、かたみに恥ぢかはしたると思ふが、つひに見えぬこそ、かたけれ。…
男も、女も、法師も、契り深くて語らふ人の、末までなかよき事。…

めったにないもの。

舅に褒められる婿。姑に思われる嫁の君。物のよく抜ける銀の毛抜き。主人の文句を言わない従者。同じ所に住んでいる人が、お互いに尊敬し合う姿を最後まで見られないからこそ、こんな人はめったにいない。…

男も女も法師も、深い約束をして親しくしている人が、最後まで仲の良いことはめったにない。…

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古文受験した人は覚えているだろうか。「ありがたし」は今の「ありがとう」の元となった言葉だが、「有るのが難しい」なので元々の意味は「滅多にない」という意味になる。

今の感謝する意味とは違うので、テストの重要単語だった(気がする…)。 

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好きな人とケンカしちゃって自己嫌悪に陥る人もいるかもしれないけど、千年前から今仲良しの人が最後まで仲良いのは滅多にないって言ってるからもうじゃんじゃんケンカしていいと思うよ。(ただし、責任は持たない。)

三角関係で略奪愛までした夫婦や、10年愛を実らせた夫婦が離婚するとか、本当によくある話。

そういえば仏教に「諸行無常」って言葉があるけど、全ては移り変わる。変わらないものなんてない。勝者は敗者に、敗者は勝者になる。そして心は移ろう。

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それでも、やっぱり変わらない心を求めてる。めったにないって頭では言い聞かせるけど、そんなもの幻想かもしれないけど、私は一生一人の人を愛し続けたい。

ケンカしたっていつの間にか仲直りして笑ってたい。だから、ケンカしながらももっと話し合って相手のことが知りたい。本音を知りたいし、出したい。

清少納言はどうだったんだろう。彼女も求めていたのだろうか。変わらない愛を。

彼女との会話はまだまだ続く…。

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〈本文抜粋〉

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