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カミングアウト、その後の母との関係【乳桃みゆは女に戻りたい vol.11】
生きていく上で、楽しいこともあれば悩ましいこともたくさん。そんな女性の悩みを、専門家に質問していくYoutubeチャンネル「GOAL IN TV」。番組を盛り上げてくれている出演者の一人、乳桃みゆさんのコラムです!「女性に戻って、結婚したい」そんな目標に向かって頑張る彼女の姿をお届けします。今回は、カミングアウトしてからの親子関係について彼女が体験してきたことや、周囲の環境について話します。
こんにちは、ちちみゆです。
わたくし、母と同居しているのですが、ふと、息子が化粧したり女装して出歩いたりしてることについてどういう心境なんだろうと思うことがありました。どう接すればよいのか分からなくなりそうだなと思いますが、まぁ普通に接してくれています。母なりに葛藤はすごくあったと思います。なんせ一人息子ですからね。
今回は、そんな家族との付き合い方について書いて行こうと思いますん〜
カミングアウトのきっかけ、その後の親子仲
18歳のときに、性同一性障害専門のメンタルクリニックにカウンセリングに通っていたんですよ、私。その後、母に「診断書もありホルモン注射も打ちたいと思ってる」ということを告白したら「いきなりそんなこと言われても納得出来ない。」「孫だって見たかったのに。」と悲しんでいました。母の悲しんでる姿をみると私も悲しくなり、(それな、すまそ。)と感じましたね。
私のせいで家系が終わってしまう辛さあり。だけどそこは祖父母の兄弟達が頑張ってくれていて、血縁自体は続いていってるようなので大丈夫でしょう、きっと。
母にカミングアウトした後、しばらくの期間は張り詰めたような空気が漂っていましたが、最終的に私の生き方を尊重する形をとってくれました。
一緒に暮らしているので毎日話しますし、遊びに出かけますし、結構仲が良いんじゃないかなと思っています。
今普通に接してくれている母との話をしていると、「羨ましい」というニューハーフの知り合いの方もいます。その方は「うちは母と仲良くなくて、LINEもブロックされているんだ」と言っていて、私はショックを受けました。
カミングアウトされた親の気持ち
他に聞いた話では「実家にずっと帰っていない」という人もいたし、逆に家族と仲良い人も全然います。人それぞれだと思うんですけど、『仲が良くない関係』があるのって辛いし、それが肉親だと気持ちを納得させるのもなかなか難しいんじゃないかな……と思います。
母にLINEブロックされてると言ってた方は「LINEはブロックされてるし、入院したときもお見舞いにきてくれなかったし、全然会話もしてないけど、それでもできれば仲良くなりたい」と言っていて、そんなふうに思ってしまうものなんだな……という難しさ、複雑さがあるものなんだというのを知りました。つらみ。
そこで、子からカミングアウトされた親の気持ち、というのが知りたくなって、ちょっと調べてみたらネットに載ってました。カミングアウトされたときに恥ずかしさを感じたというのが目に入りました。「恥ずかしさ」ってどこからくるのでしょうか。ご近所さんの目線のことなのか、子に対してなのか、あるいは両方なのか。
その方は、カミングアウトした子に対して、「一緒に死のう」と言ったそうです。混乱してるのが伝わってくるし、その中でも子を守りたいと思って言った発言なのかもしれないけど、親にそんなこと言われたら結構ショックじゃないですか?
望む性別に産んであげられなくてごめんね、と思ったという方の記事もありました。なんか違うと思いますけどね。別に悪いこととかじゃないですよね、子も親も。
親は親で、当事者じゃないことの苦悩を知った
その後、母と雑談してる中でこういう話を聞いた、記事を見た、という話をしたら「子どものことを作品かなにかだと思ってるんじゃないの?そう思うから、よくない」と言っていました。私の好きな大御所芸能人は、「子どもは親の作品の塊みたいなところがある」というのを言っていたので、真逆な意見で面白さ感じました。
私の母は「作品みたいに思ってるから、思ってたのと違う育ち方をしたときに、思い通りにならないっていう感情になったり、育て方が悪かった……という気持ちになるんじゃないの」と言っていました。
1人の人間なんだから、それぞれの生き方がありそれは周りが止められるようなものでもないとも言っていて、「わーこの人が母でよかった〜」って、感謝しました。
親は親で、当事者じゃなくても苦悩があるということをようやく感じられるようになりました。今まで自分ばっかりな気持ちでしたので。
トランスジェンダーとその家族が、より生きやすい未来があるかもしれない
最近お会いしたトランスジェンダー(私と同じMtF)の方がいて、現在19歳と若く、12歳からホルモン治療をしていると聞きました。親の理解もあり、小学生のときから女性として学校に通っていて、周りの人もその子を女性と認識しているそうです。確かにその子は、骨格も声も全て女性そのもの。
12歳からホルモン治療しているっていうのもおったまげました。それだけ早く性別の違和感に気づけたのが羨ましいし、その日も帰宅のときに親御さんが迎えに来てくれていました。それを見て「時代進んでるのかも!」と思えました。
これから生まれるトランスジェンダーの人達や、その家族がより生きやすくなっていくのを願いますし、私もなんか出来ることがないかなって考えてみます。あるといいな。笑
打ち合わせの時も、母親との会話が自然と出てきて、仲の良さが伺えます。コラムを通して、乳桃さんが何度も言っているのが「みんな一人の人間」ということ。親の作品でもないし、性同一性障害だからといって可哀想なわけでもない。トランスジェンダーが生きやすい世界を願って、乳桃さんは今日も発信を続けます!
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