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「新規事業提案制度」から生まれたプロダクトまとめ——リクルートやネスレ、LIFULLなど10社の事例

企業が社内で新規事業を立ち上げる方法の1つに「新規事業提案制度(社内ベンチャー制度、などとも呼ばれる)」があります。

社員から事業アイデアを募り、審査を通過したものは、事業化に向けて企業がバックアップをしながら立ち上げを進めていくといった流れが一般的。大企業を中心に多くの企業が取り入れており、実際にこうした仕組みから企業を代表するサービスや既存事業とは全く異なる領域での挑戦的な事業も立ち上がっています。

今回は、そんな新規事業提案制度やそれに類する仕組みを持つ企業10社をピックアップ。実際にそこから生まれた新規事業をまとめて紹介します。

10社の新規事業提案制度を比較した記事はこちら>

【取り上げた企業】
株式会社リクルートホールディングス/株式会社サイバーエージェント
関西電力株式会社
ネスレ日本株式会社
株式会社LIFULL
株式会社博報堂DYホールディングス
ソフトバンクグループ株式会社
東急グループ
住友商事株式会社
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)


リクルート「Ring」から生まれた新規事業

ホットペッパー(株式会社リクルートライフスタイル)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000291.000025184.html

株式会社リクルートライフスタイルが手がける「ホットペッパー」は、飲食店や美容院、リラクゼーションなど、街のお得情報を集めたクーポンマガジンです。

元々は紙媒体のみ発行していましたが、人々のメディア接点がリアルからオンラインへと移行する中で、ホットペッパーもそれに対応する形でWebサービスやアプリを展開。国内最大級のヘアサロン、リラクゼーション&ビューティーサロンの検索、予約サイト(アプリ)の「ホットペッパービューティー」や、グルメ情報に特化した「ホットペッパーグルメ」など、特定分野に特化したサービスを開発しています。

この事業もリクルートホールディングスが開催する新規事業提案制度「Ring」から生まれました。

リクルートホールディングス「Ring」とは

Ring」はリクルートが1982年から開催している新規事業開発コンテスト。全社員が対象で、チームには社外メンバーも参加可能で、既存事業の拡大だけでなく、まったく新しい領域の事業提案も受け付けています。

2018年度は、募集開始(3月)→1次審査(7月)→2次審査(12月)までの選考過程を経て、最終選考会(1月)では12件のアイデアまで絞りました。

ホットペッパーの他に、「ゼクシィ」や「スタディサプリ」といった事業もここから生まれています。

リクルートホールディングス「Ring」の詳細はこちら

バブル崩壊後の不況、ホットペッパーは、リクルートのビジネスモデル変革の旗手に

ホットペッパーが生まれた背景には、バブル崩壊に伴うリクルートの既存事業への見直しがありました。創刊直前の1990年代後半は、バブル崩壊後のデフレ経済で、コスト削減やリストラが叫ばれていた時代です。しかしリクルートの既存事業は人件費をはじめ高い原価をかけ、営業力を生かした高価格高付加価値のサービスが主軸でした。

停滞する経済状況の中で、これまでの事業モデルだけでは今後の成長が見込めないという危機感を背景に、低コストでも成り立つ事業として生まれたのが「ホットペッパー」です。

人々の生活に溶け込み、頻繁に利用してもらえる領域を選定し、クーポン付きの飲食店を紹介する雑誌としてスタート。単なる値下げではなく、時間や対象者や個数を限定して値下げする「クーポン」の形をとったことで、掲載する店舗にも受け入れられました。

2019年には、ホットペッパーグルメを利用して飲食店を予約した累計ユーザーが3億円人を突破しています(*1)。

サイバーエージェントの新規事業提案制度から生まれた新規事業

Geppo(ゲッポウ、株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジー)

Geppo(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000311.000028482.html

Geppo」は、株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジーが提供する、社員の心身の健康状態や、仕事へのモチベーションなどを可視化し、離職防止や生産性の向上につなげる、企業向けのHRtechサービスです。同社は、サイバーエージェントの役員と直接の部下以外の社員とチームで事業を立案する制度「あした会議」をきっかけに、サイバーエージェントとリクルートホールディングスの合弁会社として2017年7月に設立されました。

サイバーエージェント「あした会議」とは

あした会議は、2006年にスタート。役員自らが担当範囲外の事業を立案する点が大きな特徴で、直接の部下以外の社員とチームを組み、1泊2日の合宿で順位を競う制度です。

2019年時点で「あした会議」から生まれた企業の売り上げは約700億円、営業利益は約100億円を達成しています(*2)

サイバーエージェントの各種制度の詳細はこちら

毎月1回3問でコンディションが測れる

Geppoは、仕事への満足度、人間関係、健康の3つの切り口から質問に回答してもらうことで、個人と組織の両面から課題を発見します。

個人に対しては毎月1回3問、実名での調査を実施し、組織に対しては半期か四半期に1回20問、匿名での調査を実施。従来の社内調査との違いとして、社員の満足度だけでなく、コンディションを測ることができる点に特徴があります。

当時、急激に増えた社員に対して、タレントマネジメントや適材適所な人材配置を可能にする人事管理ツールの開発、運用が求められた背景を受け、Geppoは誕生しました。

ヒューマンキャピタルテクノロジー代表の満田修治氏は、企業規模が拡大するにつれて密なコミュニケーションが取れなくり、メンタルヘルスに不調をきたす社員を間近で見てきた経験から、Geppoを構想したと言います(*3)。

NTTデータやAVEX、LIONといった大手企業から、社員数25人以下の小規模企業までが幅広く導入しており、2018年にはGOOD DESIGN AWARDも受賞しました。

関西電力「かんでん起業チャレンジ制度」から生まれた新規事業

かんでんエルファーム

かんでんエルファーム」は、黒部ダムに流れ着いた流木や枯れ葉など、従来は焼却処分していたものを独自の技術でリサイクルし、地域の畜産や農業用の肥料や発電燃料として活用するといった事業を運営しています。

同社は関西電力が1998年から開催する社内起業プログラム「かんでん起業チャレンジ制度」から生まれた第1号案件として2000年に立ち上がりました。

関西電力「かんでん起業チャレンジ制度」とは

かんでん起業チャレンジ制度は、関西電力が1998年から実施している社内の新規事業提案制度です。

3段階で事業開発をサポートしており、まず1つ目は社員誰でも参加できるアイデアコンテストである「アイデア創出チャレンジ」。次にそこでトップ100に入った参加者を対象にした「アクセラレーションプログラム」があり、そして最後により本格的に事業立ち上げに専念できる「起業チャレンジ制度」があります。

「かんでん起業チャレンジ制度」の詳細はこちら

地域活性化にも貢献する循環型のビジネスモデル

かんでんエルファームでは、流木を処理する際に発生するおがくずを飛騨牛の敷料にして売上の一部を地元で森づくりを行うNPOの助成に当てたり、流木の分別をシルバー人材センターに依頼して雇用を生んだりと、地域の活性化にも貢献しています(*4)。

そのほか、農業や発電用として以外にも、流木で作ったコースターやしおり、ブックエンドなどの一般利用のできる商品も販売。このように、地域の風土や微生物、技術などを最大限に有効活用し、デジタル技術の活用によって、持続可能で経済的にも自立した地域社会を作ろうという「バイオリージョン」に基づいた事業展開が特徴的です。

ネスレ日本「イノベーションアワード」から生まれた新規事業

ネスカフェ スタンド

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000004158.html

ネスカフェ スタンド」は、鉄道駅で本格的なカフェメニューを提供するコーヒースタンドで、2016年12月にサービスを開始。カフェの本場イタリアに昔からある「バール(地域の人々が集まり、立ったままエスプレッソを飲みながらコミュニケーションを楽しむといったもの)」という文化をモチーフにしたサービスで、阪急線、阪神線、東急線、小田急線の沿線を中心に展開しています。

これは、ネスレ日本が毎年開催する新規事業コンテスト「イノベーションアワード」から生まれた事業です。

ネスレ日本「イノベーションアワード」とは

ネスレ日本が毎年開催している新規事業コンテスト。社員全員が対象で、自分の顧客は誰か、顧客が抱える問題は何かを考え新たなビジネスプランを提出。アイデアは役員会全体で審査し、受賞アイデアは翌年以降、全社的に実行に移すなど会社としても非常に重要な制度の1つに位置付けている。

制度の特徴は大きく2つ。1つ目はアイデアを評価するのではなく、それを実行した結果を評価する、という点。応募の段階でアイデアを実行して、それに基づいて評価をするので、机上の空論で終わらせない仕組みになっている。

2つ目は、自分の仕事について考えるという点。自身の日常の業務とは無関係なアイデアではなく、日常的に接している顧客の課題を解決するようなアイデアを考案し、実行する。これによって生まれる当事者意識が、事業立ち上げ期の困難さに立ち向かう上で非常に重要だと、同アワードを立ち上げた高岡浩三氏(当時社長、2020年4月に退任)は話す。

ネスレ「イノベーションアワード」の詳細はこちら

顧客との新たな生活接点を模索して生まれたネスカフェ スタンドのアイデア

ネスカフェ スタンドは、社員が阪急電鉄から「駅の売店の利用者が減っているので売店を閉めたいが、無人にはしたくない」という課題を聞いたことから生まれました。

同社は家庭用コーヒーでトップシェアを誇る一方で、 喫茶店やレストランなどの家庭以外でのシェアは3%ほどしかありませんでした。電車を待つ間にコーヒーを楽しんでもらえれば、普段ネスレに接していないユーザー層にも価値を届けられるのではないかと考えたわけです。

ネスレCMO(2018年当時)の石橋氏は、イノベーションアワードで採択したアイデアが事業として成立するポイントについて「単なる賞金だけではなく、成功した事業は全社で横展開していくため、自分の手がけた仕事が全社に知られ、広がっていくことにモチベーションを感じていると思います。さらにポイントは、机上の空論ではなく、実際に業務上で実行した内容であることです」と述べています(*5)。

ネスカフェ スタンドは2019年6月時点で、関西地区と関東地区で28店舗を展開。累計で約250万杯を販売しています(*6)。

LIFULL「SWITCH」「OPEN SWITCH」から生まれた新規事業

LIFULL FaM(ライフルファム)

LIFULL FaM」は、ママが子育てと仕事を両立しながらスキルアップできる「ママの就労支援事業」「ママの就労支援事業」を運営しています。 キッズスペース付きのオフィスで、主にWebマーケティングの仕事に取り組みながら、スキルアップを図ることができます。

戸建てを活用したLIFULL FaMのオフィスにはキッズスペースが用意。保育士などの資格を持った専門家が、仕事中に子供の世話をする体制を整えています。また仕事内容については、LIFULLの多様なネットワークを生かし、スキルアップにつながるようなWebマーケティングの仕事を受注し、ママたちへ委託しています。

同社は、LIFULLの新規事業提案制度「SWITCH」から生まれました。

LIFULL「SWITCH」「OPEN SWITCH」とは

LIFULLでは2つの新規事業創出制度「SWITCH」「OPEN SWITCH」を運営しています。

  • 「SWITCH」(2006年~):内定者を含め社員誰もが参加できる新規事業提案制度。また小さな子供がいる短時間勤務の女性社員や新卒1年目の社員も入賞を果たすなど、性別や役職、社歴に関わらず、多くの社員が挑戦しています(*7)

  • OPEN SWITCH」(2019年~):「SWITCH」の取り組みを拡大したもので、外部の様々な人や企業にも門戸を広げ、より多くの社会課題を解決する価値を創り出すための取り組みです。応募者は書類審査を経て、最終のピッチ審査会で入賞すると、最高1000万円の資金提供とLIFULLのアクセラレーターによるサポート制度を利用できます。

LIFULL「SWITCH」と「OPEN SWITCH」の詳細はこちら

代表、秋葉氏のママとしての原体験

LIFULL FaM代表取締役の秋庭麻衣氏(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000015018.html

LIFULL FaM代表取締役の秋庭麻衣(あきば・まい)氏は、自身がワーキングマザーとして、子育てのために他の社員よりも早く帰宅をしたり、子育てに十分な時間を割くことができなかったりといった罪悪感を覚えていたことが、サービスの原体験となっていると話します。

緑が丘で戸建てオフィスを運営しているほか、2018年には、東京に次ぎ福井県鯖江市で空き家を活用したオフィスをオープン。50人以上のママが利用しています。

博報堂DYホールディングス「AD+VENTURE」から生まれた新規事業

株式会社ALL BLUE

ALL BLUEは、広告制作やプロモーション支援といった企業向けのブランディング事業や、日本のガールズポップカルチャーの最新情報を欧米やアジアのファンに向けて発信するメディア「Tokyo Girls’ Update」の運営などを手がける、“コンテンツブティック”を標榜する企業です。

一般的な広告会社では、制作物自体にお金を受け取るが、ALL BLUEでは、そうした金額が負担になるスタートアップなどにも価値を生み出せるように、成果報酬型を採用し、広告によって上がった売り上げ分のいくらかをもらうようなビジネスモデルも作り上げています(*8)。

ALL BLUEは、博報堂DYホールディングスが主催する「AD+VENTURE」から、2013年に生まれました。

博報堂DYホールディングス「AD+VENTURE」とは

「AD+VENTURE」は、グループ全社の正社員を対象にした「ビジネス提案・育成制度」です。2008年のリーマンショックで影響を受けた同社が現場のモチベーションを高め、かつ従来のビジネスモデルを刷新する取り組みとして誕生しました。

この制度では、自由なチャレンジのために、判断基準を通常業務とは切り離し、事業・商品開発等に携わるメンバーを審査員にしています。1次審査の通過以後は、事業計画の策定などもサポート。その他、社内外のエキスパートが事業化に向けて支援体制を整えています。

博報堂ホールディングス「AD+VENTURE」の詳細はこちら

ソフトバンクグループ「ソフトバンクイノベンチャー」から生まれた新規事業

HELLO CYCLING(OpenStreet株式会社)

HELLO CYCLING」は自転車のシェアリングサービスで、スマホアプリから自転車の予約や決済、提携のステーション(駐輪場)を検索などができます。

HELLO CYCLINGが他のシェアサイクリングサービスと異なるのは、サービスをオープンプラットフォーム(交通インフラ)として位置付けている点です。

交通インフラを掲げるHELLO CYCLINGでは、テクノロジーの部分開発を複数の事業者と協業しながらインフラをつくりあげる「水平分業型」のモデルを採用。企業や自治体はシェアサイクル事業に自由に参画でき、利用者は参画する複数のシェアサイクリングブランドを1つのIDで利用できます。またICカードを登録すれば予約やアプリなしでサービスを利用可能で、2021年1月時点で10のシェアサイクリング事業者と提携。その利便性の高さを武器に、全国206の市区町村に展開しています(*9)。

ソフトバンクの新規事業提案制度「ソフトバンクイノベンチャー」から2013年に事業化しました。

ソフトバンクグループ「ソフトバンクイノベンチャー」とは

ソフトバンクイノベンチャー(運営:SBイノベンチャー株式会社)は2011にスタートした新規事業提案制度。社内外からアイデアを募集し、スケールフェーズまで広く支援しています。

インキュベーションプログラムとして、新規事業の応募前から最終審査までをサポートする「Innoventure Lab」と、事業化後のスケールフェーズのプロジェクトを対象に、経営などの実務、ノウハウ的な支援体制を整えている「Innoventure Studio」の2段階の機能を有しています。

ソフトバンクグループ「ソフトバンクイノベンチャー」の詳細はこちら

東急グループ「社内企業家育成制度」から生まれた新規事業

NewWork(東急株式会社)

NewWork」は、東急株式会社が運営する法人向けの会員制サテライトシェアオフィスです。

働き方の多様化に合わせて、柔軟な作業空間を提供するために生まれた。首都圏以外にも全国に展開しており、東急が運営する直営店以外にも他のコワーキングスペースやカラオケ店などとも提携しています。スマホの公式アプリを通じて会議室を予約したり、Web 上で空き状況を確認できたりします。作業用の個人デスクは予約不要で利用可能です。

NewWork自由が丘(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000093.000010686.html

東急株式会社内の「社内起業家育成制度」から2016年に事業化しました。

東急グループ「社内起業家育成制度」とは

東急グループ社内で、既存事業の枠組みを超えたビジネスやイノベーションを推進している「フューチャー・デザイン・ラボ」という部門の取り組みの1つとして2015年に生まれました。

部署や年齢、役職に関わらず新規事業を提案でき、発案者自らがプロジェクトリーダーとして事業に携わります。New Workを含め、これまで5つの事業が立ち上がりました。

もっとも、東急グループの担当者によれば、この制度のねらいは事業そのものよりも、そうした能力やマインドセットを持つ人材育成の面にあると言います。

アイデアの応募は、時期にかかわらずいつでも可能で、A4シート1枚程度に事業内容や着想のきっかけなどを書いて提出するだけと非常に手軽なのもこの制度の特徴です。

事務局は、採用するか否かにかかわらず、翌月には必ずフィードバックを送るなど、人材育成に重きを置いた“らしい”プログラム設計になっています(*10)。

東急グループ「社内起業家育成制度」の詳細はこちら

NewWork立ち上げの背景

NewWorkはもともと、プロジェクトリーダーである永塚慎一氏のアイデアからスタートしました。東急でオフィスビルの営業をしていた永塚氏は、成長スピードの早い企業が次々に引っ越しや分室の設置をする様子から、シェアオフィスの需要があるのではないかと考えたと言います。

結果的に同事業は社内起業家育成制度の第1号案件として採択されましたが、そこには東急として課題を感じていた「満員電車の混雑」の解消にも役立つ可能性がある点も評価されたようです(*11)。

直営、提携店合わせて約200店舗(2020年10月時点見込み)、会員企業380社以上(2020年9月1日時点)にまで成長しています(*12)。

住友商事「0→1チャレンジ」から生まれた新規事業

BUKATOOL(ブカツール、実証実験中)

BUKATOOL(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000678.000000726.html

「BUKATOOL」は、住友商事株式会社が運営する、スマホなどのアプリを通じて部活動を支援する成長スキルシェア・プラットフォームです。

日本の部活動が抱える、指導者不足や活動費の管理、選手の意見やニーズの多様化といった課題に向けてアプローチしており、「最高のコーチ」「最新のテクノロジー」「最良の活動管理システム」の3つのサービスを提供するとしています(*13)。

「0→1チャレンジ2018」で採択されました。

発案者である髙木宏氏(デジタルソリューション事業部)が部活動に所属する学生たちにヒアリングをしたところ、彼らの抱える課題が、20年前の自身の現役時代と変わっていないことに気づいたそうです。また一流のアスリートたちは皆「環境に恵まれた」と話すことから、選手の成長を決める要因としての環境の重要性に気づき、こうした課題をテクノロジーで解決しようとBUKATOOLの本格的な開発に至りました(*14)。

住友商事「0→1チャレンジ」とは

住友商事が2018年から開始した社内起業制度で、担当業務や年次、拠点にかかわらず、広く社員からアイデアを募集しています。

その特徴の1つが、外部コンサルタントとしてアクセラレーターの株式会社ゼロワンブースターを起用した育成プログラムの提供(*15)。このような外部パートナーを巻き込むことで、これまでとは異なる目線での事業評価や、社内の固定観念を飛び越えた社内起業家を発掘しようとするねらいもあると言います(*16)。

住友商事「0→1チャレンジ」の詳細はこちら

JR東日本「ON1000」から生まれた新規事業

ベビーカーレンタルサービス(実証実験中)

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)と株式会社ジェイアール東日本物流は、共同でベビーカーの貸し出し事業を運営しています。

2019年9月から各駅での実証実験を開始。事前予約も可能で1回500円で利用できます。駅でベビーカーのレンタルサービスを提供することで、子育て世代が快適に移動でき、「子供たちと気軽に外出できる社会」を実現するという目的のもと誕生しました(*17)。

このサービスは、JR東日本の新規事業提案制度「ON1000(オンセン)」の1号案件です。

JR東日本「ON1000」とは

ON1000は「既存事業の延⻑線上でない“⾮連続”な事業」の創出を目的とした新規事業提案制度。既存の事業領域に捉われず、個⼈や⽣活者としての価値観で発想したアイデアを期待した取り組みで大企業の新規事業創出支援や起業家育成を行う株式会社Quantumと共同で運営しています。

JR東日本「ON1000」の詳細はこちら

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