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【5S編:基本ステップ2”整頓”】

大卒で大手素材メーカーの工場に配属された2年目の紫耀(ショウ)と同じ工場に転勤してきた中堅社員の管理者の健(タケル)との会話です。(もちろんフィクション?)

 5Sを勉強することになり、まず整理を実施。次のステップの整頓に進むようです。

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整理の進捗


👱🏼‍♂️;おつかれさーん。

🧒;お疲れ様です。すみません、今日も朝早くから。(6時半、、やっぱりまだ眠いな・・)

👱🏼‍♂️;どうだい?前回残っていた整理はある程度できたかい?

🧒;はい。捨てるか迷うものに関して、いろんな議論はありましたが、リードタイムのルールを作って決めようと言ったら納得してくれました。むしろ、自分たちで制作のリードタイムを短くすればいいとも言ってくれる人がいました。

👱🏼‍♂️;ほう。面白い議論だね。リードタイムに関しては、リーン生産方式のところで詳しく解説するけど、その発想ができる現場ってすごいよ。”時間”って何よりも大事な価値になってくるんだ。ま、それは置いていて、整理はある程度できてきたようだね。

🧒;リードタイム、、気になる・・。あ、はい。5Sって漠然と言われても、どうやっていいのかわからなかったですが、まず第一段階のやり方はわかった気がしています。ただ、継続して実践して深く理解していきたいと思います。

整頓の方法

👱🏼‍♂️;なるほど。では、次はSTEP2の”整頓“をやっていこう。

🧒;はい。整頓っていうと、陳列することというイメージがありますね。

👱🏼‍♂️;うん。でも陳列ではないんだ。整頓は、“必要なものを使いやすい場所に置いておくこと”と定義できるんだ。だから、整理ができていないと整頓はできないんだよ。
それと、実際の仕事の質を上げるのに、重要なのが検索性だ。使いやすい場所に置いて、かつ探し易くするのが基本なんだ。まずここまで行きたいところだね。
整頓する対象を決めて、ここまでいくために肝となるのは3つの「定」なんだ。

A:置き場所の“定”める(定置)
  使用頻度で場所を決める。
B:置き方を“定”める(定品)
  常に同じものがあること(そのものの形をくりぬいておいておく方法があるね。)
C:表示方法を“定”める(定量)
  発注点を決めておく。

ちなみに、整頓をしようとすると向きをそろえる必要があったり、見えやすいようにする必要があるから場所の確保が必要になるんだ。これはやってみないと腑に落ちないと思うけども。この間紹介した本にも30%程度の置き場の余裕をもって整頓をするといいと書いてあるよ。俺もこの数字は感覚的に賛成だね。でも場所が必要ってことは、ここでも整理の質が整頓の質になってくるんだ。
 それともう一つこれ重要なんだけど、整頓に扉と蓋はNGだ。もちろん控室等の個人のロッカーは除外だよ(笑)。工場の現場の備品を置いておくものに限ってだ。扉があると、中に何があるかわからないし、どれだけあるかもわからない。工場あるあるで、扉に写真が貼ってあるんだけど、中身がないとか、、違うものが入っているなんてよく聞くよね。
俺の現場でもよくあるよ。これらを抑えて、整頓を進めてみてくれ。もう少し、ポイントがあるけど、まずここまでやってみよう。

🧒:わかりました!やってみます!

👱🏼‍♂️;じゃあ次は現場を見に行くよ。

・・・数週間後・・・

🧒;お疲れ様です。

👱🏼‍♂️;おーなかなか進んでいるようだね。

🧒;はい。ちょっと時間がかかっていますが、各設備の予備品置き場であったり、梱包・資材置き場の整頓が進んできています。見てください。

👱🏼‍♂️;なるほど、置き場も決めているし、置いてあるものが見えやすいようになって検索性も高いね。どのように進めたの?

🧒:まず、3定を説明したうえで①置き場自体のマップとリストを作成して、②その置き場ごとに対象物のリストを作成しました。それに沿って③各職場メンバーに対象物に3定を実施してもらいました。

👱🏼‍♂️;おー、やるね。

🧒;いえいえ。ただ、思ったのが、整理と整頓は相性がいいというか、整頓をすることで整理の不十分さが見えてきますね。

👱🏼‍♂️;整理と整頓の関係をよくわかってきたね。

🧒;それと、こういう改善は現場の人って得意なんだなーって思います。すごいんですよ。棚をきれいにしたり、わかりやすくポップな表示を作ったり。

👱🏼‍♂️;そうそう、現場では得意な人が多いよ。それに、積極にやってくれるということは最初に説明した5S意味を分かってくれたんじゃないかな。

🧒:やはり背景や目的を伝えるのは重要なんですね。

発注点管理による整理整頓の習慣化

👱🏼‍♂️;OK。では、もう一つのポイントって話をしようか。発注点を表示してくれたけどそこをもう少し深堀しよう。これは結構重要なんだ。

🧒;はい。お願いします。

👱🏼‍♂️;発注点というのは、発注しなければいけない在庫量の点。つまり最少の管理点だね。でも、整理の概念を取り入れると、”在庫をどれだけに抑えるか”ということも考えないといけない。つまり、最多点も表示するんだ。在庫のMinとMaxという概念を、常に整頓の時にもつことが重要なんだ。特にリードタイムが長いものに関しては、多く持ってしまうものなんだ。ビビっちゃうからね。それも踏まえてルールを決める。決まりがないと増えていく、結果、整理含む整頓ができなくなってくる。そうすると、すべてが崩れていってしまうことがある。
ただ、職場すべてのものにそこまで細かいことはできない場合もあるから、重要なものを決めて実施していくのも方法の一つだよ。少なくとも設備の品質に関わるものだったり、専門的な備品や資材には必ず実施すべきだよ。

🧒;ありがとうございます。やってみます。先輩、やっているうちに思ったんですけど、この活動は見える化でもあるのですね。

👱🏼‍♂️;そうなんだよ。整頓って、見える化がメインなんだよね。最初に作ったリストも見える化の一種だね。最初に話した定義を少し付け足して、“必要なものを使いやすい場所に見える化させておく”とした方がいいかもしれない。5Sと見える化は、切ってもきれない関係にあるんだよね。ここでは詳しくは話さないけど、見える化っていうのは認知させるということだから、製造現場だけでなくて、営業、経営等すべての改善の第一歩になるんだけどね。

🧒;また、気になる発言を・・。何はともあれ、もう少し整頓を進めていきます。

👱🏼‍♂️;整頓は結構時間がかかると思うけど、そのまま進めてくれ。整理・整頓が一区切りできたら連絡をくれ。ただ、うまくいってもいかなくても1か月以内に連絡をくれ。もし整頓がある程度できたら、次は清掃に進んでいこう。整理整頓を補完する活動だね。

🧒;はい!よろしくお願いします!

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今回は整頓について、解説をしました。
整頓は、見える化と密接に関係しています。どこに何があるか見える化する。リストつくりも、現場管理も、どれだけ見えるようにするかが重要で、見えるようになっていれば、注意もしますし、修正もできます。ただ、整理(捨てる作業)ができていないと場所もないし、手間も増えるし、かなりの整頓ボリュームになり諦めてしまうということがあります。なので、整理が重要になってきます。整理・整頓は直列でつながっている活動なのです。(*整理の投稿を見ていない人は、是非確認お願いします。)

なお、この活動をしていると、表示や棚の整頓で現場メンバーの新たな才能に気づく場面が出てきます。そこを伸ばしてあげるとチームメンバーのモチベーションも上がってきます。

次は、少し毛色が違うように見える、清掃について解説します。清掃はその名と通りきれいにする活動ですが、整理整頓の継続を補完し、清潔・躾へとつながる重要なものになります。下記です。



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