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生きるために根を下ろす
つい最近映画版『シカゴ』を観た
とてつもなく煌びやかでパワフルでエネルギッシュ、そんな魅力的な世界が描かれていた。
『cell block tango』では女囚たちの力強さに嗚咽してしまうほど心動かされてしまった
この魅力的でエネルギッシュな世界観こそが自己愛性人格障害的な世界だと感じる。己の欲のためには容赦なく他者を利用し使い捨て、内省からの葛藤などせず全てをなぎはらいながら前進していく。そして実る欲望の果実はとてもとても美しい。次の瞬間にはゴミになるとしても。
映画を観たあとしばらくあてられてしまうほど自己愛者的な世界はステキだ。だからこそとても恐ろしい。まるで夜空に咲く大輪の華だ。ドンッと大きな音を立て消えていく。人間も同様に一花咲かして消えていければ良いのだが想像以上に人生は長い。宴のあとも長い長い代わり映えのしない日常は続いていく。
自己愛者(NPD)は人間関係が希薄な環境を好む。
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きっと彼らは土地に根差すことはできない。都会であればあるほど彼らにとって都合がいい。自身の虚構がバレれば人間関係を断ち切り、別人として新しいコミュニティで称賛を求め続ける。地方なら早々に詰む生き方も、都会ならば幾分か延命可能だ。
両親をはじめとした自己愛者に出会い続けてしまった己からすると、覚悟を決めて土地に馴染んでいく生き方に憧れる。住む場所に尊敬と愛着を持って生きていくことは地に足をつけることにつながっていくと信じたい。
今は、ラピュタがなぜ滅びたのかあたしよく分かる。ゴンドアの谷の歌にあるもの。”土に根をおろし、風とともに生きよう。種とともに冬を越え、鳥とともに春を歌おう”。どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ
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