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さるすべり 他界した祖母との思い出

先月、母方の祖母が亡くなった。これで私の祖父母4人全員がこの世を去ったことになる。皆あの世で楽しくやっているだろうか?などとたまに考えてみるが、実は私は両方の祖父を見たことがない。

私の一族は間違いなく女系一族だと言える。母方の父は40代でこの世を去り、父方の父は50代前半、そして父は現在60代だが糖尿病に高血圧による脳出血歴などがあり、いつ他界してもおかしくない状況。

19歳で日本を飛び出した私。思い出せば私はこの度亡くなった母型の祖母と、それまで一番多くの時間を過ごしたのかもしれない。生まれ育ったのも祖母の実家だ。

120坪程の都内の大きなお屋敷。庭には幾つもの大きなキンモクセイ、色鮮やかなアジサイ、そしてとても印象的だった祖母の部屋の近くにあったサルスベリの木。振り返れば何故祖母はあんなに大きな土地を持っていたのだろう?訊いておけば良かった....

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私が小学生くらいの頃、大規模な家の立て直しをしたのだが、祖母は祖父と過ごした部屋だけは残してほしいと云い、結局30年近くその当時のママの離れだけは残す結果となった。

たまに帰国すれば祖母に必ず逢いに行き、2人で祖母の大好きな鰻を食べながらいろいろな話をした。東京大空襲の時この家が半焼したこと。私が写真でしか見たことがない祖父との思いで。昭和初期の街の様子。今思えばもっと聞きたいことが沢山あったな....

母が小学生の時に祖父が他界したので、女手一つで母と母の姉を育てた祖母。当たり前のことだが、もう祖母と逢うことは2度と出来ないんだよな。

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