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一人旅日記2019夏 6日目

6日目。珍しく3泊した青森を後にし、今日からは2日かけて東京へ戻る。この日は青森のねぶた祭初日ということもあって、駅への道すがら出店の準備をする人たちの姿をちらほら見かけた。

旅をしていると、お祭り本編の盛り上がりは体感できても、その前の街が少しずつ盛り上がっていく場面にはなかなか出会えない。学生の頃の文化祭の準備のワクワク感に似たものを感じた。夜はどんな雰囲気になるのだろう。またいつか、それを知りに来なければ。

青森からは平野の中をひた走る。途中山を抜けたりしながら秋田の大館まで一気に南下。車内は自分と同じように電車で旅をする人が多くて、皆それぞれの過ごし方をしていた。自分はスコーンと晴れた車窓を眺めたり、本を読んだりした。

この旅はたまにはいつもと違うことをしてみようくらいの軽い気持ちで、普段全く読まない小説やエッセイを沢山読んだ。普段の自分は何らかの知識を求めて本を手に取ることが多く、どちらも買うこと自体が奇跡に近いのに、あの1週間は狂ったように本を読んだ。帰ってきてからは元のよう読まなくなってしまったのを踏まえると、時間が沢山あったのがよかっただけなのかもしれない。笑

大館では1時間ちょっとの乗り換え待ち。駅前に秋田犬と触れ合える施設があるってことで足を運んだ。2日目の宿で出会った秋田犬のモフモフ具合にすっかりやられ、またモフモフしたい、、くらいに思っていたのだけど到着がちょうどお昼時で、犬もお昼休みに入っていた。まあ犬も知らない人がたくさんいるところにずっといたら疲れるだろうし仕方ないか。施設が駅の待合室よりは涼しそうだったので、特に何をするでもなくそこで時間をつぶした。また会いに来よう。

ここからは奥羽本線を離れ、花輪線で盛岡を目指す。数時間に1本しか便がない路線ながら、車内には部活帰りであろう高校生が沢山乗っていた。乗り換え待ちの時も列車を待つ子たちが多くいたし、もっと本数が多くても大丈夫そうなのに。自分は彼らがどういう日常を過ごしているかを知らないから、勝手な思い込みなのかな。

花巻線は面白い路線だった。大館からしばらくは山が少し開けたところを進んでいく。十和田南というスイッチバックの駅からしばらく行くと、窓の外を眺めていてもわかるような険しい山を登り始めた。しかもすぐ下りに入ると思いきや、いつまでも登る。並走する道が途中で途切れ、よくこんなところに線路を通したなと思うような場所も沢山あった。

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列車はしばらくして山を一気に下り、1時間くらい平野を走って盛岡に到着した。この日の盛岡はさんさ踊りの初日。盛岡の手前あたりからお祭りに行くのだろう人たちが乗ってきて、皆楽しそうにしているのが印象的だった。朝のねぶた祭も、さっきの花輪線もそう。地元の人にとってどんなイベントなのだろうか。自分が当たり前だと思っているものと違う環境を目の当たりにして、彼らがどういう生活を送っているかを考える。花輪線だけでなくこの旅はそんなことをよくした。その後花巻まで南下し、ここで一泊。

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