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ベースの構造の基礎 ~定義編~

こんにちは!GOです!

今回は、前回の「ギターの構造の基礎 ~定義編~」に引き続き、ベースの構造の基礎 ~定義編~
についてのお話をさせて頂きます。

「ギターの音域を低くして弦減らした楽器」という認識は一見正しいように見えますが、本質的な意味の「ベースギター」としては全く別のものとなっています。その理由を、楽器の起源に着目して明らかにしていきます。

ベース編でも、ギターの記事と同じく「ベースの定義」から考えていこうと思います。

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定義編
そもそもベースとは?
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本来のバスあるいはベースの音域は弦楽器ではチェロやギターの低音域に相当する。それより更に1オクターブ低い音域が"double bass"(ダブルベース)あるいは"Kontrabass"(コントラバス)と呼ばれる音域である。しかし、この最低音域を担当する弦楽器はしばしば"double"や"Kontra-"が省略されて単に"bass"(ベース、バス)と呼ばれる。 一方、バスあるいはベースという用語は、声部として一番下の旋律を演奏している楽器群を指すこともある。
(Wikipediaより)
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僕らが一般的にロックバンドの楽器において「ベースギター」呼んでいる「ベース」の部分は、「ダブルベース」「コントラバス」の省略形である。平たく言うと、一番低い音を出す弦楽器。と言える。
ここで、クラッシックにおける「コントラバス」という弦楽器を想像された方も多いだろう。ご存知の方も多いかと思いますが、歴史的なルーツを辿ると「コントラバス(楽器)」がより大きな音を出せるように改良された楽器 こそが現在の「ベースギター」となっている。
「ベースギター」のルーツがクラッシックにおける「コントラバス」という楽器である。ということはJAZZバンドなどからも想像出来るかと思う。
そこで、ベースギターのとは?を話す前に「コントラバス」についてみていこう。

コントラバスとは?
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4本または5本の弦を持つ大きな弦楽器である。略号は「Cb」。単にバスもしくはベース(Bass)(英語圏ではこの呼び方をする人が多い)。コントラバス、弦バス(日本のクラシック音楽、吹奏楽における名称)、ダブルベース(英語起源)、アップライトベース(ポピュラー音楽で主に電気を通していないベース)、ウッドベース(和製英語)、エレクトリックベース(電気を通したベース)、シンセベース、ベース・フィドル(ケルト系の音楽でヴァイオリンの呼称であるフィドル)などの呼び方がある。また、エレクトリック・アップライト・ベースも存在する。呼称が多いのは、コントラバスがさまざまな場面で使われることの表れである。
類似する低音弦楽器であるチェロがヴァイオリン属の楽器であるのに対して、コントラバスに見られる、なで肩の形状、平らな裏板、4度調弦、弓の持ち方(ジャーマン式)といった特徴はヴィオラ・ダ・ガンバ属に由来する。現代のコントラバスはヴァイオリン属とヴィオラ・ダ・ガンバ属の中間に位置する楽器となっている。
(Wikipediaより)
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では、ヴァイオリン属、ヴィオラ・ダ・ガンバ属とは?

ヴァイオリン属は完全五度に調弦された弦を弓で擦って音を出す擦弦楽器のグループである。基本的には4弦であるが、低音域に弦を足した5弦、6弦以上の楽器も存在する。弦鳴楽器に属する。
ヴィオラ・ダ・ガンバ属は弓を用いて演奏する擦弦楽器のグループである。ヴィオラ・ダ・ガンバ属はヴァイオリン属に良く似ているが、ネックにフレットを備えること、なで肩の形状、弦の数が一般に6本で4度に調弦されること、などの点で異なる。

これらの情報を踏まえ、コントラバスの要素を抜き出していくと、

・4本または5本の弦 (ヴァイオリン属の特徴)
・4度調弦 (ヴィオラ・ダ・ガンバ属の特徴)
・弓を用いて演奏する (共通)
・フレットを有しない (ヴァイオリン属の特徴)
・なで肩の形状 (ヴィオラ・ダ・ガンバ属の特徴)

となる。
呼称が多いことからも分かる通り「コントラバス」という楽器が確立してから、様々な場面で1950年ごろまでにわたり とても長い期間バンドの低音パートを支えてきた。


“ 1951年、エレキベースの登場 “

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1950年にレオ・フェンダーによってプロト・タイプが作られ、1951年にFender社からプレシジョンベース(Precision Bass)発売された。
それまでのコントラバス(ウッドベース)に比べ、コンパクトで扱いやすく、アンプによって大音量も出せるため、好評を博した。また、ネックにフレットが打たれたことで、容易に正確な音程を出すことが出来るのも大きな特徴であった。このことは「プレシジョン(正確な)」という名前の由来にもなっている。
(Wikipediaより)
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1950年ごろまでは、ベースパートのほとんどがコントラバスが担当していたが、1951年のプレシジョンベースの登場により、徐々にベースパートがエレキベースに置き換わっていった。ようやくこの記事の本題である「ベースギター」の登場である。
また、それと同時にこのプレシジョンベースこそが「ベースギター」として確立されたことを意味する。

ここで、このプレシジョンベースについてまとめると、

・コントラバス音域 (コントラバス / ヴァイオリン属の特徴)
・弦が4本 (コントラバス / ヴァイオリン属の特徴)
・4度調弦 (コントラバス / ヴィオラ・ダ・ガンバ属の特徴)
・指で弾(はじ)いて演奏 
 (クラッシックのコントラバスにおけるピチカート / ヴァイオリン属の特徴)
 (スウィングジャズやロカビリーのコントラバスにおけるスラップ / コントラバス独自の特徴)
 (ギター / リュート属の特徴)
・ビックで掻いて演奏 (ギター / リュート属の特徴)
・正確な音程を出せるフレットを有する
 (ギター / リュート属の特徴)
 (別の解釈;ヴィオラ・ダ・ガンバ属の特徴)

と、要素を挙げられる。
この、ヴァイオリン属とヴィオラ・ダ・ガンバ属とリュート属の特徴が混ざり合い、エレキギターの大音量を出せる構造に当てはめた楽器が、今日の「エレキベース」となっている。

「コントラバス」の時代がとても長く、その頃に様々なジャンルやスタイルによって多様化した後に「エレキベース」が誕生している為、ギターのように単純に「これがエレキベースの最小構成だ」と要素を挙げる事は難しい。

例えば、上記の6つ目の要素である「正確な音程を出せるフレットを有する」において、
・フレットを有しないエレキベース:ルーツのコントラバスのヴァイオリン属の特徴が強い
・フレットを有するエレキベース:リュート属/ヴィオラ・ダ・ガンバ属の特徴が強い
という考え方となる。

ベースの構造の基礎 ~定義編~ と題名をつけておいて申し訳ないのだが、「エレキベース」の定義はつける事なく、あくまでFender社の1951年の Precision Bass を1番の要の「基準」という観点で、今後の記事では構造やデザインについて話していこうと思う。

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以上、ベースの構造の基礎 ~定義編(?)~ でした。
「楽器の根本的な要素」に着目し、今日の「ベースギター」の形になるまでをお話しさせていただきました。
こちらもギター編と同じく、今後のデザイン系の記事においてはこの記事の内容が前提となる面もあるので、興味のある方は是非押さえておいて頂ければなと思います。

ではまた!

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