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ナッジで伝わるプレゼンに⑮:リアル講演で差がつく5つのポイント#1

私はコロナ以前、往復7時間以上かけて、よく東京に講演を聞きに行きました。開始1時間には最前列に着席し、自分のプレゼンの学びになるようにじっくり観察したものです。客席にいると、演者の立場では見えない光景が見えてきます。

洗練された演者は、開始前や開始直後から「楽しい時間になりますよ」というメッセージを発し続けます。プレゼン初級者でも、参加者へのストレスを軽減することならすぐできそうです。オープニングで差がつくポイントを5つ整理し、行動経済学的知見を交えて紹介します。

【開始時のポイント】
①マイクテストは参加者に語り掛ける内容で
②早めに会場に入り、笑顔を共有
マイクは左手に
④投影用PCは持参
⑤写真撮影は無音アプリ限定/PCでのメモは御遠慮を

人は最初にポジティブな感情を持つと、その後に聞いた話をポジティブに受け止める、プライミング効果という心理があります。今回はプライミング効果に基づき①②をお話しします。

①マイクテストは参加者に語り掛ける内容で
お客様が会場に入ってから「本日は晴天なり」やマイクに息を「フー」と吹きかけるようなマイクテストをするのは、やめた方がよいです。なぜなら、最初に不快なノイズを聞かされた参加者は、ネガティブモードのスイッチが入る可能性が高いからです。マイクテストは来客の前に済ませるのがベストですが、どうしてもそれができない場合は「後ろの方も聞こえていますか?」「マイクの調子もよく、今日は楽しい時間になりそうです」と会場に語り掛けることで、マイクテストがポジティブなメッセージに生まれ変わります。

②早めに会場に入り、笑顔を共有
私が講演をする時は、会場に30分前に入り、客席からの見え方を確認します(主催者に迷惑かけないのであれば、1時間前に入ります)。その後は、控室での打合せの場合を除き、可能な限り会場で笑顔を振りまきます。早く着いたお客様は、スマホでニュース記事を見て、無意識のうちにしかめっ面になっているかもしれません。私が会場でニコニコしていると、ポジティブな感情で講演にのぞむ確率が高まります。この差は、とても大きいです。

③④⑤は次回紹介します。今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。


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