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ブレーキをかけろ(ゾッとする話)

16歳の冬休みの話。

となりの高校と5日にわたって部活動の合同練習があり、寒空の下、15kmの道のりを自転車で通っていた。

高校の直前にT字路があり、突き当りを右に曲がると正門があらわれる。

付近は建設作業で騒々しく、埃をまき散らさないための銀色の高い仮設の塀が建てられていて見通しが悪かったことを覚えている。

そのT字路の手前、長い距離を走ってきているので最後にまた加速するのは面倒であったが、はじめの4日間はきちんとブレーキをかけ減速していた。

それまで左からやって来る車とも出会わなかったこともあり、最終日、減速せずに右折してみようという考えが一瞬頭をよぎる。

直前までノーブレーキのつもりで走っていたが、無意識にブレーキをかけた。

次の瞬間、左から道路の幅ギリギリで、巨大ダンプカーが目の前を通り過ぎた。

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ちょっとした判断で人生が変わることってある。

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