「 あとがき 」

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4月1日から始まった。
御坊さんの四コママンガ。
投稿すること四十九日。
昨日、無事に満中陰を迎えた。
あっと言う間に、時間はたった。

今年もなぜ、四十九日間の呟きを始めたのか。
 このnoteに綴ってみたいと思う。

事の始まりは、六道絵の勉強会に参加したことからだった。
最後の質疑応答の時間、「先生にとって、どの地獄が一番怖いですか?」と聞いた。
先生は、「六道も、そして地獄も私たちの中にある。引き出しのようなものなのです」と仰られた上で、
「しいて言えば、、、刀葉林の地獄ですかねぇ」と、申し訳ないほどの苦しみ微笑いの表情で答えて頂いた。

クスリ、と囁くような笑みが溢れた。クスクスと、笑っている私にふと何か違和感を感じた。

刀葉林の地獄とは、往生要集という書物の中で語られる地獄の一つである。
愛と欲に塗れた亡者が堕ちると言われている地獄の世界。
、、、亡者が目を開けると、山のような大きな樹木があり、その木の頂上で美女が手招きしている。「私の側においで、おいで。」と。側に行こうとする亡者に、刃となった葉が林として亡者の身を削ぎながら苦しめる。ボロボロになった身を捧げた挙句の果て、美女は既に居らず、目下にて手招きを繰り返す。
愛欲とは、苦しみ続ける地獄なのだと説かれた話なのだと思う。

1000年以上前からあるお話。

あの日、。笑った違和感を知りたいと思った。 刀葉林が何故、刀葉林なのか?        描かれる人物像は、何故女性なのか?     そして、何故。美女でなければならないのか?

想像する彼女の物語から、今私たちが抱えている問題が明け透けて見えてくる気持ちがした。

あの日、笑ってしまった私の姿は、地獄を作っている彼女と同じ、私自身だ。 

エイプリルフールから始めた四十九日(しじゅうくにち)の物語。希望を纏った、嘘をついてもいい日に願いを込めた。

彼女と私と誰かが。             すくわれますように、と。

今年も四十九日間を寄り添って頂きましたこと 心より感謝申し上げます。

本当に有り難うございました。




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