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私は、いったい何を書きたいのか?

私の内側で本当に起こっていることを描写したいという衝動が、思い返すと不登校していた15歳の頃から強くあります。

何らかの自己表現というよりは、むしろ「差し出す」といった感じで、「これが私という人間に起こっている真実なのです。私にできることはそれをありのままに描写することです。一緒に観てもらえませんか?」という気持ちが背後にあります。

「ありのままの真実だからこそ無条件に価値があるはずで、それが一人の人間に起こったという事実に真摯に向き合い解明するなら、きっと人間の謎や世界の謎を解明することにつながるはず。 そうは思いませんか? そう思うなら是非一緒に探究しませんか?」と、ずっと探究仲間を求めている、そんなパーツの声があることに気づきます✨

シュタイナーの人智学的に言えば、この衝動は意識魂に由来すると理解しています。意識魂が現代の人間の中で真実を語ろうとしている。それはとりも直さず、現代が「意識魂の時代」であり、そのようなありのままの「差し出し」が意識魂に働きかけ、成熟した意識魂を基盤として霊我が目覚めようとしているからではないかと、私は捉えています。

なので、私はそのように意識魂に働きかけるものを、私の意識魂の働きを「差し出す」カタチで文章にしたいのです。

ここで「差し出す」ことについて、NVCの創始者マーシャル・ローゼンバーグの言葉を添えたいと思います。同じ想いをその行為に込めたいからです。

人が自分自身を贈り物として差し出すというのは、愛の表現なのです。どんな時でも、自分の中に息づいているものを明らかにすることだけを目的として無防備に、そして正直に自分をさらけ出すことは贈り物なのです。

マーシャル・ローゼンバーグ『実践的なスピリチュアリティ』p6(NVC大学出版)

この意図を明確にした上で、「壁」のように立ちはだかるチャレンジがあることにも気づきます。まるで、15歳からの私の探求のある側面は、ずっとその「壁」への挑戦と内的葛藤だったかのように、想い起こされて来ます。

グルジェフの「自己観察」への招待が、どうして若くして私に響いたのか?

自己観察の方法には二つある。一つは分析あるいは分析の試み、つまりあるものは何に依存しているのか、それはなぜ起こるのかといった問いに対する答えを見つけようとする試みであり、第二の方法は記録、つまりある瞬間にその人の心の中で観察したことを単に、〈記録する〉ことだ。

自分の内部で遭遇する現象を分析しようとするとき、人は普通こう問うー「これは何なのか? なぜこれはこのように起こって他のようには起こらないのか?」。そして彼はそれから先の観察を全く忘れてこれらの問いの答えを捜しはじめる。問いに夢中になるにつれて、彼は自己観察の糸を完全に失い、観察することさえ忘れてしまう。観察は止まる。このことから次のことがはっきりする。つまり、ただ一つのことしか ー 観察か分析の試みのどちらかしか ー 続けることはできないのだ.

P.D.ウスペンスキー『奇蹟を求めて』p174(平川出版社)

この第二の方法での自己観察、つまり、私に与えられた「人間の生」を客観的かつ公平無私に自己観察し続けることが、私にとっての最初の大きなチャレンジでした。

それは、やがてJ.クリシュナムルティの「分離なき観察」に通じるチャレンジであり、NVCの本でマーシャルがJ.クリシュナムルティを引用するのを読む時、私に想起されるのはこの観察なのです。

インドの哲学者、J.クリシュナムルティはかつて、評価をまじえずに観察することは人間の知性として最高のかたちであると述べている。

マーシャル・ローゼンバーグ『NVC』p61(日本経済新聞出版社)

そして、実際に他者の意識魂に働きかけるものとして「差し出す」カタチにするチャレンジがあります✨

どうして、第四の道やノンデュアリティー(非二元)の教えを実践した私のセルフ・ジャーニーが、NVCやIFS(内的家族システム)、プロセスワークを学び実践する方向に進んで行ったかというと、まさにこの現在進行中のチャレンジがあったからです。

現在進行中のこのチャレンジを一言でまとめると、聴いた人が自分自身のほんものさに触れたくなる「ほんものさのアート」と表現できるかもしれません。

チャレンジの詳細については、具体的に整理して書いてみたいので、また機を改めて、個別に書いていこうと思います🙏

最後に、哲学者メルロ・ポンティの言葉を添えたいと思います。

どんな些細な出来事も、それが真実であるなら、決して人生の残骸ではない
それはしるしであり、謎であり、訴えである

『メルロ・ポンティの哲学と現代社会(上)』の序論で、竹内芳郎訳『シーニュ』p248より引用

自分に起こることに耐えきれなくなりそうな時、私を支え続けてくれている言葉です✨


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