見出し画像

なんで写真を撮るのが好きなのか、ようやく理解した話

カメラの沼からこんにちは。

自分で言うのもなんだが、自分はカメラ沼に片足を突っ込んでいると言える程度にはカメラに時間と金銭を費やしてきた。(なおスキルは高くない)

写真を撮るのが好きだし、機材としてのプロダクトを眺めているのも楽しい。撮った写真をソーシャルで共有するのも好きだ。

じゃ「なんでカメラが好きなのか」と聞かれると、釈然とした答えがないままに沼地で時を過ごしていた。

それがここに来て「ああ、だから好きなのか」と一連の思考が繋がったのでnoteでまとめてみようと思う。

画像7


1. 体験の共有としての写真

以前、愛用しているカメラSIGMA fpについてnoteで紹介したのだが、その中で「なぜ写真が好きなのか」について以下のように述べている。

自分の写真・映像の用途を振り返ってみると、記憶のための記録というのは勿論なのですが、「体験の共有」を非常に重視しています。

勿論このnoteを書いた時はそう思っていたのだが、その後それだけではない気がして釈然としないまま過ごしていた。

2. ナラティブとしての写真

少し前に、文章における図解や写真の価値について考えていた時に以下のように思考をまとめて呟いた。

読み物コンテンツの中に図解や写真のビジュアルがある事で、そのコンテンツの理解を促進し、コンテキストを補強するような効果を感じている人も少なからず居ると思う。

自分にとって文章中の写真は、情報を伝達するための文章そのものと同じくらい重要で切り離せないものだと思っている。

場合によっては文章以上に対象を正確に伝え、対象そのものだけでなくそれを取り巻く空間や世界観をも伝える事が出来る要素だと思っており、noteにしてもTwitterにしても写真を出来るだけリアルに切り取るように心掛けている。

画像8

それゆえに、世界観をより深く伝えるためのストーリーテリングにおいて、文章と共に強力なナラティブを発揮する写真はこれからますます重要になってくる要素だと強く信じている。

最近それを改めて実感する場面があった。

3. WIREDでの連載で写真を撮る

私が昔から大好きなメディア「WIRED」で幸運にも連載させていただける事になり、先日いよいよシリーズがスタートした。自分が気になるガジェットをレビューする中で、そのプロダクトが生まれた背景や、時代の変化を切り取っていくのが連載のテーマだ。

この連載で、記事の中で扱う写真は自分で撮らせてほしい、と当初からWIRED編集サイドにお願いしていた。その時は深く考えていなかったのだが、何となく自分で撮りたいと思ったのだ。

実際にやってみて、WIREDに掲載される記事に見合うレベルの写真を用意するのはそれなりに労力がかかり、原稿を書くのと同じかそれ以上の時間を割いてしまった。

画像1

画像2

それでもこの連載の中で使う写真は、今後も自分の手で撮りたいと思っている。なぜならそれが一番自分のストーリーテリングにフィットすると、やってみて改めて感じたからだ。

そして記事の公開後、この苦労を癒やしてくれるようなコメントを見つけた。

読み手に自分の想いが届いたと感じた瞬間だった。記事の書き手だからこそ、そのプロダクトについて自分が感じている魅力や、そのプロダクトが存在している空気感をナラティブの一部として補強できたのだと確信する事が出来た。

4. 自分のプロダクトブランドの写真も自分で撮りたい

Twitterでフォローいただいている方はご存知かもしれないが、ここ一年ほど新たなプロダクトブランドの立ち上げの準備を進めている。

出来上がってきたプロダクトの一部を少しずつソーシャルで共有し始めているが、これらの写真も自分で撮影している。

この先、完成品が出来上がれば自社WebサイトやECサイトに掲載するプロダクトの写真が必要になる。そしてこれらの写真も自分で撮りたい。

自分で作ったプロダクトの魅力は、自分こそが一番伝えられると信じてるからで、現在このプロジェクトを進めているチームメンバーにもそのように伝えている。

しかし同時に、経営者である自分がそこに限りある時間を投じるのはどうなのか?という疑問もある。経営者のやるべき事は経営であり、クリエイティブは任せるべきなのではないか。

だが例え経営的に非効率であっても自分で写真を撮りたい。なぜなら写真を見てくれる人に知って欲しいのはプロダクトそのものではなく、プロダクトが存在する事でどんな世界観を享受できるかだからだ。

そんな事を思っている時、ある出会いがあった。

5. 社長が自ら写真を撮るアウトドアブランドmuraco

最近とても好きなmuracoというアウトドアブランド。金属加工の工場から生まれ、数々の魅力的なアウトドアギアを世に生み出している。

スクリーンショット 2021-06-22 17.25.00

プロダクトのデザインの洗練さも去る事ながら、自分が目を惹かれるのはそのストーリーテリングだ。Webの商品紹介からECのアイテムのページまで全ての写真が抜群に格好いい。

スクリーンショット 2021-06-22 17.33.01

そして単に写りだけの話ではなく、作り手の想いのような情感を無意識で感じている。これは経営者もしくは経営者にすごく近い距離のメンバーが撮っているのではないか。

このなんとなく感じていた印象を、ある日Twitter上でmuracoの代表の村上さんに直接確認する機会が訪れた。

スクリーンショット 2021-06-22 17.39.29

思っていた通りだった。なぜそう感じたのかは言語化できない。無意識がそう察したとしか言えないが、人間には意識している以上に視覚的表現の中に言語化できないニュアンスを感じ取る力が備わってるのだろうと思う。

このやり取りを経て、やはり自分はプロダクトのストーリーを自分の言葉で、自分の表現したいビジュアルで伝えていきたいと想いを新たにした。

そして、そのためには今のままの写真のレベルでは充分でなく、もっとスキルを向上させなければならないと課題も感じてる。

----

余談だが、やりきる覚悟を決めるために機材もアップグレードしてしまった。腕もアップグレードしなくては。


6. 自分の世界を拡張させるメディア

あらゆる人がメディアになっていく、という未来の見立てがある。旧来の大きなメディアの影響力が分散し、テクノロジーでエンパワーされた個人がメディアになっていく。

自分にとって写真は自分というメディアを拡張させ、世界を広げるためのコミュニケーションの言語になっている。

だからこそ写真が心から好きで、これからも一枚一枚の写真にメッセージを込めて発信していきたいと思う。

画像6


もし参考になりましたら、「スキ」ボタンをよろしくお願いします。              👇