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私が名刺を「2枚」渡す理由:秋田であそぶ

昨年10月に秋田で働き始めてから、最初の春を迎えました。
現在、私は秋田で、地域の企業や起業家と一緒に新規事業を作っています。

秋田で働くことになった経緯は、前回の記事で触れましたが、ここ半年ほど、ある悩みがありました。

どこか伝わりきらない自己紹介

私たちGOB Incubation Partners株式会社(「ジーオービーインキュベーションパートナーズ」と読みます)は、東京に本社を構えていますが、大阪や広島、そして秋田など全国各地で拠点を作り、地域で出会った人、企業と一緒に、新たな事業を仕掛けています。

そのため、私も秋田拠点の旗振り役として、秋田県内で経営者らが集まるイベントに積極的に顔を出すようにしていました。

会の特性上、若い人はほとんどいません。そのため、24歳の私が行くと皆さんすごく歓迎してくださるのですが、そこから自己紹介を始めると、途端に会話が弾まなくなります…...。

「はじめまして!ジーオービーの園部です」

「何やってる会社だか?」

「企業さんや起業家の方々と一緒に、新しい商品や事業をつくっています」

「じゃあ、コンサルだな?」

「そうですね...コンサルではなくて、自分たちでも現場で事業をつくっていて...(う〜ん、なんて説明しよう)」

ちゃんと会話を広げられたらいいものの、会社の「事業」や自分の「仕事」について話をしても、伝わった実感が持てずにいました。

秋田愛なら、いくらでも話せる

頭を悩ませていたところに、ある転機が訪れました。

その日も、地域の経営者の皆さんがの集まる会合に参加。いつものように名刺交換をして、「新規事業を一緒につくる会社で〜」と説明をしていたのですが、懇親会のテーブルで一緒になった方々からこんな質問をされました。

「千葉出身なのに、なぜわざわざ秋田で働いているの?」
「秋田の何が良いの?」

これを聞かれたら、伝えたいことはたくさんあります。

大学進学を機に秋田に来たこと。そこで秋田の文化や食に強く興味を持ち大好きになったこと。自分で暮らしを営んでみたいこと......。

たらの芽は私の好きな秋田の山菜の1つ。私の秋田愛は前回記事をぜひご覧ください

こんな話をしていると、聞いている方の表情がみるみる豊かになっていくのがわかりました。

よくよく聞いてみたら、その方の実家は山菜の販売所を営んでいて、私が山菜に興味を持って価値を感じてくれていることに、とても感激してくれたようです。

「県外から来た若い人が、秋田の魅力を知っている。自分たちが気付けていないこと、魅力だと思っていない秋田の一面を、素晴らしいと思ってくれるのがうれしい」とも話てくれました。

ひととおり秋田愛を語ると、自分たちの事業についても、不思議と無理なく話せるようになりました。

  • 秋田が好きでここで働いていること

  • でもまだ仕事はなく、これから作っていきたいと思っていること

  • お世話になった方々に恩返ししたいこと。

  • 新しい事業づくりはありたい会社の姿に近づくための一つの手段であり、新規事業に共にチャレンジすることで、共にもっと会社をよくしていけるんじゃないか。と思っていること。

相手もとても合点がいった様子で「応援してます!」と言ってもらえました。社交辞令ではなく、心が通じ合ったような、そんな感覚がありました。

今までは「自分のバックグラウンドなんて個人的なことだし、そんなことを話しても......」と思っていましたが、むしろそっちの方がよっぽど重要でした。

「GOBという会社が何をしているか」よりも、まずは私が1人の人間として心を通わせることが大事。会社についてや何をやっているかは、その後に話すとスッと理解してもらえます。

つまり、これまでの自己紹介は、順番が逆だったんです。

いつもの名刺に、もう1枚

「GOBの園部です」ではなく「秋田が好きでここで働いている園部です」にするために、何かもっと工夫できることはないだろうか。

いろいろと考えていたところ、一緒に働いている美波さんが「名刺を変えてみよう!」と提案してくれました。

いつもの名刺は至ってシンプルなもの。会社として統一されたデザインです。

かっこよくて自慢の名刺ですが、「秋田が好き」をこのシックな名刺を渡して伝えるのは、ちぐはぐな気がします。

そこで、私が何者かを伝えるための“2枚目の名刺”づくりをスタート!

人となりが伝わるように、そこから会話が広がるように。を意識して名刺をデザインしていきました。

完成したのがこちらです。

こだわりポイント1:ハッシュタグ

自分にまつわるキーワードを#(ハッシュタグ)として並べることで、自分が何者かを伝えるベーシックな情報と、秋田のここが好き! を散りばめました。

こだわりポイント2:“伝わる”言葉で

「新規事業を一緒につくる会社」だけでは伝わらないことは実感していたので、もっと身近で、気持ちが伝わる言葉にしたいと思い、「共に新しいチャレンジをしたい」というコピーを顔写真の上に。またコンサルではなく、共に主体となってつくっていきたいという想いがあるので、「新規事業を一緒につくるパートナーです」という言葉も足しました。

こだわりポイント3:ワクワクを伝えるデザイン

「この人と一緒にいると、何か新しい/楽しいことができそう!」というワクワクしたイメージを持ってもらえるようなデザインに。ちなみにこのオレンジはGOBが現在策定を進めている新しいテーマカラーの1つで、「日没まで時間を忘れるほど、一緒に事業づくりに夢中になって取り組みたい」という意味が込められています。

こだわりポイント4:自己紹介の続きは、記事へ

このnoteの連載へ飛べるQRコードを設置しました。自分たちのバックグラウンドをいつでも見返してもらえますし最新の活動も伝えることができます。

先日、完成した2枚目の名刺を、早速配ってみました。

その場でQRコードから記事に飛んでくださったある経営者の方は興味津々で記事を読んでくれました。

秋田であそぶ」というマガジンのタイトルを見て、「俺も遊んでるぜ!」と、趣味のでマグロを釣った話をしてくれました。

「古民家暮らし」のハッシュタグを見て質問してくださる方が多くて、大学時代に、近くの古民家に住んでいたことを話すと、秋田の文化や暮らしについて話題が広がり、自分の暮らしを教えてくれる方もいます。

そんなこんなで、歩みはゆっくりかもしれませんが、わたしの「秋田であそぶ」、まだまだ続きます!

連載「秋田であそぶ」の記事はこちらから


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