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リモートワークで生産性を高めるには?変革のアプローチ(後編)

こんにちは。ゴール・システム・コンサルティング&リ・デザイン研究所のたじたです。前編ではチームがアウトプットを出していくメカニズムを解明しました。後編も引き続き、リモートワークでも生産性を高く実現するにはどうすれば良いのかを考えていきます。

※今回の記事は前々回からの続きで、リモートワークと生産性について書いています。

前々回:リモートワークで生産性どうなった?…私たちの考え
https://note.com/goal_consulting/n/nc00c8525570a

前回:リモートワークで生産性を高めるには?変革のアプローチ(前編)
https://note.com/goal_consulting/n/n722a65bd5b23

2.リモートワークになったことで、何が失われたのかを知る

まず皆さんと考えたいのはリモートワークがもたらした変化です。前編でお伝えしたようにチームの生産性に影響を及ぼしているリモートワークですが、具体的に変化したことは何でしょうか?

それは、チームが顔を合わせて働く「職場」が失われたということです。

「職場」で同僚と顔を合わせていることで、たとえばこんな会話が自然と行われていました。

「あの件、どうなっているかな?」
「誰か、こういうこと詳しくなかったっけ?」
「今そんなことになってるの?もう少し教えて!」
「ちょっと見てもらって良いですか?」
「さっきの話、もう1回教えてください」

このような会話は、リモートでもしっかりとした信頼関係ができていて、支障なくできているというチームもあります。しかし、多くのチームでは、そこまでスムーズな人間関係までは構築しておらず、リモートになってから、ちょっとしたことが聞きにくくなってしまったという話を耳にします。

実際にヒアリングをしたなかから2例ほど紹介します。

● 対面だったら5分で済むようなやりとりが、リモートでは何倍も時間がかかる。

● 以前は雑談で案件についての考えの深さを知ることができ、進捗状況を聞いただけではわからない実情を把握できていたが、リモートになってわからなくなってしまった。

似たような経験をされている方は、多くいらっしゃるのではないでしょうか。

この「リモートで職場が失われたことによる生産性への影響」については、全世界共通ではないのが興味深いところです。

生産性についての海外との比較は、以下の2つの調査が公開されています。

これらの海外との比較結果を見ると、リモートワークで生産性が悪化したと考える人が多いこと、そして、リモートワークにより、同僚とのコミュニケーションが取りにくくなったと感じている人が多いことは、日本に特有の結果であることがうかがえます。

3 リモートワークでのよい働き方のための変革のアプローチ

顔を合わせる「職場」がなくなったことで、なぜ日本は大きな影響を受けることになったのでしょうか。私たちは、それは以下のような構図によるのではないかと考えています。

ビフォー構造図 note用

アフター 構図 note用

日本企業の多くが「すり合わせでものを考えて、集団で意思決定するワークスタイル」を採用しています。ダイレクトでわかりやすい業務指示によって仕事を進めるスタイルを好みません。むしろ与えられた情報を自分なりに解釈し、試行錯誤するプロセスも人材育成の一環と捉える文化があるのです。リーダーはすぐに答えを言わずに、メンバーの仕事の出来栄えをみたうえで、段階的にアドバイスしながらフォローするOJT型の指導を行うことが良いとされてきました。

このように、これまでの「職場」を前提として成り立っていた日本特有の働き方が、リモートワークには合致せず、日本では他国と比較しても顕著に生産性が悪化しているのではないでしょうか。

このようなことから、私たちは「すり合わせ型中心、集団意思決定中心の業務スタイルからの変革」が、リモートワークでのよい働き方に必須だと考えています。

次回は、このテーマの最終回として、私たちがこの変革を起こすために実施している『チームマネジメント2.0』についてご紹介します。

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