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私たちは悲しいことに、他人の苦しみを99.9%は理解できないのである

生きていく上で、楽しいこともあれば悩ましいこともたくさん。そんな女性の悩みを、専門家に質問していくYoutubeチャンネル「GOAL IN TV」。番組を盛り上げてくれている出演者の一人、マルチタレント・わさびさんのコラムです!自分の人生を楽しく生きるためさまざまなことに挑戦する彼女の生き方についての連載。

みなさんこんにちは。わさびです。ここ数ヶ月で、有名な方の自殺のニュースを沢山目の当たりにし、心が押し潰されそうです。

毎週楽しい文章をお届けできるよう心がけていますが、どうしてもスルーすることができず、今回はハッピーな内容ではないことをお許しください。

私の飲み友達で、自殺してしまったある方とお仕事で深く関わっていらっしゃる方がいます。今、その方のインスタグラムは誹謗中傷で埋め尽くされています。

「追悼の言葉を出さずにのうのうと仕事をしている」と責め立てられ、挙句「あなたが殺した」とまで書いてありました。
コメントを書き込むだけの人に、一体何がわかるというのでしょうか。書き込んでいる人よりも、故人と深い関わりのあった友人の方が、ずっとずっと大きなショックを受けているはずなのに。

私が19歳の時、付き合っていた彼のお母様が自殺しました。私のこともとても可愛がってくれる、明るくて優しいお母様でした。「ごめんね」とだけメモを残し、自宅横にある倉庫で首を吊っていたそうです。ちょうどリーマンショックの時でしたので、地元の会社の部長さんだったお母様が部下に割り振る仕事が無くて悩んでいたとか、更年期障害で悩んでいただとか、様々な憶測が飛び交いましたが、それはあくまで憶測の域を出ず、真実は故人のみしか知りません。

そして自殺の多くは、「死のうと思って死ぬのではない」そうです。何も考えられないほど追い詰められて、気付いたら息絶えているのだそうです。ですからもしかしたら、周りの人間どころか本人ですら、自殺に至った本当の理由は説明できないのかもしれません。

ですが残された家族や友人、仕事仲間の多くは「自分がどうにかできたのではないか」「自分のあの一言がいけなかったのではないか」と、答えのない問いに悩まされ続ける。19歳の私には、彼のお父さんがとても不便に思えたのを覚えています。

夫婦は誰が見ても仲が良く、お父さんはきっと私には想像もつかないほど悲しみを抱えていたと思います。だけど優しいお父さんは、お葬式に来た人たちのことを最後まで気遣って、みんなの前では涙も見せず、私たちに「来てくれてありがとう」と笑顔を見せてくれました。

お父さんのことを知らない人の中には、もしかすると、泣いたり取り乱したりしないお父さんを見て「なんだか冷たいな」「夫婦仲が悪ったんじゃないか」と感じたりする人もいるのかもしれません。ですが彼のご両親をよく見知っていた私の目には、お父さんはただひたすらに、大切な妻のために自分の今やるべき仕事を全うしている男に見えました。

人前で泣いたり、取り乱したり、悲しみを表現する人だけが悲しんでいるわけではありません。自分の胸の中で、深く深く、悲しんでいる人もいるはずです。故人への想いを胸にしまって、黙々と自分のやるべき仕事をこなしている人もいるはずです。

何事も、おもてに出ていることなんてほんの0.1%くらいでしょう。見えていない99.9%を、憶測で決めつけるのはもうやめませんか。みんなで、想像力をつけましょう。他人を慮る力をつけましょう。そしたらちょっとだけステキな世の中になると思うんです。

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