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「本物の肉だ!」まであと何年

今日の晩ごはんは大豆ミートを食べた。
最初に食べてから色々と試行錯誤を重ねたことで、今では毎回同じ美味しさのものを調理できるようになった。
相変わらず「肉ではない」が、外出することが稀で生鮮食品を購入する機会のない引きこもりニートにとっては貴重なタンパク源だ。

大豆ミートというのは、いわゆる「代用肉」である。
大きな区別としてはカニカマなんかと同じ括りになるはずだ。「本物を何らかの理由で選択できないときの代用品」。
高価なカニと比べて安価で手に入るカニカマに、思想上ないし栄養上の理由で肉の代わりになる大豆ミート。理由の違いこそあれ、本物に代わる選択肢の一つだという点では同じである。

この代用肉、代用食品というのは、現実の技術である一方で、創作に登場するアイテムの一つでもある。
ディストピアもののSFなどでは、「本物が絶滅した」「本物よりも広く普及するようになった」というような理由で、これらのアイテムが創作の小道具として用いられることがある。
もちろん創作は創作だが、SFというジャンルの作品は、「到来しうる未来についての思考実験」という側面を持つ。
代用食品についての創作が現実のものとなるのも、全くあり得ない話ではない。

そう遠くない未来に、これらの創作めいた調子で「ひゃあ! 本物の肉だ!」なんて風に喜んだりする日が来るかもしれない。
現実になるのが嫌な想像ではあるが、そこはかとなく愉快そうでもある。
代用食品が日常的なものになって、本物の肉に久しぶりにありついた日には、是非ともこのセリフを口に出してはしゃいでみたいものだ。

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