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一人旅日記2019夏 3日目

3日目はさらに北上の日。今回の目的地青森へ向かう。昨日の会で仲良くなった大学生の子も途中まで同じ方向ということで、9時台の電車で一緒に十文字を出ることにした。

乗ってみたい路線があるという彼とは3つ先の大曲まで一緒だった。秋田でここ行ってみたいんだ〜みたいな話で盛り上がっていたら、電車は20分くらいで大曲に到着。最後にお互いの旅が素敵なものになるよう言葉を交わして別れた。あれから彼はどんな旅をしたのだろう。可能性はほぼゼロだと思うけど、また彼と出会うことがあればその時は答え合わせをしてみたい。

こちらは引き続き奥羽本線で秋田を目指す。大曲を出たところからは在来線と新幹線の線路が一本ずつという、不思議な複線区間を進んでいく。昨日移動中に感じた車内や駅の寂しさの理由でもある新幹線。これができる前のこの地域はどんな雰囲気だったのだろうか。

秋田駅着は11時前。このまま奥羽本線に乗り続ければ、青森には4時間くらいで到着できる。それも悪くはないけれど、せっかくここまできたのだからと、ちょっと遠回りなルートでのんびり観光しながら青森入りすることにした。

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秋田方面から青森に向かう路線には、山間を進む奥羽本線のほかに、海沿いを走る五能線がある。こちらは海沿いギリギリを走る有名なローカル線で、観光列車として「リゾートしらかみ」という快速が走っている。昨日のきらきらうえつが思いの他快適で、観光列車もいいなあと思っていた矢先で出会ったリゾートしらかみチャンス。そりゃ乗るでしょうということでいそいそとチケットを抑えた自分は、2時間くらい秋田駅で時間をつぶしてリゾートしらかみに乗り込んだ。

秋田駅出発から1時間くらい北上し、列車は東能代駅から五能線に入る。そこからまたしばらく走り続けて、車窓には海が広がり始める。ところどころ景色のいいところでは、スピードを落として景色をじっくり見せてくれる時間もあったりした。しかしこの日は朝からずっと曇り。この辺を走るときも日が差すような状態ではなかった。スカッと晴れていたらどれだけ爽快な眺めだったのだろう。絶景は間違いなかっただけに、ちょっと残念だなあなんて思いながらこの時は外を眺めていた。

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列車は青森に入ったところで、対向列車とすれ違うためにしばし停車。すると少しずつ雲の隙間から日が差すようになってきた。いわゆる天使のはしごってやつに近い状態。タイミングよく千畳敷っていう岩礁の観光地で15分くらいの停車時間があったので、岩礁に降りて海と空にしばし見入った。東京でも同じような空は見られると思うけれど、目の前に海だけが広がる千畳敷で見るとスケールがまったく違う。思い付きで来たけれどこんな光景が見られるとは、なんてラッキーなんだろう。

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列車に戻った後も雲はどんどん晴れていき、海沿いを走るゾーンがちょうど終わりに差し掛かる頃には、少し夕暮れに近づいた空と海が鮮やかに光るようになっていた。

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その後は津軽平野でリンゴ畑の中をひた走り日没。19時半ごろに青森駅へ到着した。ビジネスホテルで一人ひっそりと乾杯して、3日目が終わった。


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