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【経営とビジネスのヒント】経営者とは現在と未来のバランスを取る人

以前、経営と執行の違いという話をさせていただきました。

経営とは中長期的なことを考えながら会社の方向付けを考察し実行していく仕事です。一方執行は出来上がったビジネスと言う仕組みをうまく回していくための日々のオペレーションを中心としたことをいいます。

これはどちらも等しく重要なことであり、どちらかが欠けていたら会社、組織はうまく回ってきません。

現在と未来の時間軸のバランスを取るとは

最近思うこととしては、経営者とは、短期的な時間軸と中長期的な時間軸のバランスを取ることも重要な仕事であるということです。

経営と執行の割合を自分自身を始めとして経営陣や社員のみなさんに対して求める度合いを調整することによって会社の方向付けにおける時間軸のバランスをとっていくということです。

中長期の時間軸を考える経営と、目の前のことに集中する執行をどのようなバランスで考えればいいのかは、立場やその企業におけるステージによって異なってきます。これを見極めながらそれぞれの準備に必要な視点を促すこともリーダーとしての役割です。

立場による経営と執行のバランスについて

・経営者

経営者であれば、本来中長期的なことを1日のうちの9割以上考えている必要があります。プレイング経営者であっても、最低でも5割は中長期的なことを考えている必要があります。その余裕がないという人は経営者としてのバランスがまだ整っていないと言えるでしょう。スタートアップや、立ち上げ期の段階においては仕方のない状況ではありますが。

・経営陣、マネジメントチーム

経営陣であれば、特に中小中堅企業の経営陣の方々は特定の部門のトップを気にしているため執行の割合がとても高いです。ヘタをすれば執行10割という方も多くいらっしゃいます。
ただ執行が10割と言う事は、経営陣とは名ばかりで日々の執行業務を行っているに過ぎません。業務の責任者としての役割はありますが、それと会社の方向付けへの経営陣としての貢献は違います。

ただ、現実には経営陣の方が執行10割になる原因は経営者にあるケースが多いです。経営者が実は深層心理では経営のことに首を突っ込まれたくないということが原因である場合があります。特に中小中堅企業のオーナー経営者に多い姿勢ではありますが、それでは周知を集めることができないです。

平常時において、経営陣の方々はできれば2、3割の割合で経営つまり中長期のことを考えていていただきたいというのが私が様々な会社に関わっている中で実感としてある感覚です。

中小中堅企業の経営陣の方々が、中長期の経営の事ばかりを考えていても会社は実際には回ってきません。それが世の中の現実というものです。だからといって目の前のことだけを考えていれば良いというわけではありません。


社員

社員の方々についてはどうかと言うと、社員の方々の中でも経験年度や立場によって経営と執行の思考バランスが異なることでしょう。中には新入社員ながらも会社の中長期のことをすごく考えている人がいます。

このような新入社員は、生意気に思われるケースもありますが将来の経営人材としての素養がある人と言えます。経営者や経営陣の方は、そのような社員さんをしっかりと見つけながら大切に育てていくことが求められるのだと思います。

人には得手、不得手がある

当たり前ですが人には得手、不得手があります。
経営的な中長期の考え方が得意な人もいれば、足元の執行を担う実務力・実行力がある人もいます。どちらが良い悪いと言うことではなく、適切に自分自身の強みを生かせる環境に身をおくこと、そして経営者であれば適切な強みを発揮できる役割を与えることが大切です。

このように自分自身でも短期と中長期のバランスをとりながら、人員配置についても中長期的なことが得意な人と短期的なことが得意な人のバランスをとりながら経営の実践を進めていくことが求められます。

執行型の経営者でもある程度成立するのが、立ち上げ期における経営でもあります。執行について強みを持つ経営者の人が立ち上げてある程度の規模感のところまで持っていくと言う段階です。そこから先に会社の方向性をしっかりと作り上げていくためには、別の得意分野を持った経営者の人にチェンジすることや、執行型の創業経営者が異なる得意分野を持った人を採用し経営陣として活かすか、新たな視点を学ぶと言うことが大切になってきます。

このように、自分自身の特性も把握した上で、短期と中長期のバランスをとっていく役割も経営者に求められることになります。そのためには、自分自身を客観視する視点が求められます。

私なんかは、実行力が結構欠けており、短期的なことよりも中長期のことを具体化したり抽象化したりして考えることが好きで、ある程度得意なのでコンサルタントという仕事をしています。このような、私のようなコンサルタントも、経営者に短期と中長期のバランスをとるためにツールとして使ってもらえるとよいのかな、と思います。


まとめ

・経営者は現在と未来のバランスをとる人

・現在は執行、未来は経営

・立場や人の特性によって、現在型(執行型)、未来型(経営型)があり、そのポジションの自覚と配置が重要

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