「バリー・リンドン」とシューベルト
久方ぶりに「バリー・リンドン」を観た。もう3、4回は観たはずだが、たまたまテレビをつけていたら始まって、たちまち画面から目が離せなくなっていた。
3時間以上の大作だが、毎回まったく長さは感じないどころか、ずっと観続けていたくなる。なんという光と色。計算され尽くした絵画的な構図。奇跡のような作品だとあらためて実感する。
何よりも、登場人物に対するキューブリックの絶妙な距離感が好きだ。波乱に満ちた、と同時にこの上なく平凡で退屈とも言える主人公の不思議な人生を、突き離すでもなく