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英語教室でのコロナ渦の子どもたち


私が英語を教えている教室でもコロナ対策、コロナ感染に関する規定などが作られていて、それに基づきレッスンをしている。

9月に入って都市部以外でもコロナ感染が広がり、教室の生徒が通う小学校で十数名のコロナ感染者がでた。小学校は2週間の休校に入り、教室にも通っていただけなくなった。休校になっている学校の生徒は教室は休んでいただく規定だ。教室から連絡したときに、保護者によって対応が異なったらしい。

保護者から生徒に教室にも通えないと伝えたら、「なんで?自分はコロナになっていないのに、行っちゃいけないなんて、悲しい」と気落ちしていると言われたそうだ。「PCR検査をして陰性だったのにだめなんですか」と言われる方もいらっしゃったようだ。意外だった、私は生徒が教室に来るのが面倒だと思っている、とばかり思っていたからだ。そんな風に小学生でも思うんだな、、、。

そんな気持ちになって申し訳ないと思いながらも、規定だし、他の小学校の生徒も通っているので、感染が拡大してもいけないし、、、。実際には他の小学校に通う生徒の保護者からも問い合わせがあって、該当小学校の生徒は教室くるんですか?と。我が子を心配してのことだろう。その反面、自分からこういう状況で小学校も休校になったので教室をお休みしますと、言われる保護者もおられた。

実際には休校対象小学校の生徒でも、PCR検査の陰性結果が今日出たから、来たという生徒も数名いた。もちろん、机の消毒をし、生徒同士の机を離し、窓も開けなど感染対策を行ってのレッスン実施だった。

次の週、小学校の休校は2週間だったが、1週間経過後、結局8割近くの該当小学校の生徒は来ていた。小学校のコロナ陽性だった生徒以外全員が、PCR検査陰性だったらしい。その時に生徒から聞いた言葉、「先週も陰性ってわかってたけど、ママが悔しいから教室を休もうといったから休んだ」。私は最初意味が分からなかった。なにが悔しいのだろうか、『陰性でよかったね、今週は教室は休んだ方がいいから』と、保護者は自分のお子さんに伝えているに違いないと勝手に思っていた。

レッスンをいつものように終えて、教室に迎えに来られた保護者の数名は教室にはいらなかったり、私と目を合わさなかったり、なんだか気まずい様子だった。それもその時にはなぜかよくわからなかった。

次の週に保護者にお会いしたら、いつもの通りの雰囲気に戻っていた。お聞きしたら、今日から学校が再開したと。それで、なんとなくわかったことがある。保護者達は自分の子どもが通っている小学校からクラスターが発生したことに多大なダメージをうけていたのだろうと。なぜか、、、やはり周りから、もしかしたら、という風な白い目でみられているのでは、と強く感じていたのでは、と。そして、どこにも行けなくなっている我が子を不憫に感じ、悔しくなったり、子ども自身もなぜ教室にまで来ないでといわれないといけないのか?と感じたのだろうということだ。

小学4年せいとかだと、「わーい、教室に行かなくていいんだー、ラッキー」となっているとばかり思っていた。保護者にしても、ま、仕方ないと理解しているんだろうと思っていた。でも、違った。全く違ったのだ。

中学生は部活がなくなったり、1時間だけといわれたり、全国大会に出場を決めたのに、バスで長距離を移動し、日帰りの強行軍だと聞いた。普通なら、遠征したので少しくらいその地域の雰囲気を味わって帰れただろうに。部活がそんなで、研修旅行もことごとく取りやめ、去年の中3の修学旅行は沖縄の予定が、地元の古びたアミューズメントパークになったそうだ。そんな風にコロナに振り回され、大人たちが気づかない間に、子どもたちはいろんなことにやる気を失ったり、残念な気持ちを抱えているようだ。

ニュースで本日の感染者数、人出の数、vaccineの接種者数ばかり気にしていたが、本当はその陰で、感染していない人たちも傷つき、どうしようもない気持ちのやり場に困っていることを忘れないように、優しく声掛けしていきたいものだと思う。


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