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【経営をするように生きる】目に見えない資産について

今回は、「経営をするように生きる」上で必要な「目に見えない資産」について考えてみたいと思います。

人生100年とも言われるほど長い人生を考えると、良いこともあれば大変なこともあります。
何よりも、働き続ける健康な心身と、これから長い人生を考えて行動するエネルギーを継続的に持つことはなかなか大変なことです。
正直、私もこれからの長い人生を考えると「しんどいな」と思うこと多々です。

自分以外を思う心がエネルギーになる

例えば、自分のことだけを考えていたら人生100年を全うするエネルギーが生まれないかもな、と思うことがあります。
自分が豊かに安定的に暮らしていく程度であれば、100年の人生を全うしたいとはなかなか思えないのかもしれません。死ぬのが怖いから生きるだけでどこまで生きられるのだろうか、と思います。

このように思うと、まずは自分以外の誰かのために生きたいと思えることがとても重要であるのだろうと思います。このような人間関係は、目に見えない資産と言えるのではないでしょうか

人間関係が豊かであっても「しんどいな」と思うときは多々あるでしょう。そういったときに心と身体を支えてくれるような、人生の終わりまでエネルギーを与えてくれるような資源と環境が必要です。

その資源とはお金だけではないでしょう。もちろん、お金などの財産は生活を維持していくために不可欠であり、また、お金によって目に見えない資産の一部を購入することができるかもしれません。一方で、お金で買えるものはわずかであると認識しておいた方が良いでしょう。例えば、家族や仲間はお金では買えません。大切なものほどお金で買えないのです。(当たり前で恐縮ですが)

書籍「ライフシフト」における目に見えない資産

書籍「ライフシフト」を見ると、金融資産以外の資産に以下のようなものが挙げられています。

①生産性資産
人が仕事で生産性を高めて成功し、所得を増やすのに役立つ要素のこと。スキルと知識が主たる構成要素であるが、様々な要素が含まれる。

②活力資産
肉体的、精神的な健康と幸福のこと。健康、友人関係、パートナーやその他の家族との良好な関係などが該当する。長期追跡調査によれば、活力資産を潤沢に蓄えている事は、良い人生の重要な要素の1つである。

③変身資産
マルチステージの人生を生きる過程で大きな変化を経験し、大きな変身を遂げることになる。そのために必要な資産が変身資産である。自分についてよく知っていること、多様性に富んだ、人的ネットワークを持っていること、新しい経験に対して開かれた姿勢を持っていることなどが含まれる。

リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット、池村 千秋, LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略
(一部変更)

前向きに生きていくための資産として、これら3つの資産は、将来にわたって一定水準で維持し続ける必要があるでしょう。

これらの資産の重要性は、時期によって変わってきます。例えば③変身資産については、例えば70歳を超えた位の頃にはそれほど重要ではなくなってくるかもしれません。
一方で、今20代30代の方にとってみれば、変身資産は増やせるだけ増やしておく方が得策でしょう。

変身資産を蓄えながら、本命である①生産性資産を常に磨いていきます。生産性資産を磨き続けて変身に耐えるためには、ベースとなるエネルギー源として、活力資産によって、心のエネルギー、体の健康を維持していく必要があるというような関係でしょうか。

書籍「ライフシフト」では、例えば以下のような表現がされています。これを見るとイメージがしやすいかもしれません。

リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット、池村 千秋, LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略

ライフステージに応じて、それぞれの資産をどのように構築していくか、特にキャリアチェンジなどエネルギーがいる場面においては、どのように心身ともに良い状態を維持するか。また、将来のキャリアチェンジに備えて、自身の生産性資産(経営で言えば商品サービス、強み)を磨いていくか、といったことを考えていく必要があります。


企業経営における資産の考え方

企業経営においても、将来における将来像を書くときには商品サービスと、それを支えるために必要な内部資源を合わせて整理します。

将来においてどのような顧客に、どのような商品サービスで貢献をしているか、そして、それをどのような内部資源によって支えるか、ということです。以下の図のようなイメージです。

興味がある方は、以下の記事もご参考ください。


経営者の方と話をするときにも頻出する

私は仕事柄、経営者の方と話をする機会が多いのです。経営者と話をする際も、この目に見えない資産といいますか精神面と健康面の状態や資源の話をすることが多いです。
経営が苦しい時や様々な問題が露呈したときなど、経営者の方が精神的にも肉体的にも健全でいられなければ乗り越えられないことが多いです。

事業再生の段階などの会社では、特に経営者が諦めたらそこで終了です。
逆に、あきらめないで心身ともに健康であれば、債務超過(資産をすべてお金に変えて債務を返済しても、債務が残ってしまう状態)であったとしても会社は簡単にはつぶれません

人生においても、様々な苦境があることも多々あるでしょう。そのような段階においても、生産資産である心と身体、活力資産である家族や周りの仲間との関係など、目に見えない資産を整えておくことによって乗り越えられることもあるでしょう。

この点では経営者も個人も本質的には変わるものではないと考えます。


経営をするように生きるための目に見えない資産の考え方

個人の人生においても、経営ほどではないですが目に見えない資産と目に見える資産を中長期で考えていくことが重要です。

これは経営と同じです。経営の神様であるピーター・ドラッカーが書籍「マネジメント」で言うように
①特有の使命を果たす(自分自身の強みで貢献する。)
②働く人を活かす(個人であれば、自分自身を活かす⇒個人の場合は①と同じですね)
③社会的害悪の除去や社会課題の解決への貢献
を実現するために、あらゆる資産を活かしていく必要があるのです。

もちろん、個人の人生なので常に経営ほどシリアスに考える必要もありませんしんどい時は、その日一日を考えて、エネルギーがあるときに経営をするように考えればよいのだと思います


今後の記事では、それぞれの目に見えない資産の掘り下げや、具体例などについても触れてみたいと思います。
また、経営における経営理念のように、人生にも価値観があると思います。その価値観によって、目に見えない資産の価値も変わってくることなど、いろいろと考えていることを書いてみたいと思っています。


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