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イベントレポート:【事例勉強会】事業拡大を目指した、将来的な経営幹部となる副業人材のマッチング事例

こんにちは。NPO法人G-netの白井です。
本日は、3/16にオンラインで開催されたふるさと兼業事例勉強会のレポート【事業拡大を目指した、将来的な経営幹部となる副業人材のマッチング事例】をお届けします!

コロナ禍で、「働き方改革」や、「リモートワーク」、「ワーケーション」など、企業や働く人の環境は急速に変わり、社会人の兼業やプロボノがトレンドになりつつある中、住んでいる場所にとらわれず、地域に関わりながら兼業・副業に取り組む大手企業社員も増えてきました。

今回ご登壇いただくのは、三重県紀北町でホームページ制作を中心としたデザイン業務や、地元のお魚を利用した離乳食材「mogcook」の通販事業を行っている、株式会社ディーグリーン 代表の東城(ひがし じょう)様です。
株式会社ディーグリーンは、過去に学生インターンを活用して事業推進を図ったり、インターンから社長の右腕となる人材が出て「mogcook」の責任者をしていたりと、様々な形で人材活用の幅を広げてきました。従来の雇用の方にとらわれず事業拡大をしている企業さまです。
そんな株式会社ディーグリーンから東様をお迎えして、本プロジェクトを実施するにあたった経緯そしてふるさと兼業を導入して起きた会社の変化や実感をお話ししていただきました。

プロジェクト立ち上げの背景

インターンシップからG-netと関わり始めたという東さん。資源豊かな三重県南部で、生産者の顔が見える離乳食を実現したいと「mogcook」を立ち上げました。立ち上げ期には外部からインターン生を受け入れ、非常に力になったとお話しされていました。
「mogcook」が立ち上がったのは2014年。よりこの事業を広げたい、という思いから、ふるさと兼業での外部人材募集を検討し始めたそうです。

プロジェクトはこちら▼
https://furusatokengyo.jp/project/tokai/mie/p6097/

ふるさと兼業で募集したプロジェクトは「お試しCxO募集」。「mogcookを将来どうしていくか、本気で考えてくれる人に兼業してほしいと思った」と東さん。スタッフも少ない中、mogcookをどうやって全国的に広めていくか。中枢で考えてくれる人材を集めなければいけません。そこで、ふるさと兼業では少しめずらしい「CxO募集」というプロジェクトを打ち立てました。3か月程度の機関ではなく、長期間関わり、その後事業の中枢を担うような、事業承継をしていく位の気持ちで募集を行いました。

東さんがマッチングの上で重視したのは「本気でやってみたいという想いが伝わる人」「本音で話せる人」「現地で顔を合わせる機会が持てる人」。
選考段階で、1泊2日で顔合わせを行ったそうです。元々は1人の想定だったそうですが、結果3名の方とマッチングし本プロジェクトはスタートしました。

プロジェクトの取り組み

マッチングしたメンバーは都心部からのリモート参加。遠隔かつ兼業で進めていく上で、取り組みや想いを理解してもらうことは大切ですが簡単なことではありません。
そこでまず、プロジェクト最初の半年間は「自分達の事業や仕事を知ってもらう期間」としてじっくり向き合っていき、後半にはプロジェクトを改めて整理し、3人の役割分担を設定したそう。チームではあるものの、個別で役割を決めてそれぞれ進めていくスタイルでプロジェクトは進行してきました。

ここで東さんが意識したことは「情報共有」。
兼業者の方々にも、売り上げなどの数字はオープンにしていくことで兼業者の方々にも数字を意識してもらいながら進めていったようです。

また、兼業者の提案はどんどん取り入れたとのこと。中には過去に取り組んでいたPR施策もあったそうですが、「まずはやってみる」ことを兼業者にも体感もらうことでチームとしてPDCAを回していきました。

プロジェクトで生まれた成果と振り返り

開始して間も無く1年が経とうとしている本プロジェクト。当初の想定とは少しずつ変わりつつも、現在も継続して取り組んでいます。実際の事業承継までには至っていませんが、各自の関わりやすい形と、企業側が力を貸してほしい部分とをすり合わせながら継続した関係性が続いています。
関東圏での営業を成果報酬型で実施する兼業者・定期的に事業相談をしていく兼業者・補助金の獲得から入って実行していく兼業者などがいる形でプロジェクトは終了しました。
この兼業プロジェクトの推進は社員の育成にも繋がったそうです。プロジェクトに担当者をつけることで、新しい視点を取り入れたり困った時に外部に頼れる人がいたりと、良い効果を生んでいます。
また、地方と都心部ではどうしても情報の量や鮮度に差が生まれてしまいがち。ですが、外部人材が入ることで、最新情報やトレンドのキャッチができるようになったそうです。

一方で、課題もあります。全国展開をしているブランドでも、製造工程やそこで働く人がいる限り「地域に根付く」事とは切っても切れません。今回のお試しCxOのメンバーは全員が遠隔地。事業承継という点には難しさも感じたそうです。
ですが、東さんは「関わりしろはたくさんある」と考えています。地域で活動する上で、「移住しその地域で働く」というのはハードルが高いもの。しかし、兼業の仕組みを活用することで、自分の住む場所を変えずとも関わりたい地域と交わることが可能となります。
また地域側は、兼業の仕組みを活用することで、その地域の「関係人口」を増やせます。これまでの固定観念から外れ、デジタル化を進めていくことで遠隔でも深い関わりを持つことはできる、という東さんのお話が印象的でした。

コーディネーターとの関わり

このプロジェクトを募集するにあたっては、コーディネーターと何度も議論を重ねたそうです。まず最初は雑談ベースから、課題を共に探っていったそうです。

納得できるところをじっくり話し合い、mogookとして兼業のプロジェクトとして取り組めるところを共に見出していった結果が本プロジェクトでした。「僕らよりも兼業副業人材のことをよく知っているから、そのアドバイスに気づきもあった」と東さん。
企業の状況や困りごとから、これまでの事例なども元に効果を最大化するにはどうしたらいいかを共に考える進め方が、ふるさと兼業ならではの取り組みです。

さいごに

兼業者と共に、さまざまな試行錯誤を重ねているmogookプロジェクト。「まずはやってみる」精神で、柔軟に、そして果敢に挑戦されている様子を拝見できるイベントでした。
mogcookの可能性は、今後もどんどん広がっていきそうです。

次回のイベントについて

次回は5/25(木)19:00〜より、松波酒造株式会社の事例をご紹介いたします!
ぜひご参加ください。