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私が父を好きな理由

生きていく上で、楽しいこともあれば悩ましいこともたくさん。そんな女性の悩みを、専門家に質問していくYoutubeチャンネル「GOAL IN TV」。番組を盛り上げてくれている出演者の一人、マルチタレント・わさびさんのコラムです!自分の人生を楽しく生きるためさまざまなことに挑戦する彼女の生き方についての連載。

大人になると、今まで見えなかった世界が突如見えるようになったり、若い頃は理解できなかったことが突然腑に落ちたり、点と点が繋がって線になるような体験を、割と頻繁にしやしませんか。

私が初めて「そういうことか!」と思ったのは中学生の時です。

昔よくドラマで見た、男性が女性をベッドに押し倒してキスを迫り、女性に拒否されて、男性が「うわぁぁぁ〜!」と悲しく叫びながら部屋を飛び出して行くシーン。

今まではそんな時の男の「うわぁぁぁ〜!」を言葉にすると「なんで俺を拒否するんだぁ〜!」だと思っていたのですが、中学生のある時、「うわぁぁぁ〜!」は「俺はなぜ大切な女性にこんなことをしてしまったんだぁ〜!」という、葛藤の叫びなのだと理解できるようになりました。

ベッドに取り残され呆然とする女性の気持ちも、セリフにすると「キモッ!なにあいつ」だと小学生の私は思っていたんですが、男女の関係性によっては様々な感情が入り混じりながらの“ベッドで呆然”なのだなと、ある時スッとわかるようになったのです。

30代になったからといって、点と点がつながる「気付き」の現象が終わることはありません。だから面白い。

私は自分の父親が大好きなのですが、変な言い方をすれば「私はなんでこんなに父が好きなんだっけ?」とちょっと疑問に思っていました。

うちの父はすごく無口で、ノリのいいパパではないし、なんでも買ってくれたりする娘に甘いパパでもないし、なんでも相談できるような兄貴的なパパでも、舘ひろしみたいなダンディなパパでもない。

でも私は父がめちゃくちゃ好きなのです。

「そらぁ、娘なんだから無条件で父親が好きだろうよ」という人もいるかもしれませんが、世の中そうとも言い切れないと思います。

しかし最近「私が父を好きな理由」が急にわかるようになったのです。

私が現在住まわせてもらっている千葉の古民家は、元々父の実家なのですが、ある日父が用事を済ませるために古民家にやってきました。

父が「自分が死んだ後のために」と、私も一緒にその用事に付き合わないかと言ったので、私は部屋でやっていた仕事を切り上げて、父と一緒に用事を済ませました。

そして、父は帰る時に、私にこう言いました。

「仕事だったのに、悪かったね」と。

娘にこの言葉を言える人、そう多くないんじゃないかと思います。

その時、今まで父と生きてきた三十数年の点と点がつながりました。うちの父は、究極的に“デリカシーのない発言をしないパパ”なのだと。

マナーと思いやりを持っている男なのだと。

「子供だから」「女だから」「妻だから」「ああだから」「こうだから」と勝手な物差しを持たずに生きている男なんだと。

私は父のそういうところが大好きだったのだと、とんでもなく腑に落ちたのです。

生きていると、世の中の不条理や人の嫌な部分がたくさん見えてくることが多いです。だけどいいことに気づけると楽しい。

父よ、気づかせてくれてありがとう。

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