見出し画像

「市田柿発祥の地」長野県高森町の魅力をシェフが発掘!【地域活性化起業人活動報告 #08】

ぐるなびは、食文化振興や観光振興などによる地域活性化に貢献すべく、2021年より総務省による「企業人材派遣制度」を活用し、当社社員を“地域活性化起業人”として全国各地に派遣。地方自治体との連携のもと、ぐるなびの持つ事業インフラやノウハウを活かした地域独自の魅力・価値の向上に取り組んでいます。
今回は、長野県高森町にて業務に従事する岩佐信宏より、活動報告をいたします。

はじめに

はじめまして、2023年4月より長野県下伊那郡高森町の「地域活性化起業人」として活動している岩佐信宏です。

私は2002年10月にぐるなびに入社し、当初は飲食店をサポートする加盟店営業を担当していました。その後、飲食店の経営などに役に立つ情報をお届けする「ぐるなび大学」を担当しセミナーなどの講師を務めたほか、再び営業現場に戻り、仙台営業所、横浜営業所へ異動。さらにインバウンド戦略グループや法人営業など飲食店のサポートを中心に様々な経験をしてきました。

地域の営業所を経験した事で「地域活性化」に関わる業務にいつか就いてみたいと思っていたところ、「地域活性化起業人」に従事する機会が訪れました。今回は私の長野県高森町での活動の一部をご紹介いたします。

長野県高森町の魅力

松源寺の鐘楼と市田柿の柿すだれ

 長野県高森町は、中央アルプスと南アルプスに囲まれ、天竜川がその間を流れる信州・伊那谷の南に位置します。各種農産物の南限・北限の境界に位置し、リンゴ、ナシ、ブドウなどの美味しい果物や野菜を収穫することができます。また、高級干し柿の代名詞とも言える「市田柿」が高森町下市田で作られたことから、その発祥の里として知られています。

「地域活性化起業人」としてのミッションは、高森町の魅力をもっと多くの人に知っていただき、地域の活性化につなげていくこと。これまでの業務経験を活かし、食のプロである「シェフ」に高森町の豊かな食材の新たな魅力を発見していただこうと、シェフを高森町に招聘し、生産の現場を巡っていただく「高森町×CLUB RED(※)シェフツアー」を企画。2023年11月27日、28日の2日間に渡り開催しました。

※CLUB REDとは:35歳以下の若手料理人を対象とした日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35 (RYORININ’s EMERGING DREAM U-35) 」で優秀な成績をおさめた若手料理人と歴代の審査員が集うコミュニティであり、食のクリエイティブ・ラボです。

高森町のアピールポイントとは

シェフツアーを実施するに当たり、迎え入れる高森町の生産者の皆さんを対象としたPRセミナーを2023年9月6日に開催しました。セミナーを通し、当たり前だと思っている農産物の魅力を改めて認識してもらい、ご自身のこだわりをしっかりとシェフに理解してもらうため、アピールポイントを整理していただくことをこのセミナーのゴールとしました。 

2003年11月から2011年3月まで約8年間担当していた「ぐるなび大学」。過去の資料などをかき集め、今回のテーマに合わせた資料を作成。12年振りにセミナー講師を務めました。セミナー後のアンケートでは、参加した生産者のほとんどの方から「非常に参考になった」「参考になった」という回答をいただくことができました。各農産物の魅力をPRするためにどんな施策が必要なのかをお伝えすることができたと考えています。

「CLUB REDシェフに農産物をPRしませんか!?
~農産物にウリ・こだわりを整理する~」セミナー

「高森町×CLUB REDシェフツアー」開催!

高森町の「T」ポーズで。参加シェフ(前列)と高森町のみなさん(後列)

開催の背景

高森町は長野県の南部に位置するため温暖な気候が特徴で、農産物を作る上で、地形・気候に恵まれているエリアではありますが、生産者の皆さん自身が価格を決定して取引することは難しく、販売に関しても自身が手掛けることはほとんどありません。

そこで、CLUB REDシェフに高森町の農産品(加工品)を実際に見て、食べて、触れて頂き、率直な感想・アドバイス(食べ方)などを頂くなど、生産者がシェフと直接コミュニケーションを取ることで、高森町の食の新たな魅力を見出し、生産者の皆さんが改めて自身が手掛ける農産品の価値に気付き、新たな販路を模索するきっかけになればと想い、今回のツアーを企画しました。

[参加料理人]

左から、井上氏、玉水氏、細田氏、木嶋氏

井上 豪希 2021 SILVER EGG (食のクリエイティブディレクション)
1985年生まれ。大分県出身 TETOTETO Inc. (東京都)
食のクリエイティブディレクター。

玉水 正人 2021 BRONZE EGG (フレンチ・イノベーティブ)
1986年生まれ。三重県出身 Wine Restaurant LE CONTE(東京都)
Executive Chef。

細田 隆広 2021 SILVER EGG、2019 BRONZE EGG (中国料理)
1985年生まれ。長野県出身 hyatt regency tokyo 中国料理 翡翠宮(東京都) 
副料理長

★スペシャルゲスト
木嶋 正明 2016 BRONZE EGG、2018 BRONZE EGG (中国料理)
1983年生まれ。長野県出身 中国菜 木燕(長野県伊那市) 
オーナーシェフ

スペシャルゲストとして地元からご参加いただいた「中国菜 木燕」の木嶋シェフとは横浜営業所時代にお会いした事があり7年振りの再会。まさか木嶋シェフが高森町から車で30分ほどの伊那市で店舗をオープンされているとは驚きました!何かご縁を感じます。

高森町を視察!南アルプスを一望できるスポットへ

現地に到着したシェフにまずはじめにご案内したのが、高森町の中でも南アルプスが美しく見える髄一のビュースポット「月夜平」。早朝には天竜川周辺一帯を覆う神秘的な「朝霧」、日中はくっきりと青空に映える「南アルプス」、さらにそのすそ野に広がる「高森町の全景」、夜には澄んだ空気に鮮やかに輝く「満天の星」を眺めることができます。この大自然が高森町の最大の魅力です。この日は天気にも恵まれ、美しい伊那谷の風景を満喫していただけました。

月夜平

特産品「市田柿」の生産現場へ

高森町では600年以上前から渋柿の栽培が行われており、現在の高森町市田地域で栽培していた事から「市田柿」と名付けられました。またこれを干し柿にしたものも「市田柿」と呼ばれ、江戸時代から親しまれています。

訪問した「いちだ農産」では、柿の圃場視察から市田柿皮むき工程~自然乾燥工程を視察しました。出来たばかりの「市田柿」は、この記事をご覧になっている皆さんにも、是非食べて頂きたいものです。

いちだ農産

「市田柿」は季節限定商品なので通年販売が難しいのですが、日本全国の美味しい食材を産地直送でお届けする「産直!ぐるすぐりの駅」でも販売しています。人気が高い商品のため、品切れの場合もございます。ご了承ください。

続いて訪問したのは「サンふじ」の収穫を終えたばかりの水口農園。

水口農園

生産農家の木村さんからは、2023年のリンゴは例年より「出来が悪い」との評価でしたが、シェフからは「充分に美味しい」と高森町のリンゴについて高い評価頂きました。この「サンふじ」は私の自宅・親戚に送り大変好評でリピート注文をもらっています。

また、社会人塾 信州たかもり熱中小学校の同窓生を中心に結成した任意団体「Necchu Ring」では、地球の気候変動によって今後リンゴ栽培の難易度が上がる事への対策としてスタートした「青リンゴプロジェクト」の一環として行われているブラムリーやグラニースミスなどクッキングアップルづくりの取り組みを視察。このクッキングアップルは大きな可能性を感じられるものでした。

視察を終えて意見交換

最後に訪問農家とシェフを交えての意見交換会を開催しました。意見交換会では様々な意見が出ましたが、シェフからの高森町農産物の評価は高く、シェフツアー後にシェフと生産者との取引が既に始まっています。

2024年度、「高森町×CLUB REDシェフツアー」は時期を変えて実施したいと考えています。生産者訪問以外にも加工品・レシピ開発などを実施予定です。

最後に…

長野県高森町に来て、すっかりハマっている「渓流ルアー釣り」についてご紹介したいと思います。

中央アルプスと南アルプスに抱かれ南信州は「渓流釣りポイントの宝庫」です!美しいアマゴ・岩魚に出会う事ができます。この魅力を多くの方に伝えられればと考えています。

現在、建設が進められている2027年以降に開業が予定されているリニア中央新幹線開通に向け、2024年度は観光庁「地域観光新発見事業」などを活用し、地域の中では気が付く事が難しい魅力を発掘し、コンテンツとして磨き上げていきたいと考えています。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!